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【獣医師監修】猫の多頭飼いを始める前に知っておきたい注意点とポイントを解説!

【獣医師監修】猫の多頭飼いを始める前に知っておきたい注意点とポイントを解説!

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猫を1匹飼っていると、SNSなどで仲良く寄り添う猫たちの姿を見て、もう1匹お迎えしたいと考えることがあります。しかし、多頭飼いにはメリットだけでなく、注意すべきポイントや事前に準備すべきことが多く存在します。新しい猫を迎えることで、先住猫にストレスがかからないか不安に感じることも少なくありません。本記事では、獣医師監修のもと、猫の多頭飼いを始める前に知っておきたい注意点や、スムーズに同居させるためのポイントを詳しく解説します。多頭飼いを成功させ、愛猫たちとの幸せな生活を実現するための参考にしてください。

猫の多頭飼いのメリット

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多頭飼いには、飼い主と猫の双方にとって多くの魅力的なメリットがあります。具体的な生活のシーンを想像しながら、どのような良い変化が期待できるのかを確認していきます。

猫同士の遊びで運動不足を解消できる

猫同士が一緒に追いかけっこをしたり、じゃれ合って遊んだりすることで、自然と毎日の運動量が増加します。室内飼いの猫はどうしても運動不足に陥りがちですが、多頭飼いによって活動的になることが期待できます。適度な運動は、肥満や生活習慣病の予防にもつながるため、健康寿命を延ばす上でも大きなメリットとなります。飼い主が忙しくて十分に遊んであげられない日でも、猫同士でエネルギーを発散できる点が魅力です。

社会性が身につき精神的に安定しやすい

猫同士でコミュニケーションを取る過程で、噛む力の手加減や他者との距離の取り方といった社会性が自然に育まれます。とくに幼い頃から他の猫と関わることで、協調性が身につきやすくなります。また、飼い主が留守にしている間も、他の猫がいることで寂しさが紛れ、情緒が安定しやすくなるという特徴があります。留守番が多い家庭においては、猫の分離不安を防ぐための有効な手段の一つとなります。

 

猫の多頭飼いのデメリット

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多頭飼いは良いことばかりではなく、事前に把握しておくべきリスクや負担も存在します。理想と現実のギャップで後悔しないよう、率直なデメリットを理解しておくことが大切です。

相性が悪いとストレスが長期化する

猫はもともと単独行動を好む習性があり、縄張り意識が強い動物です。そのため、相性が合わない猫同士が同居すると、ストレスを抱えてしまう可能性があります。威嚇やケンカが絶えない状態が続くと、食欲不振や特発性膀胱炎などの病気を引き起こす原因にもなります。場合によっては生活空間を完全に分離しなければならなくなり、飼い主の負担も大幅に増加します。すべての猫が仲良くできるわけではないという現実を受け止めておく必要があります

飼育費用が頭数分かかる

猫の頭数が増えれば、キャットフードや猫砂などの日用品代が頭数に応じて増加します。また、ワクチン接種やノミ・マダニ予防、定期的な健康診断などの医療費の負担も大きくなります。万が一、複数の猫が同時に病気や怪我をした場合、一度に高額な医療費が必要になることも考えられます。

 

災害時の避難が難しくなる

地震や台風などの災害時に、複数の猫を同時に連れて避難することは非常に難易度が高くなります。ペットの同行避難には、日頃からのしつけや用品の備えが欠かせません。パニックになった複数の猫をそれぞれのキャリーバッグに入れ、必要な避難用品とともに持ち運ぶには、体力と人手が必要です。避難所での生活においても、複数のケージを置くスペースの確保や、周囲への配慮が必要となります。多頭飼いをする場合は、いざという時の避難ルートや避難方法をより具体的に計画しておく必要があります

 

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多頭飼いに向いている猫の相性の見方

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多頭飼いを成功させる鍵は、先住猫と新入り猫の相性にあります。どのような組み合わせが比較的うまくいきやすいのか、以下の表も参考にしながら性別や年齢、性格の観点から確認していきます。

