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ブロッコリーの育て方|初心者も簡単にできる栽培方法を解説

ブロッコリーの育て方|初心者も簡単にできる栽培方法を解説

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ビタミンやミネラルなど、野菜のなかでも群を抜いて豊富な栄養を持つブロッコリー。ブロッコリーといえば丸い形の品種が主流ですが、側面から出る脇芽を育てる品種や、ブロッコリーの芽を食べる品種もあります。

ブロッコリーを育てるうえで大切なのは、防虫対策と適度な管理。適度に日が当たる環境で、湿気らせないように育てることが大切です。本記事では、家庭菜園が初めての方にもわかりやすく、ブロッコリーの栽培方法を解説します。

ブロッコリーの基本情報

ブロッコリーの基本情報
まずは、ブロッコリーの基本情報を見ていきましょう。

科名 アブラナ科
属名 アブラナ属(ブラッシカ属)
和名 緑花椰菜(みどりはなやさい)
英名 Broccoli
学名 Brassica oleracea L.var.itarica Plen
原産地 地中海沿岸
分類 1〜2年草
販売時期 【苗】
・春まき:3~4月
・夏まき:6~11月
収穫時期 ・春まき:4〜7月
・夏まき:9〜翌3月(品種による)
耐暑性 比較的強いが冷涼な気候を好む
耐寒性 比較的強い

緑黄色野菜の代表格であるブロッコリーの原産地は地中海沿岸です。ブロッコリーはもともとケールという野菜で、花蕾(からい)を食べることができるように品種改良されたといわれています。
ケールが起源の野菜はほかにもあり、葉を食べるのがキャベツ、根を食べるのがコールラビです。

日本に伝来したのは明治時代初めごろ。同じくケールが起源で花の部分を食べるカリフラワーと一緒に西洋の野菜として伝来し、第二次世界大戦後には全国へ広まりました。当初はカリフラワーの消費量が多かったものの、栄養意識の高まりとともに緑黄色野菜が注目されるようになり、ブロッコリーの消費量が上回るようになりました。

主な栄養素

主な栄養素
ブロッコリーは野菜のなかでも、栄養価がとくに優れているのが特徴。「Crown of Jewel Nutrition(栄養宝石の冠)」とも呼ばれ、ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含みます。

ビタミン類としてはビタミンAの元となるカロテンや葉酸、ビタミンCが豊富です。とくに、生のブロッコリーに含まれるビタミンCの量はレモン果汁の約2.4倍ともいわれています。また、カルシウムとカルシウムの吸収に必要なビタミンKを含んでいることもポイント。加えて、ミネラルのバランスを保つカリウムや、鉄分も豊富です。

ブロッコリーは上部のつぼみを食べるのが主流ですが、茎も食べられます。茎にも栄養が多く含まれるため、栽培したブロッコリーはまとめて調理するのがおすすめ。茹でる、蒸すなどの調理方法で、サラダ・味噌汁・スープに入れるとおいしく食べられます。調理後の栄養価が気になる方は、ビタミンCが残りやすい「蒸す」調理方法を試してみてください。

種類

ブロッコリーは大きく3種類に分けられます。

頂花蕾(ちょうからい)型

頂花蕾(ちょうからい)型
ブロッコリーといえばで連想できる、お馴染みの形です。茎の頭頂部にできる花蕾(からい)が可食部で、栽培では花蕾が大きくなるように育てます。やや長めに茎を残して収穫する点が特徴です。

側花蕾型(そくからい)

側花蕾型(そくからい)
枝分かれした先にできる花蕾を食べるブロッコリーです。頭頂部は大きく成長せず、枝分かれを繰り返して脇芽をつけるように育てます。脇芽だけを収穫する側花蕾型のほか、頭頂部の花蕾と側面の花蕾を両方収穫できる頭花蕾・側花蕾兼用型もあります。

ブロッコリースプラウト(新芽)

ブロッコリースプラウト(新芽)
芽を育てて食べるブロッコリーです。スプラウトは3日ほど育てた野菜の芽を指し、完全に育った状態よりも栄養価が高いことが特徴。ブロッコリー・スプラウトはスプラウト人気の先駆けとしても知られています。栽培工場では光を当てて栄養価を高めています。

ブロッコリーを栽培するために必要なもの

ブロッコリーを栽培するために必要なもの
地植えのイメージが強いブロッコリーですが、株間を意識すればプランターでも栽培できます。ブロッコリー栽培に必要な道具は以下のとおりです。

  • ブロッコリーの苗(種)
  • プランター(8〜10号サイズ)
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 培養土(※プランター栽培の場合は野菜用培養土)
  • 肥料
  • スコップ
  • ジョウロ
  • ナイフ・園芸ハサミ
  • 支柱
  • 防虫ネット
  • 鳥除けネット

