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【獣医師監修】ポメラニアンの特徴と性格|飼い方・しつけのポイントを紹介

【獣医師監修】ポメラニアンの特徴と性格|飼い方・しつけのポイントを紹介

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ふわふわした毛と愛くるしい顔が魅力的なポメラニアンは、日本でも人気のある犬種です。しつけがしやすく家庭犬に向いているため、これからお迎えしたいと思っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、ポメラニアンの特徴や飼い方、しつけのポイントをご紹介します。さらに、かかりやすい病気やお手入れのコツについてもまとめました。

ポメラニアンの特徴

ポメラニアンの特徴
ポメラニアンは、ソリ引きや番犬、狩猟犬として活躍していた大型犬の血を引く犬種です。品種改良により小型化し、現在の姿になったといわれています。小さな体とかわいい顔、ふわふわの毛が大きな特徴です。
ここでは、ポメラニアンのルーツや特徴について詳しくご紹介します。

ルーツ

ポメラニアンはドイツが原産の小型犬ですが、祖先はアイルランドでソリ犬として活躍していたスピッツ系大型犬のサモエドといわれています。ドイツとポーランドの国境に位置するポメラニア地方に持ち込まれたあとに品種改良されて小型化し、現在のポメラニアンになりました。ポメラニアンという名前は、このポメラニア地方に由来します。

その後、ポメラニアンは「ドイツの小型スピッツ」として、イギリスに紹介されました。当時では珍しい犬種でしたが、ヴィクトリア女王に気に入られたことから「女王の犬」として人気が爆発。ポメラニアンブームが到来し、さらに小型に改良されました。

日本には1960年代に入ってきたと言われています。ポメラニアンの顔立ちは、祖先であるサモエドの要素を濃く引き継いだ「きつね顔」と、品種改良により交配を重ねて生まれた「たぬき顔」があります。きつね顔のポメラニアンは鼻が長く、大きい体をしていますが、たぬき顔のポメラニアンは鼻が短く、小さい体をしています。

Tips
「スピッツ」と聞くと、日本スピッツを思い浮かべる人が多いと思いますが、本来はドイツ語で「尖った、鋭利な」という意味があります。ポメラニアンのほか、柴犬や秋田犬、シベリアン・ハスキーやチャウチャウなど、耳や口先が尖った原始的な犬を総称して「スピッツ」と呼びます。

大きさ

ポメラニアンの標準的な体のサイズは、体高18〜24cm、体重は2~3kg前後です。

ふんわりした被毛に覆われており、丸みを帯びたシルエットをしていますが、体は小さく骨格も細め。背中よりも高い位置にあるしっぽが、背中を覆うように前方に倒れていることも特徴の一つです。

また、標準的なサイズよりもさらに小さいポメラニアンは、ティーカップ・ポメラニアン(または極小ポメラニアン)と呼ばれます。

ティーカップ・ポメラニアンは、ポメラニアンのなかでもとくに小さい個体を交配させることで生まれます。正式に認められた犬種ではないため大きさの基準はありませんが、成犬時の体高が20cm未満で体重が2kg未満の個体がティーカップ・ポメラニアンと呼ばれているようです。犬種としての分類はポメラニアンです。

被毛

ポメラニアンの被毛はダブルコートで、胴体は長い毛、頭や足は厚く短い毛で覆われています。とくに、首回りから胸にかけては毛量が多く、たてがみのようなボリューム感があります。

また、ポメラニアンは毛色の種類が非常に多い犬種です。認められている色は、ホワイト、ブラック、ブラウン、オレンジ、グレー、クリーム、クリーム・セーブル、オレンジ・セーブル、ブラック・アンド・タン、パーティカラーの10色に及びます。

人気のホワイトは雪のように真っ白で、祖先であるサモエドを感じさせる色です。同じく人気のブラックは、ポメラニアンのなかでも珍しい毛色で、アンダーコートも黒色をしています。定番のオレンジは、色が均一であることが条件です。

なお、パーティカラーとは、地色のホワイトにブラックやブラウン、グレーなどの斑が入った毛色です。色の組み合わせや班が入る場所はさまざまなため、個性が際立つ毛色だといえます。

平均寿命

ポメラニアンの平均寿命は、12〜15歳と平均的です。なかには20歳まで生きたポメラニアンもいたといわれています。

近年では獣医学の発展などに伴い、犬の平均寿命は年々延びてきています。ポメラニアンの特質に沿って適切に飼育し、健康管理に気をつければ、平均寿命を超えて長く一緒に過ごすことは十分に可能でしょう。