先住猫 新入り猫 相性度 同居時の傾向注意点
親猫 子猫 家族として過ごした経験があるため比較的受け入れやすい傾向。
子猫 子猫 まだ縄張りに対する執着がなく、遊び仲間として関係を築きやすい組み合わせです。
成猫 子猫 比較的受け入れられやすいものの、飼い主が子猫ばかり構うと先住猫のストレスにつながるため配慮が必要です。
成猫(メス) 成猫(オス) 繁殖を望まない場合や発情期のトラブルを避けるため、避妊・去勢手術が推奨されます。
成猫(メス) 成猫(メス) オス同士ほどの激しいテリトリー争いは少なく、適度な距離感を保って生活できることが多いです。
成猫(オス) 成猫(オス) × 縄張り意識が強くぶつかりやすく、ケンカに発展するリスクが高い組み合わせです。
シニア猫 子猫 × 活動量の差が大きく、元気な子猫の存在が高齢猫の負担になる場合があります。
Tips
上表はあくまで一般的な傾向を示したものです。実際の相性は猫それぞれの性格や生活環境、同居までの進め方によっても大きく左右されます。

オス・メスの組み合わせによる違い

一般的に、異性であるオスとメスの組み合わせは縄張り争いが起きにくい傾向がありますが、繁殖を望まない場合や発情期のトラブルを避けるために、避妊・去勢手術を済ませておくことが前提となります。メス同士の組み合わせは、オス同士ほどの激しい衝突は少なく、適度な距離感を保ちながら共存できることが多い傾向にあります。

年齢が近い猫同士は相性が良い傾向

子猫同士の組み合わせは、まだ縄張り意識が希薄であり、遊びを通じて自然に仲良くなりやすいためスムーズに同居しやすい傾向があります。成猫同士の場合は、年齢や体力が近い方が遊びのペースが合いやすく、関係を築きやすいと言われています。一方で、高齢の先住猫のところに元気な子猫を迎えると、体力や活動量の差から先住猫が疲弊してしまうことがあります。先住猫の年齢や現在の活動量に合わせた相手を選ぶことが大切です。なお、親猫と子猫の組み合わせは家族としての認識が残っていることが多いため、警戒心が薄くスムーズに同居を始めやすいとされています。ただし、親子であっても個体差があるため、慎重に様子を見ながら関係づくりを進めましょう。

先住猫の性格タイプで判断する

先住猫の性格によって、多頭飼いの向き不向きは大きく分かれます。人懐っこく好奇心旺盛で、他の動物に対しても寛容な性格の猫であれば、新しい猫も受け入れやすい傾向があります。反対に、極度に怖がりで神経質な性格や、環境の変化が苦手な猫は、新入り猫の存在に強いストレスを感じてしまいます。愛猫の普段の様子や、来客時、動物病院での振る舞いを客観的に観察し、多頭飼いに適しているかを見極めることが重要です。

多頭飼いを始める前に確認したいこと

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実際に新しい猫を迎える前に、生活環境や経済的な準備が整っているかを再確認する必要があります。無理のない範囲で多頭飼いが可能かどうか、具体的なポイントを確認していきます。

事前確認事項 確認の目的
居住スペースの確保 ストレスなく暮らせる距離感と部屋数の確保
生涯費用の試算 医療費を含む長期的な経済負担の許容度
健康状態のチェック 感染症や寄生虫の蔓延を防ぐための安全確認

居住スペースが十分かどうか

多頭飼いをするためには、猫たちがそれぞれの縄張りを確保し、適度な距離を保てるだけの広さが必要です。環境省の「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」でも、猫は室内で飼育し、環境を整えることで心身ともに健康に過ごせることが示されています。そのため、ワンルームのような限られた空間では、逃げ場や隠れる場所が不足し、猫同士のストレスやトラブルにつながることがあります。賃貸物件の場合は、契約上多頭飼いが許可されているかも事前に必ず確認しておきましょう。

参考:住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン|環境省

中長期的な飼育費用を試算しておく

一般社団法人ペットフード協会の2025年全国犬猫飼育実態調査によると、猫の平均寿命はおおよそ16歳前後まで延びています。それに伴って生涯に必要な飼育費用も増加しています。日々の食費や消耗品費だけでなく、高齢になった際の慢性疾患に対する治療費や介護費用も想定しておく必要があります。複数の猫を同時に養い、十分な医療を受けさせることができる経済的な余裕があるかを、事前にしっかりと試算しておくことが重要です。万が一の出費に備えて、ペット保険への加入を検討することも有効な手段となります。

