コーナンTips ペット カエルの飼い方|初心者でも飼いやすい?必要なものやお世話のコツは? カエルの飼い方|初心者でも飼いやすい?必要なものやお世話のコツは? ペット クリップボードにコピーしました カエルの飼い方|初心者でも飼いやすい?必要なものやお世話のコツは? この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 暖かい季節になると、田んぼや水たまりでぴょんぴょんと飛び跳ねているカエルを見かけたことはありませんか。幼少期に自宅でカエルを飼いたいと思った方もいるのではないでしょうか。 カエルは自宅で飼育できますが、おたまじゃくしに比べると難易度が高いため、育て方のコツや注意点を押さえておくことが大切です。本記事では、初心者の方が飼育するときにそろえるものや正しい育て方についてご紹介します。ぜひお子さんと一緒に、かわいいカエルを飼育してみましょう。 目次 カエルの飼育に役立つ基本情報おたまじゃくしの上手な飼い方!種類の見分け方や飼育のポイントを紹魅力と特徴生態・飼育環境樹上生陸生(地上生)水生(半水生)カエルの寿命カエルの入手方法自分で捕まえるペットショップ・ホームセンターで購入するカエルの飼育に必要なもの・飼育レイアウト樹上生のカエル陸生(地上生)のカエル水生(半水生)のカエル【初心者向け】カエルの正しい飼い方飼育温度・湿度エサのあげ方掃除の仕方冬眠について飼育のコツを知って大切にお世話しよう! カエルの飼育に役立つ基本情報 カエルを飼育する前に、まずは基本情報を確認しましょう。 カエルとは、両生類・無尾目(むびもく)に分類される構成種の総称です。「無尾目」とは、しっぽがない生き物を指します。カエルの種類は多く、日本では約48種類、世界では約7,000種が確認されています。 カエルの産卵期は5〜6月ごろです。赤ちゃんのときはおたまじゃくしでエラ呼吸をしながら水中で生活し、成長するにつれて脚が生え、やがてしっぽが体に吸収されて肺呼吸へと変化し、カエルへと成体化します。この一連の流れを「変態」といいます。 関連記事 おたまじゃくしの上手な飼い方!種類の見分け方や飼育のポイントを紹 魅力と特徴 おたまじゃくしからカエルへ変態する姿はとても神秘的なため、子どものペットとしても人気があります。 ただし、おたまじゃくしとカエルでは、エサや飼育環境が大きく異なります。カエルになると飼育難易度がやや上がるため、事前に飼育方法を確認しておきしましょう。 生態・飼育環境 カエルは陸地で過ごすイメージがありますが、なかには水中で暮らす種類も存在します。したがって、お迎えするカエルの種類に合わせて、適切な飼育環境を整えることが重要です。 カエルの種類は、大きく以下の4つに分類されます。 樹上生 :樹木や草の上で生活するカエル 陸生(地上生):陸上で生活するカエル 水生 :水中で生活するカエル 半水生 :地上と水場を行き来するカエル 飼育するカエルがどの種類に分類されるのかを確認してから、飼育道具をそろえましょう。 樹上生 「樹上生」とは、樹木や草の上で生活するカエルを指します。体の色がグリーンの種類が多く、樹木や草の中で生活します。 樹上生のカエルで、有名な種類は以下のとおりです。 ニホンアマガエル イエアメガエル アカメアマガエル 陸生(地上生) 「陸生(地上生)」とは、陸上で生活するカエルを指します。 陸生(地上生)のカエルで有名な種類は以下のとおりです。 ニホンヒキガエル クランウェルツノガエル ベルツノガエル ヤドクガエル(一部樹上生) 水生(半水生) 「水生」は水中で生活するカエル、「半水生」は地上と水場を行き来するカエルを指します。 水生のカエルで有名な種類は以下のとおりです。 ピパピパ マルメタピオカガエル 半水生のカエルで有名な種類は以下のとおりです。 トノサマガエル アカガエル カエルの寿命 カエルの寿命は、種類によって大きく異なります。たとえば、アカメアマガエルの寿命は約5〜7年ですが、ウシガエルは約10〜15年と長生きです。しかし、冬眠がうまくいかなかった場合は、平均寿命に関わらず1年以内に死ぬケースもあります。したがって、生活環境が寿命に大きく関係してくるといえるでしょう。 また、卵からカエルへと成体化するまでに、さまざまな生き物のエサとして狙われるため、カエルになれるのはほんの一握りといわれています。 