 

関連サイト

ショップにいるポメラニアンを見てみる|pet Plazaコーナン

ポメラニアンの性格

ポメラニアンの性格
ポメラニアンは、小さくかわいらしい見た目からは想像もつかないほど活発で、遊びが大好きな犬種です。好奇心が旺盛で明るく、ほかの動物とも仲良くできるため、犬とたくさん遊びたい方や、複数のペットを飼いたいと思っている方にはとくに向いているでしょう。
 

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ただし、飼い主には甘えん坊である一方で、飼い主以外の人には注意深く接する性格をしています。警戒したときや興奮したときは吠えやすくなる面があるため、知らない人や犬とすれ違ったときや、大きい物音などには注意が必要です。

このような「むだ吠え」のしつけについては、のちほど詳しくご紹介します。

ポメラニアンの特徴をふまえた飼い方

ポメラニアンの特徴をふまえた飼い方
ポメラニアンをお迎えするうえで大切なのは、ケガ防止のための環境づくりです。また、活発な犬種のため、毎日のお散歩も欠かせません。病気を予防するためにも、こまめにお手入れしてあげましょう。

ここからは、ポメラニアンの特徴をふまえた飼い方のポイントを4つご紹介します。

飼育環境

ポメラニアンの飼育は、室内が基本です。ポメラニアンのような小型犬は大型犬と比べると体温調節がうまくできず、体も丈夫ではないからです。

室内での飼育環境は、ケガ防止のための工夫や留守番対策に留意しましょう。ポメラニアンは骨や関節が弱い傾向があるため、低い段差でも骨折や脱臼を負うおそれがあります。できるだけ段差をなくし、床にはマットやカーペットなどを敷いて滑りにくくしましょう。

また、先述したとおり、ポメラニアンは好奇心が旺盛でイタズラをすることがあります。電源ケーブルや割れ物などの危険なものは、手が届かないところに置くか、隠しておきましょう。

室温調節にも気を配る必要があります。ポメラニアンは、もともとソリ犬を祖先にもつ犬種であることから寒さに耐性がある反面、暑さには弱い犬種です。

  • 舌を出して荒く呼吸している
  • 冷たい床(フローリングなど)に寝そべる
  • いつもより水をたくさん飲む

このような行動が目立つ場合は、暑さを感じている可能性があります。エアコンなどで涼しい環境を整えてあげましょう。

また、冬場は乾燥にも注意してください。 静電気は切れ毛や毛玉の原因となるため、加湿器などを使って乾燥対策をおこないましょう。

しつけ

ポメラニアンは、学習能力が高く飼い主への忠誠心も備えているため、比較的しつけがしやすい犬種です。

しかし、先述のとおり警戒心が強く、吠えやすい面もあります。散歩中に会う人やそばを走っている車・自転車、家の中でのチャイム音、訪問者などによく吠えますが、警戒心から吠えていることがほとんどです。

こうしたむだ吠えを防ぐためには、子犬のころからいろいろな音を聞かせたり、家族以外の人やほかの犬と接したりする機会を多くつくって慣れさせることが大切です。吠えるのを我慢したときは、思いっきり褒めてあげましょう。そうすると、飼い主に褒めてもらうために吠えるのを控えるようになります。

また、ポメラニアンは室内飼いが基本であるため、家の中に設置したトイレで排泄させる必要があります。トイレをしつける基本の流れは以下のとおりです。

  1. トイレの場所を決める(子犬のうちはケージ内に設置)
  2. そわそわしたり床の匂いをかぎ回るなど、トイレに行きたそうな様子を見せたらトイレに誘導する
  3. トイレをしているときに、「ワンツーワンツー」などの声をかける
  4. トイレが終わったら褒めてあげる

飼い主が誘導しなくてもトイレができるようになるまで、これを繰り返しましょう。

トイレトレーニングを成功させるポイントは声かけです。用を足しているときに声をかけてあげると「声が聞こえたらおしっこをする」と覚えるため、いつもと違う場所に行っても好き勝手に排泄しなくなります。また、粗相をしても叱らないようにしてください。叱ると「排泄そのものをしてはいけない」と勘違いし、我慢してしまいます。病気につながるおそれもあるため、トイレに失敗しても叱らず、いちからトレーニングをやり直しましょう。