培養土はプランター栽培と地植えで選び分けることがポイント。プランター栽培では野菜用培養土を使いましょう。また、植え付け後に肥料を混ぜ込めるよう、元肥用の肥料を用意しておきます。

苗の選び方

種から育てる場合は、苗として植え付けられるサイズまで育てる「育苗」が必要。手間を減らしたい方や、初心者の方は購入した苗を植え付ける方法がおすすめです。苗から育てたほうが、失敗する確率も下がります。

苗はホームセンターや園芸店などで購入できます。苗を選ぶときのポイントは以下のとおりです。

  • 虫が付いていないか
  • 病害がないか
  • 茎が太く丈夫か
  • 先端の芽が伸びているか

表面だけではなく、葉の裏まで確認しましょう。

プランターの選び方

とても小さいブロッコリーの苗ですが、徐々に成長し、株も大きくなっていきます。

植えるスペースは、株間を30〜40cmほど確保できるよう広めにとりましょう。プランター栽培の場合、8〜10号サイズのプランターであれば1鉢に1株、60cm程度の長いプランターであれば2株が植え付けの目安です。プランターの深さは30cmほどがおすすめです。

ブロッコリーの育て方

ブロッコリーの育て方
元気なブロッコリーを育てるためには、日当たり・置き場所・温度の条件を満たした環境を見つけることが大切。適切な場所を確保したら、苗を植え付けて栽培をはじめます。

また、植え付けから収穫までの期間が比較的長いブロッコリーは管理も重要です。栽培まで丁寧に育てていきましょう。

日当たり・置き場所・温度

ブロッコリーの適度な成長と病害虫対策のために、置き場所の日当たり・湿度・温度をよくチェックしましょう。ブロッコリーは日当たりと風通しの良い場所を好みます。生育適温は15〜20℃。ただし、夏場は直射日光に注意が必要です。

直射日光が長時間当たらないよう、季節に合わせて半日陰になる場所を選ぶとよいでしょう。半日陰とは、昼間の数時間だけ日が当たる場所や、木漏れ日程度の日差しがある場所を指します。ブロッコリーは半日陰に置くと、ゆっくり時間をかけて成長していきます。

また、風通しの良い場所を選ぶときは、湿気で蒸れないかどうかを確認することも大切です。ただし、室外機の風が当たる場所は避けてください。

植え付け方

ブロッコリーには、「夏まき」と「春まき」があります。
夏まきは8月下旬〜9月中旬、春まきは3月中旬〜4月中旬が植え付け時期で、収穫する時期も異なります。
初心者の方は、夏に植え付けるのがおすすめです。8月下旬〜9月中旬は、冷涼で日当たりの良い環境を好むブロッコリーに適した時期。虫の被害も春まきより少ないとされています。

苗の本葉が4〜6枚になったら植え付けの目安。苗のポットよりもひと回り大きな穴を作って植え付けます。深さはポットと同じくらい。ポットの底を押して丁寧に苗を取り出し、穴の中に置いたら土をかけます。

植え付け後の苗を安定させるために、土は根元へ多めにかけることがコツです。植え付け時に根元へ土を寄せると、苗が倒れにくくなります。

必要があれば、苗から少し離れた場所に支柱を立て、支柱に固定する誘引をおこないます。また、ブロッコリーは虫が付きやすいため、防虫ネットも張っておきましょう。

水やりの仕方

ブロッコリーの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりとあげることがポイント。プランター栽培の場合、表土が乾くと中の水分もすぐになくなります。枯れてしまわないよう、水やりは忘れずにおこなってください。

ただし、ブロッコリーは湿度に弱いため、水のあげすぎには注意が必要。季節に合わせて水やりの仕方を変えるといいでしょう。夏場は、朝夕の片方または両方のタイミングで、土表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。

冬場の水やりでは、霜に注意が必要です。気温の高い日中におこないましょう。ブロッコリーは冬本番を迎える前から収穫できるため、難しい管理を避けたい場合は11月ごろから収穫をはじめるのがおすすめです。

肥料のやり方

植え付けから栽培までの期間が長いブロッコリーには、肥料を与えて管理する必要があります。植え付け時にも元肥として、しっかりと肥料を与えます。

1回目の肥料は植え付けから2〜3週間後が目安。2回目は1回目の肥料から3〜4週間後が目安です。肥料はプランターの隅に置きます。

つぼみが付いたら肥料はストップしてください。再開時期は頂花蕾の収穫後。脇芽の成長を促すために肥料を施します。脇芽の成長が遅く感じる場合は、さらに肥料を追加しましょう。また、12月以降は1カ月に1回程度の頻度に減らします。

収穫の仕方

ブロッコリーの栽培では、収穫時期の見極めが重要です。品種によって栽培する部分が異なるため、収穫タイミングも変わってきます。

頂花蕾は、ブロッコリーの頭頂部にできたつぼみが15cm程度になったら収穫が可能です。つぼみの根元を、ナイフや包丁で切り取ります。収穫後に発芽する脇芽を上手に育てると、頂花蕾を再度収穫できます。