両猫の健康状態を事前に確認する

新しい猫を家に迎える前には、先住猫と新入り猫の両方が健康であることを動物病院で確認しておく必要があります。とくに猫免疫不全ウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症などの感染症、ノミやダニなどの寄生虫は、接触によってうつる危険性があります。新入り猫は家に迎える前に健康診断や血液検査、駆虫を済ませ、安全が確認できるまでは接触を避けることが基本です。先住猫のワクチン接種が有効期間内であるかもあわせて確認しておきます。

 

関連サイト

ペットの相談・診療はコチラ|コーナンどうぶつ病院

多頭飼いに向けた環境の整え方

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猫同士が不要な争いを避け、安心して暮らすためには、適切な生活環境を整えることが欠かせません。猫の習性を考慮した具体的な環境づくりのポイントを確認していきます。

環境整備のポイント 具体的な工夫と目的
トイレの増設 頭数プラス1台を用意し、清潔さと安心感を保つ
立体的な空間作り キャットタワーを活用してパーソナルスペースを確保する
食事場所の分離 フードの横取りや食事中の緊張・ケンカを防ぐ

トイレは猫の頭数プラス1台用意する

猫は排泄環境に対して非常にデリケートであり、汚れたトイレや他猫のニオイが強く残るトイレを嫌がります。トイレの数が足りないと、我慢して膀胱炎になったり、粗相をしてしまったりする原因となります。そのため、トイレは猫の頭数プラス1台を用意することが理想的とされています。また、トイレをすべて同じ場所に並べるのではなく、家の中の複数箇所に分散して配置することで、他の猫と鉢合わせるストレスを減らすことができます。

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高低差のある空間をつくる

猫にとっての安心できる縄張りは、床面積の広さだけでなく、高さも重要な要素となります。キャットタワーやキャットウォーク、背の高い家具などを設置して、空間を立体的に利用できるように工夫しましょう。市販のキャットタワーだけでなく、ホームセンターで手に入る棚板やL字金具を活用して、壁面にステップやキャットウォークをDIYするのもおすすめです。部屋の形状や猫の頭数に合わせて自由にカスタマイズできるため、限られたスペースでも効率よく高低差を確保できます。高い場所は猫にとって外敵から身を守る安全地帯であり、他の猫と距離を置きたい時の有効な避難場所となります。複数の猫が同時に休めるよう、高低差のあるくつろぎスペースをいくつか用意してあげることが大切です。

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ごはんの場所と器は必ず分ける

食事の時間は猫にとって無防備になる瞬間であり、他の猫が近くにいると奪われるのではないかと緊張してしまいます。そのため、ごはん用の器は頭数分用意し、食事の場所もできるだけ離して配置することが推奨されます。性格によっては、別の部屋で食事を与えたり、ケージの中で与えたりする方が落ち着いて食べられることもあります。療法食や年齢に応じた異なるフードを与えている場合は、横取りによる健康への悪影響を防ぐためにも徹底した管理が必要です。

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新入り猫の顔合わせの手順

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焦っていきなり猫同士を対面させることは、関係の悪化やストレスを招く原因となることがあります。先住猫の安心感を最優先に考えながら、段階的に顔合わせを進める手順を確認していきましょう。

顔合わせのステップ 実施する内容と目的
手順1(隔離) 別室で過ごさせ、環境の変化と互いの存在に慣れさせる
手順2(ニオイ交換) タオル等を使用し、接触前に相手のニオイを認識させる
手順3(間接的確認) ドアやケージ越しに姿を見せ、徐々に警戒心を解く
手順4(直接対面) 短時間から直接会わせ、様子を見ながら時間を延ばす

手順1. 別室で新入り猫を隔離する

新入り猫を迎えたら、最初の数日間から1週間程度は別の部屋に隔離して過ごさせます。新入り猫にとっては新しい環境に慣れるための時間であり、先住猫にとっては見えないけれど誰かがいるという状況に少しずつ適応するための期間です。この間、先住猫の生活空間や日々のルーティンはできるだけ変えないように配慮し、余計な不安を与えないようにすることが大切です。