カエルの入手方法 カエルの入手方法は以下のとおりです。 自分で捕まえる ペットショップ・ホームセンターで購入する それぞれの方法について詳しく解説します。 自分で捕まえる ヒキガエルやアマガエルであれば、活動期間の3〜11月ごろに淡水域で捕獲できる可能性があります。自分で捕まえたい方は、池や田んぼ、森林へ探しに行ってみましょう。 捕獲するときに必要な道具は、以下のとおりです。 タモ網 虫かご 長靴 軍手 カエルはどの種類であっても微量の皮膚毒をもっているため、触るときは軍手をしてください。軍手をした場合でも、カエルに触れたあとは素手で目をこすらないように注意しましょう。 田んぼや水田では水中に逃げてしまうおそれがあるため、長靴を履いておくのがおすすめ。また、タモ網があると捕獲のときに便利です。 カエルは自然の風景に溶け込んで外敵から身を守るため、注意深く観察して探しましょう。草が生い茂っている場所は、潜んでいる確率が高いです。 見つけたら慌てずにそっと近づき、素早く網ですくいあげましょう。カエルは前にしか飛べない習性があるため、壁際まで追い込むのが効果的。手で捕獲する場合は、カエルを潰さないように注意して、後ろから挟み込むように覆ってください。捕獲したら、虫かごケースに入れて持ち帰りましょう。 ペットショップ・ホームセンターで購入する カエルは、ペットショップやホームセンターで購入可能です。種類によって飼育方法が異なるため、購入する際は「樹上生」や「陸生(地上生)」など、どの生態のカエルを飼うかを考えておきましょう。 カエルは数千円で購入できる場合もあれば、種類によっては数万円します。したがって、ある程度値段に幅をもたせて検討しておくと安心です。 カエルの飼育に必要なもの・飼育レイアウト カエルは種類や生態によって、必要なものや飼育レイアウトが異なります。飼い方の注意点として、野生のカエルを虫かごに入れて持ち帰っても、そのまま飼育はできないことを覚えておきましょう。 たとえば、カエルは水槽で飼育をする必要があり、捕まえてきた虫かごの中では生きられません。種類や生態を確認してから、必要なものや飼育環境を整えてください。 カエルの飼育に必要なものは、以下のとおりです。 水槽(飼育ケージ) 床材(腐葉土など) 水入れ 霧吹き 塩素中和剤 ヒーター(保温器具)(温度調節用ライト) エサ 《種類に応じて》 流木や観葉植物 ピンセット カエルが脱走しないように、飼育ケージにフタをしてください。カエルの生態別に、必要なものや飼育レイアウトを解説します。 樹上生のカエル 「樹上生」のカエルは、基本的に樹木や草の上で生活します。樹木や草をからめたレイアウトをつくりましょう。 登り木や枝木、観葉植物などの生きた植物がおすすめ。容器に水を入れて水場を用意し、腐葉土を床材として敷きましょう。併せて温度調節用のライトと、長方形の高さのある水槽も用意してください。 陸生(地上生)のカエル 「陸生(地上生)」のカエルは、基本的に陸上で生活するため、川辺の砂利を再現したレイアウトをつくりましょう。 水苔(みずごけ)で床材をつくり、隠れる場所を用意します。全身が入る水場や温度調節用のライトも用意してください。 水生(半水生)のカエル 水中で生活する「水生」のカエルは、地上へほとんど出てきません。そのため、熱帯魚の飼育をイメージしたレイアウトをつくります。流木を設置した水槽の中に水を入れ、浮き草を浮かべてください。 「半水生」のカエルは地上と水場を行き来するため、必ず陸地をつくりましょう。併せて、隠れ家も用意し、水槽の半分を水場のレイアウトにしてください。 両生類の飼育用品を見てみる 【初心者向け】カエルの正しい飼い方 カエルの飼育環境を整えたら、正しい飼い方を確認しましょう。初心者の方向けに、温度・湿度管理や日々のお手入れなど、飼育の基本について解説します。 飼育温度・湿度 熱帯地域が生息地のカエルを飼育する場合は、温度調節用ライトが必要です。 また、どの種類のカエルであっても、20℃以下になると食欲が落ち始めて動かなくなるため、気温が下回らないよう室温管理を徹底してください。カエルにとって温度と湿度はとても重要です。なぜなら、カエルは皮膚が乾燥すると、皮膚から酸素を取り入れられなくなるからです。 そのため、常に皮膚が湿った状態を維持できる環境を用意しましょう。