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ジュウシマツの飼い方|初心者でもすぐに始められる基礎知識

ジュウシマツの飼い方|初心者でもすぐに始められる基礎知識

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手乗りができるコンパクトなサイズ感や愛らしい見た目が特徴的な「ジュウシマツ(十姉妹)」。鳥のなかでも飼いやすい種類といわれており、お世話がしやすいペットを探している方にもおすすめです。

また、穏やかな性格で、ジュウシマツ同士でも仲良く過ごせるため、多頭飼いも楽しめます。

本記事では、ジュウシマツに関する基礎知識や、飼育に必要なもの、注意点などをご紹介します。適切な飼育環境を整え、お世話の仕方をしっかりと理解してからお家にお迎えしましょう。

ジュウシマツの飼い方がわかる基礎知識

ジュウシマツの飼い方がわかる基礎知識
実際に飼育を始める前には、ジュウシマツの特徴や性格などを把握しておくと、お世話をスムーズに開始できます。

主な種類や寿命などもご紹介しますので、家族としてお迎えするタイミングで参考にしてください。

特徴

ジュウシマツは、もともと中国から日本に輸入された鳥「コシジロキンパラ」が品種改良を繰り返して生まれた鳥です。漢字で「十姉妹」、またはカタカナの「ジュウシマツ」と表記され、飼育用の小型の鳥のなかではセキセイインコや文鳥などと並んで人気があります。一般家庭でも繁殖しやすいため、多頭飼いしたいと考えている方にもおすすめです。

体長は約10〜12cm、体重は約12〜18gほどと見た目が非常に小さく、鳴き声も控えめなので、狭いスペースや集合住宅などでも飼育できます。

Tips
「十姉妹」という名前は、多頭飼いしても文字通り姉妹のように仲良くできることが由来とされています。

性別

ジュウシマツの性別は、しぐさや鳴き声の違いで判断できます。とくにわかりやすいのが、繁殖期の行動です。ダンスを踊っているかのようにステップを踏んでいるジュウシマツを見かけたら、メスを誘うオスの姿でしょう。また、繁殖期にはオスの鳴き声も少し変化するため、注意して観察すると見分けられます。

繁殖期以外の見た目だけでは性別を判断しにくいため、お迎えする際はよく確認してください。性別が確定するまでは、一羽ずつ別のケージで飼育するといいでしょう。また、多頭飼いをする場合は、オスとメスを分けてあげられる環境を用意するのがベストです。

性格

ジュウシマツは、小型の鳥のなかでも穏やかな性格の持ち主が多く、人間になつくのも早い傾向があります。そのため、初めて鳥を飼う方にとってもお世話しやすい種類です。数羽が同じ場所に集まる環境でも、喧嘩することなく仲良く暮らせます。

群れを好むため、2羽以上飼育する場合は性別ごとに同じケージに入れて、寂しくないようにしてあげてください。

種類

ジュウシマツは、ピョンピョンと跳ねるように動き回り、円錐型のくちばしで種子や穀物を食べて生活する鳥を総称する「フィンチ」に分類されます。ジュウシマツのほか、文鳥やカナリアなどの小鳥もフィンチの仲間です。

また、ジュウシマツにはさまざまな品種が存在し、毛色や毛並みが少しずつ異なります。家族としてお迎えをする際は、品種ごとの特徴をしっかりとチェックして、自分好みの子を見つけてみてください。

【毛色の違い】

黒、茶、白
全身が白い
小班(こぶち) 白色ベース、背中に茶色の模様

【毛並みの違い】

千代田 胸部のみ毛がカールしている
梵天(ぼんてん) 頭部のみ毛がカールしている
中納言 首の部分のみ毛がカールしている
大納言 頭部や耳、胸部の毛がカールしている
キング 全身の毛がカールしている