Tips
声かけで上手くいかない場合は、敢えて尿をペットシーツに染み込ませ、トイレに置いておきましょう。自分の尿の匂いでトイレの場所を覚えるようになります。粗相をしてしまった場所には匂いが残らないように消臭スプレーをかけておきましょう。

散歩

ポメラニアンは、運動が大好きな犬種です。1日2回、1回につき15〜30分程度散歩させましょう。

運動量はそれほど必要ありませんが、一日中、家の中で過ごしているとストレスがたまるほか、肥満にもつながります。雨の日は、室内で遊ぶ時間も設けましょう。ボール遊びや、ノーズワーク(嗅覚を使っておやつやおもちゃを探すゲーム)なども喜んでくれますよ。

ただし、長時間の運動は、骨や関節が弱いポメラニアンにとって負担がかかるため避けてください。1日2回の散歩で満足しない場合は、少しずつ時間を伸ばして様子を見るか、家の中で遊ばせましょう。

お手入れ

お手入れ
ポメラニアンのお手入れの仕方を項目別に詳しく解説します。

とくに気をつけたいポイントは、被毛のお手入れ。また、ポメラニアンは小型犬ながら食欲が旺盛なため、体重の増えすぎにも注意する必要があります。

日々こまめにチェックして、ポメラニアンの健康を保ってあげましょう。

ブラッシング・シャンプー

ポメラニアンのふわふわした毛を維持するためには、正しい方法でブラッシングすることが大切です。ブラッシングの手順は以下のとおり。

  1. コームで全身をとかします。コームでほぐせそうな毛玉がある場合は、この時点でほぐしておきましょう(無理に引っ張ってほぐすのは避けてください)。
  2. ブラシ(ピンブラシ)で、全身を毛並みに沿ってとかします。
  3. 仕上げに、コームで全身をとかします。このとき、ブラシでとかせなかった場所はコームでとかしておきましょう。

脇周り・お腹・お尻周り・しっぽなどは毛玉ができやすい箇所です。重点的にブラッシングしてあげましょう。

ポメラニアンの毛は、3〜4月と9〜10月に生え変わります。この時期は大量の毛が抜けるため、毎日のブラッシングが欠かせません。

また、月1〜2回を目安にシャンプーをおこないましょう。シャンプー後はドライヤーで丁寧に乾かしてください。

頻繁にシャンプーをすると、被毛にある脂分を洗い落としてしまい、皮膚病などの原因になりかねません。高齢犬の場合は負担になるため、体を拭いてあげる程度にとどめておきましょう。

トリミング

ポメラニアンの被毛は、上毛・下毛の2層構造のダブルコートで、一定の長さまでしか伸びないため、基本的にトリミングは必要ありません。

ケガ防止のために、手足の裏や足周りの毛をカットする程度で十分でしょう。衛生面に配慮し、お尻周りの毛をカットする飼い主さんも多くいます。

毛をカットする頻度の目安は、月1回程度です。頻繁にカットしたり、短く切りすぎたりすると、皮膚トラブルの原因となるため、安易なカットは避けてください。

また、ポメラニアンは原因不明の脱毛症である「ポメハゲ(アロペシアX)」になりやすい犬種です。残念ながら、今のところポメハゲに効く薬はありませんが、シャンプー・ドライヤーをしても問題ありません。ただし、シャンプー剤は低刺激なものを選んだり、ドライヤーは短時間で済ませたりして、皮膚に刺激を与えないようにしてください。

爪切り

爪切りは、月に1〜2回を目安におこないましょう。犬の爪は、人間の爪のように放っておくとどんどん伸びてしまうため、定期的に切る必要があります。

爪切りのポイントは、角をとるように角度を変えながら少しずつ切ることです。野菜の「面取り」をするイメージで切るといいでしょう。

爪の長さの目安は、立った際に爪の先が床につかない程度です。フローリングを歩くときに、カシャカシャと音が鳴るようであれば、伸びすぎのサイン。

自宅での爪切りが難しい場合は無理に切らず、サロンでのシャンプー時や、動物病院にお願いしましょう。

歯磨き

ポメラニアンの歯は小さなあごに密集して生えているため、歯のトラブルが多い傾向があります。毎日の歯磨きを欠かさないようにしましょう。お手入れグッズを活用し、歯磨きを習慣化させることが大切です。

ただし、歯磨ガムや歯磨きシート、歯磨き用のおもちゃだけでは、完全に汚れは落とせません。細かい部分や狭い隙間にも行きわたりやすい歯ブラシがおすすめです。乳歯が生えそろう生後2~3か月ごろから、少しずつトレーニングを始めるといいでしょう。