手順2. ニオイを交換して存在に慣らす

互いの存在に少し慣れてきたら、お互いのニオイがついたタオルや毛布を交換して嗅がせます。猫は視覚よりも嗅覚から多くの情報を得るため、直接顔を合わせる前にニオイで相手を認識させることが非常に効果的です。自分の縄張りに知らないニオイがしても危険がないことを学ばせることで、徐々に警戒心を解きほぐしていきます。ニオイを嗅いでシャーッと威嚇する場合は、まだ直接対面させる段階ではないと判断できます。

手順3. ドア越し・ケージ越しで互いを確認させる

ニオイに対する警戒心が薄れてきたら、まずはドアを隔てた場所でお互いの気配を感じさせながら慣れさせます。ドア越しに相手の存在を感じても落ち着いているようであれば、次は新入り猫をケージに入れた状態で視覚的に対面させるステップへと進みます。間にケージという物理的な障害物があることで、万が一襲いかかろうとしても接触できないという安心感を双方の猫に与えることができます。この段階でも、威嚇が激しい場合は無理をせず、前の段階に戻って慣らし直すことが大切です。

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手順4. 短時間の対面から始める

ケージ越しでも落ち着いているようであれば、いよいよ飼い主の立ち会いのもとで直接対面させます。最初は5分から10分程度の短い時間から始め、おやつやおもちゃを使って気を紛らわせながら良い印象を与えます。少しでも険悪な雰囲気になったらすぐに引き離せるよう、飼い主は手の届く距離で見守ります。これを何日か繰り返しながら、少しずつ一緒に過ごす時間を延ばしていくことで、安全に関係を構築していくことができます。

仲良く暮らすために飼い主ができること

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対面が完了して同居生活が始まってからも、飼い主の細やかな配慮が必要です。多頭飼い開始後に気をつけるべき日常的なケアと、トラブル発生時の対処法を確認していきます。

日常的な配慮・対応 具体的な行動
先住猫へのケア 食事や挨拶の順番を優先し、安心感と愛情を与える
ケンカへの対応 遊びと本気の違いを見極め、必要な時のみ介入する
仲良くならない場合 無理に距離を縮めず、生活空間を分ける

先住猫への愛情を変わらず注ぐ

新しい猫が来ると、どうしてもそちらに気が向いてしまいがちですが、飼い主は先住猫を第一に優先して接することが重要です。ごはんをあげる順番や、帰宅時の挨拶、撫でる順番などは常に先住猫を一番にします。先住猫が自分の居場所や飼い主の愛情を奪われたと感じてしまうと、新入り猫を激しく攻撃する原因になります。これまで通りの愛情を注ぎ、先住猫の精神的な安定とプライドを守ってあげることが多頭飼い成功の秘訣です。

猫同士のケンカの見極め方

猫同士が取っ組み合いをしている時、それが遊びの延長なのか本気のケンカなのかを見極める必要があります。お互いに交代で追いかけ合い、爪を出さずに甘噛みをしている程度であれば、猫同士のじゃれ合いや遊びの一環として見守って問題ありません。しかし、耳を後ろにピタッと伏せて低い声で唸ったり、毛を逆立てて本気で噛みついたりしている場合は、すぐに止めに入る必要があります。大きな音を出して気を引くなどして、距離を取らせましょう。なお、興奮した猫を素手で引き離すと飼い主がケガをする可能性があるため注意が必要です。

なかなか仲良くならない場合の対処法

どれだけ時間をかけて慎重に手順を踏んでも、どうしても相性が合わず仲良くなれないケースは存在します。その場合は、無理に仲良くさせようとするのは諦め、それぞれの猫がストレスなく暮らせる環境を整えることが大切です。部屋を分けて管理したり、時間帯によって利用できるエリアを分けたりすることで、一定の距離感を保ちながら生活できる場合もあります。必ずしも仲良くなることだけが成功ではなく、互いにストレスなく暮らせる関係を目指すことが重要です。

まとめ

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猫の多頭飼いは、猫同士の運動不足解消や社会性の向上といった多くのメリットがある一方、相性問題や費用の増加といった課題も伴います。多頭飼いを成功させるためには、先住猫の性格に適した相手を選び、時間をかけて慎重に顔合わせを行うことが大切です。新しい猫を迎える前に、トイレやキャットタワー、食器などの必要なアイテムをあらかじめ揃えておくと、同居開始後の環境変化を最小限に抑えることができます。先住猫を最優先に配慮しながら、万全の準備を整えて幸せな同居生活をスタートさせてください。

この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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