側花蕾も育つ品種の場合は、側花蕾が適度に育ったタイミングで収穫しましょう。下の葉から順にハサミで切り取っていきますが、このとき若いつぼみを短めに切り取ることがポイントです。化学肥料で追肥をおこない、次の収穫時期を待ちます。

夏まきのブロッコリーは寒い時期に大きく成長する野菜です。成長しすぎると花が咲いたり、硬くなったりして食味を損なうため、収穫時期を逃さないようにしましょう。

ブロッコリーの育て方の注意点

ブロッコリーの育て方の注意点
ブロッコリー栽培を成功させるためには、虫除けと防風対策が重要です。

ブロッコリーには虫が付きやすく、食い荒らされるおそれがあります。収穫時期を迎えると虫は減りますが、鳥除けの対策も欠かせません。

また、つぼみに対して細い茎を守るため、強風への対策もしっかりとおこないましょう。プランター栽培は状況に応じて移動できる点がメリットです。ここでは、ブロッコリーを育てる際の注意点を解説します。

防虫対策

ブロッコリーに虫が付いて失敗するのを防ぐために、植え付けたらすぐに防虫ネットを張りましょう。網目が細かい防虫ネットを選べば小さな虫の侵入を防げますが、その分蒸れやすくなる点に注意が必要です。

防虫専用ではありませんが、寒冷紗(かんれいしゃ)を防虫ネットとして使用する方法もおすすめ。寒冷紗には防虫以外にも、日差しをさえぎったり、寒さを防いだりする効果があります。

防虫ネットは支柱を立ててから張ります。支柱とネットがセットになっているものもおすすめです。成長しても余裕が残るように、成長用のスペースをしっかりと確保しましょう。

洗濯バサミを活用して、ネットと支柱の間に隙間ができないように設置します。風が入り込んで飛ばされないよう、ネットの端は地面に固定してください。

虫が減るくらいまで気温が下がったら防虫ネットを外して、鳥除けネットを設置しましょう。野鳥がブロッコリーの葉を食べてしまう被害を防げます。

強風対策

ブロッコリーの栽培時期は台風で強風が発生する時期と重なるため、強風対策が重要です。支柱を立てたり、土寄せを念入りにおこなったりして、強風で倒れるのを防ぎましょう。

防虫ネットが倒れて株を傷つけることもあるため、風で飛ばされないようにしっかりと固定することがポイントです。

ブロッコリーの病害虫対策

ブロッコリーの病害虫対策
ブロッコリー栽培で注意が必要な病害虫の特徴と対策方法は以下のとおりです。

名称 特徴 予防・対策方法
軟腐病(なんぷびょう) ・水が染みたような状態になる
・悪臭がする
・腐敗する
(予防)
・過湿な環境を避ける
・防虫ネットで害虫を防ぐ
・新しい土で栽培して連作障害を防ぐ(対策)
・様子がおかしい箇所を取り除く
モザイク病 ・葉全体にモザイクのような病斑が発生する (予防)
・アブラムシの付着を防ぐ
・新しい土で栽培して連作障害を防ぐ(対策)
・農薬を散布する
黒腐病(くろぐされびょう) ・黄褐色の病斑が発生する (予防)
・新しい土を使用して連作を避ける
・防虫ネットで害虫を防ぐ(対策)
・様子がおかしい箇所を取り除く
・専用の薬剤を散布する
アブラムシ ・体長は約1〜3mm
・体の色は黄緑や黒褐色
・植物の新芽に多く寄生する
・口針で汁液を吸う
・ウイルスや病気を媒介する
(予防)
・チッ素の肥料を与えすぎない
・風通しの良い環境で育てる(対策)
・手・歯ブラシ・筆などで落とす
・専用の薬剤を噴射する
アオムシ ・体長は約4cm
・緑色
・毛が生えてない
・モンシロチョウの幼虫
・葉を食べる
(予防)
・幼虫を見つけたら駆除する
・葉の表裏をよく観察して卵がないかを確認する(対策)
・手で取り除く
・殺虫剤をまく

 

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栄養価が高く人気のブロッコリー。家庭菜園の定番であるトマトやキュウリとは変わった様子で育つため、栽培までの変化を楽しめる野菜でもあります。ブロッコリー栽培では、長い育成期間を通して丁寧に管理することと、慎重な防虫対策が重要です。

とくに、ブロッコリーは虫が付きやすく、プランター栽培であっても防虫ネットが欠かせません。湿気にも弱いため、水のやり過ぎにも注意が必要。気温が下がって収穫箇所が大きく成長するまで、気長に待ちながらブロッコリーの栽培を楽しんでみてくださいね。

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