寿命

ジュウシマツの寿命は3〜10年ほどといわれており、品種や育てる環境によって差があります。平均で約8年、丈夫な子であれば10年以上長生きする場合もあります。

適切なエサやりや温度管理を実施しながら、愛情をもって育てれば、長い時間を一緒に過ごせるでしょう。

ジュウシマツの飼育で必要なもの

ジュウシマツの飼育で必要なもの
ジュウシマツを家族としてお迎えすることを決めたら、事前に必要なものをそろえておきましょう。お迎え当日に慌ててしまわないように、気になるアイテムはすべてペットショップやホームセンターで実際に目で見てチェックしておくと安心です。

その1:ケージ

まずは、ジュウシマツの生活の拠点となる「ケージ」を用意します。
30cm以上を目安に、ジュウシマツがストレスを感じずに飛んだり動いたりできるサイズを選びましょう。多頭飼いをする場合は、より大きなサイズが必要です。

エサ入れや止まり木といったアイテムの個数や大きさも考慮すると選びやすくなります。また、素材は金属製がおすすめです。

その2:つぼ巣

ジュウシマツが眠るときに使用する「つぼ巣」は、適切なサイズのものを選んでください。繁殖時にも必要となります。

コンパクトなものから大型タイプまで、豊富なサイズ展開があります。繁殖させたい場合は、スペースに余裕がある大型のつぼ巣を選びましょう。ジュウシマツのストレス軽減につながり、安心して丈夫な卵を産んでくれます。

その3:止まり木

ジュウシマツは、ケージの中では基本的に「止まり木」の上で過ごします。そのため、必ず1本は使いやすい止まり木を入れてあげましょう。

デザイン性を重視したり、本数を工夫したりと、さまざまな止まり木の選び方があります。とくに、ケージの手前と奥の2箇所を利用して、それぞれ高さの違う木を配置する方法がおすすめです。レイアウトのバランスが良くなるほか、ジュウシマツの動きも観察しやすくなります。

その4:水浴び場

水浴びを好むジュウシマツのために、専用の水浴び場を設置してあげることも重要なポイントです。

ケージ内に設置するタイプもありますが、水浸しになったり、糞やゴミが入ったりして、管理が大変になるおそれがあります。衛生面が気になる方は、外付けタイプを選ぶといいでしょう。

掃除や管理のしやすさを比較しながら、ジュウシマツの性格に合う水浴び場を見つけてあげてください。

その5:エサ・水入れ

エサや水を入れる容器は、多くの場合ケージに付属しているため、別で用意する必要はないでしょう。ただし、飼育する数や使い勝手に応じて適切なものを選んでください。

また、設置の際にはケージから外れてしまわないように、留め具を使用してしっかりと固定します。エサや水がこぼれたり、ジュウシマツが怪我したりするトラブルを事前に防ぎ、安全に使えるように設置しましょう。

ジュウシマツの上手な飼い方と注意点

ジュウシマツの上手な飼い方と注意点
大切な家族であるジュウシマツと一日でも長く健康に過ごすためには、適切なお世話の仕方を理解することが大切です。

ジュウシマツの上手な飼い方と、飼育するうえでの注意点をご紹介します。

エサのあげ方

エサは市販の小鳥用フードを与えます。栄養バランスや食べやすさを考慮して作られているため、メインの食事として最適です。

しかし、専用フードでは十分に補えない栄養素もいくつか存在します。ジュウシマツに不足しがちなカルシウムや鉄分、ビタミンなどの栄養を摂取するために、新鮮な小松菜やサラダ菜といった野菜類も一緒に食べさせましょう。

エサは、毎朝1回食べきれる量を与えてください。また、週に1回を目安に、カルシウムを補給するための「ボレー粉(カキ殻の粉末)」も与えると、足や翼の健康を保ちやすくなります。青菜やボレー粉入れは、止まり木の近くに設置し、食べやすいようにしてあげましょう。