体重管理

ポメラニアンは食欲が旺盛で、肥満になりやすい犬種といわれています。ごはんやおやつの与えすぎに注意しましょう。

以下が肥満のチェックポイントです。

  • 横から見てウエストがくびれているか
  • 上から見て腰がくびれているか
  • 肋骨部をなでたときに肋骨の感触があるか
  • 腰をなでたときに腰骨の感触があるか

肥満を予防するためのポイントは、食事のコントロールと適度な運動です。食事の基本は、必要量のフードを与えて、おやつはほどほどにすること。飼い主にとってはほんの一口でも、ポメラニアンにとっては高カロリーになることがあるため注意しましょう。

1日2回の散歩も欠かせません。最低でも1回の散歩で15分は歩かせましょう。運動量が足りないときは、室内での遊びを取り入れてください。

ポメラニアンがかかりやすい病気

ポメラニアンがかかりやすい病気
ポメラニアンは、もともと体が丈夫なスピッツ系の血が流れていることから、病気にかかりにくい犬種といわれてきました。

しかし、近年では先天性・遺伝性疾患などの病気が増えてきており、とくに以下の病気に気をつける必要があります。

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)

ポメラニアンのような小型犬によくみられる膝蓋骨脱臼(パテラ)は、膝蓋骨が正常な位置から外れることで発症する病気です。

膝蓋骨脱臼を発症すると、痛みや違和感を感じるほか、足をひきずったり、後ろ足を十分に伸ばせなくなったりして活動量が低下します。重症の場合は関節が炎症を起こし、普通には歩けなくなることも。

治療は内科的治療と外科的治療に分けられ、軽症の場合は、安静にして抗炎症剤を服用することで症状が緩和される可能性があります。外科的治療は、重症度や年齢、症状などによって判断されます。

膝蓋骨脱臼は、遺伝や発達の異常によって起こるケースが多いため予防は困難ですが、体重管理や適度な運動を心がけることでリスクを軽減できます。

僧房弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)

中高齢の小型犬に多くみられる僧房弁閉鎖不全症は弁膜症の一種で、心臓の弁がもろくなることで血液循環が悪くなり、心臓が弱ってしまう病気です。

初期症状はほとんどなく、少し疲れやすくなったり、遊ぶ時間が短くなったりする程度です。進行すると、すぐに疲れてしまい寝る時間が増加します。さらに症状が進むと、少しの刺激で咳が止まらずチアノーゼを起こしたり、失神したりするようになります。

治療方法には投薬と手術がありますが、手術にはリスクが伴うため、ほとんどの獣医師がこの病気に対する手術をおこなっていません。発症した場合は、投薬治療を続けることになるでしょう。

僧房弁閉鎖不全症のおそろしいところは、自覚症状がなく気づいたときには末期の状態になっていること。ある日突然命を落とすケースもあります。若いころから年に2〜3回は動物病院を受診し、心臓音に異常がないかを診てもらいましょう。

気管虚脱(きかんきょだつ)

小型犬や短頭種で発症しやすい気管虚脱は、気管が何らかの原因で歪んだり潰れたりして呼吸ができなくなる病気です。

はじめは乾いた咳が目立ち、進行すると、ガーガー・グーグーという荒い咳になります。気管がさらに押しつぶされて症状が進むと、普段の散歩でも苦しそうに呼吸します。

気管虚脱は、自然に治ることはありません。咳止め薬や気管拡張薬など、投薬治療で対処します。放っておくと呼吸困難などに陥って命に関わるおそれがあるため注意が必要です。激しい運動をしたわけではないのに、苦しそうに呼吸しているときは早めに受診しましょう。

ポメラニアンは飼いやすい犬種!特徴を知ってお迎えしよう

ポメラニアンは飼いやすい犬種!特徴を知ってお迎えしよう
飼い主に甘えん坊で、ほかの犬にもフレンドリーなポメラニアン。賢く忠誠心もあるため、飼育やしつけがしやすい犬種です。

ときに警戒心が強く出ることもありますが、子犬のころから人や犬、物事に慣れさせておくことで、落ち着いて対処できるようになるでしょう。

犬とたくさん遊びたい方や、将来的に複数のペットを飼いたい方は、ポメラニアンをお迎えしてみてはいかがでしょうか。きっと家族のアイドル的存在になって、楽しい毎日になるはずです。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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