カエルにとって水はとても重要であり、毎日与える必要があります。水が汚れていると病気に感染しやすくなるため、水換えは毎日おこなってください。一晩くみおきしてカルキ抜きした水を与えましょう。 エサのあげ方 カエルは種類によって与えるエサの種類や量が異なります。エサは与えた分だけ食べてしまうため、量には気をつけましょう。成体化したカエルのエサは、2〜3日に1回か、1週間に1〜2回のペースで問題ありません。 カエルは基本的に視覚でエサを見分けるため、コオロギやショウジョウバエなどの生きた昆虫がメインのエサとなります。昆虫を捕まえるか、ペットショップで購入しましょう。 そのほか、自分で昆虫を繁殖させて育てる「累代飼育(るいだいしいく)」の方法もあります。自分で昆虫を採りに行くときは、金魚用の小さな網や大きな捕虫網があると便利です。 「樹上生」のカエルは、コオロギなどの生きた昆虫を与えます。「水生」のカエルは、固型飼料を与えてください。「陸生」のカエルは、成体であれば冷凍したネズミを与えます。小型種や成長期のカエルは、ショウジョウバエや生まれたばかりのコオロギを与えてください。 カエルが食べる主な昆虫について、以下の表にまとめました。ペットショップで購入するときは、飼育係のスタッフに確認しておくと安心でしょう。 蛾(ガ) ・基本的にどのカエルも食べる ・夜にライトを点灯しておくと集まってきやすい ・カエルが食べられるサイズを選ぶ アブ・ハエ ・基本的にどのカエルも食べる ・大きなハエは、冬の暖かい日であれば見つけられるため、寒い時期のエサとして重宝する コオロギ ・カエルのエサの定番 ・成虫のコオロギは大きいため、生まれたての小さいコオロギがおすすめ ・小さいコオロギを見つけるのは比較的困難なため、累代飼育で用意するのがおすすめ ワラジムシ ・落ち葉や石の下で見つけやすい ・ニンジンと腐葉土があれば飼育も可能 ショウジョウバエ ・カエルに成体化したばかりのときに必要 ・追いかけて捕まえるのは難しいため、バナナを利用して招き寄せるのがおすすめ ・羽のないタイプを購入し、累代飼育がおすすめ ヤブ蚊 ・おたまじゃくしからカエルに成体化したばかりのときに必要 ・蚊がいそうな薮(やぶ)で網を振り回してみると捕まえやすい 冷凍赤虫・ミミズ ・ピンセットから食べるようにしつけができれば、アオガエルやアマガエルも食べる ・アフリカツメガエルはこれだけで飼育が可能だが、それ以外は主食向きのエサではない エサを与えるときは、ピンセットを使用します。コオロギの足は硬く、カエルの口を傷付けるおそれがあるため、先に取り除いてから与えてください。慣れてくれば、エサ置き場に置くだけで食べてくれるようになります。 掃除の仕方 レイアウトとして入れている流木や床材は、カエルのフンや尿で汚れやすいため、定期的に飼育ケージを掃除しましょう。水替えや床材の交換も必須です。 ただし、頻繁に大きな掃除をおこなうとカエルにストレスを与えてしまうため、汚れがひどくない限りは、2〜3週間に一度のペースで問題ありません。 冬眠について 冬眠時の飼い方が不安な場合は、冬眠させずに冬を越させましょう。先述したように、カエルは冬眠がうまくいかないと、平均寿命に関わらず1年以内に死ぬおそれがあります。 保温器具などを利用して飼育適温を20〜25℃に維持すれば、冬眠せずに冬越しが可能です。 飼育のコツを知って大切にお世話しよう! 本記事では、カエルの飼い方についてご紹介しました。カエルは種類や生態によって、必要なものや飼育レイアウトが大きく異なります。飼育するカエルの特徴をよく確認したうえで、適切な環境を整えましょう。 おたまじゃくからカエルへと成体化する姿をとおして、お子さんにとっても多くの発見や学びを得られるはずです。ぜひ本記事を参考にして、お子さんと一緒にカエルを飼育してみてください。 両生類の飼育用品を見てみる この記事を監修した人 小松 智彦 獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。 20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。
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