掃除の仕方

ジュウシマツが過ごすケージ内は、毎日の糞やエサの食べ残しなどで汚れやすいため、こまめな掃除が欠かせません。エサ入れや水入れは、毎日食べ残しや古い水を処分して容器を水洗いします。ケージ内に落ちた糞やエサは取り除き、新聞紙やペットシートなどを敷いている場合は、毎日新しいものに交換してください。

月に数回を目安にケージ本体の拭き掃除も実施して、常に清潔な状態を保ちましょう。

温度管理の仕方

日本の環境で誕生したジュウシマツにとっての適温は20~25℃といわれています。室内で飼育する場合は、人間が快適に生活できる環境を維持できれば、特別な温度管理は必要ないでしょう。

人と同じように、真夏の暑さや真冬の寒さには気をつけて、必要であればケージにペット用のクーラーやヒーターを導入してください。またヒーターはジュウシマツの安全を考えたものを選び、必要以上に暖めすぎないようにしましょう。

また、ジュウシマツが水浴びをしたあとや寒い季節には、ケージを太陽の光が当たる場所に移動して日光浴をさせてあげましょう。体温調節ができるほか、羽毛の清潔を守って寄生虫を駆除することにもつながります。

スキンシップの仕方

穏やかで少し臆病なところもあるジュウシマツは、自ら好んで人には近付きません。片手に収まるサイズ感が愛らしい鳥ですが、臆病ゆえになつきにくく、手のりにするにはヒナの内から飼育する必要があります。

スキンシップをとろうとして、手乗りや触れることを無理強いするとストレスを与えてしまい、生活や繁殖にも影響が出るおそれがあります。そのため、ジュウシマツの性格を理解して、最初は優しく声を掛けるところから始めることが大切です。愛情をもって少しずつコミュニケーションをとることで、徐々に心を開いて近付いてきてくれるようになるかもしれません。

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ジュウシマツの病気と対処法

ジュウシマツの病気と対処法
適切なお世話をしていても、生き物である限りある日突然病気になってしまうことがあります。

万が一のことがあってもスムーズに対処できるよう、ジュウシマツがかかりやすい病気の種類や原因を把握しておきましょう。

代表的な病気は以下のとおりです。

病名 症状や原因
そのう炎 ・食欲不振や嘔吐など
・食べたものを保管する器官の炎症により起こる
卵詰まり ・ストレスやカルシウム不足が原因
・産卵期のメスがなりやすい
トリコモナス症 ・食欲不振、くしゃみや鼻汁、舌をしきりに動かすなど(無症状の場合もある)
・トリコモナス原虫による感染が原因

また、人も感染する危険性がある病気に「鳥インフルエンザ」「クラミジア病(オウム病)」「ウエストナイル熱」などがあります。異変を感じた場合は、人も動物もすみやかに病院で受診しましょう。

上記の病気を防ぐためには、以下のような予防や対策が重要です。

  • ケージ内を常に清潔な状態に保つ
  • 飼育用品を定期的に日に当てるか、消毒をする
  • 口移しでエサを与えない
  • エサを与えるために使用した食器を共用しない
  • 触れ合いの前後には必ず手洗いを実施する

育て方がわかったらジュウシマツをお迎えしよう

一羽にじっくりと愛情を注いでもよし、多頭飼いして賑やかな生活を楽しんでもよしと、さまざまな飼い方を楽しめるジュウシマツ。お世話やお手入れの方法がシンプルなので、初めてペットを飼う方にもおすすめです。日々見せてくれる愛らしい姿に、癒されること間違いありません。 飼い方のコツや注意点を理解したうえでジュウシマツをお迎えし、楽しい共同生活を送ってみてください。
一羽にじっくりと愛情を注いでもよし、多頭飼いして賑やかな生活を楽しんでもよしと、さまざまな飼い方を楽しめるジュウシマツ。お世話やお手入れの方法がシンプルなので、初めてペットを飼う方にもおすすめです。日々見せてくれる愛らしい姿に、癒されること間違いありません。

飼い方のコツや注意点を理解したうえでジュウシマツをお迎えし、楽しい共同生活を送ってみてください。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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