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ガジュマルの育て方!剪定や植え替えなど基本的な管理方法を初心者向けに解説

ガジュマルの育て方!剪定や植え替えなど基本的な管理方法を初心者向けに解説

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鮮やかな緑色の葉と、太く複雑な根が特徴的なガジュマル。沖縄にも自生する植物で、多様な樹形が魅力です。不思議で神秘的な雰囲気をもつことから、室内のインテリアグリーンとして人気のガジュマルですが、生育環境によっては思うように成長しない場合もあります。

この記事では、ガジュマルの基本的な育て方を初心者向けに解説します。丈夫で寿命も長いガジュマルの栽培は初心者の方にもおすすめ。ぜひ、自宅で元気なガジュマルを育ててみてください。

ガジュマルの元気な株の選び方

ガジュマルの元気な株の選び方

科名 クワ科
属名 フィカス属(イチジク属)
和名 ガジュマル
英名 Chinese Banyan
学名 Ficus microcarpa
別名 榕樹(ようじゅ)、キジムナー、締め殺しの木、多幸の木
原産地 日本南部、亜熱帯~熱帯アジア、オーストラリア、ミクロネシア
分類 常緑性低木・高木
販売時期 通年
耐暑性 強い
耐寒性 やや弱い

ガジュマルは熱帯に自生する常緑高木の一種で、ゴムの木の仲間に分類されます。ガジュマルの原産地である沖縄では、ガジュマルの古木にはキジムナーという精霊が宿るという伝承が有名。キジムナーは座敷童のような存在で、気に入った家には繁栄を、嫌った家には不幸をもたらすとされています。

元気なガジュマルを育てるためには、まず健康な株を選ぶことが大切です。ガジュマルの株を購入する際は、様子をよく観察して以下のポイントをチェックしましょう。

  • 葉と幹にツヤがあるか
  • 葉が健康的で大きいか
  • 幹の形が良いか

ガジュマルは、気根(きこん)と呼ばれる特徴的な根をもちます。根元が長く膨らんだような様子は、ガジュマルが元気な証拠。気根には空気中の水分を補給したり、株を支えたりする役割があります。

人気の観葉植物であるガジュマルには、人参ガジュマルやパンダガジュマルをはじめとするさまざまな種類があり、見た目が大きく異なるのもポイント。飾りたい場所に合わせてお気に入りのガジュマルを選びましょう。

また、樹齢100年を超えることもあるガジュマルですが、鉢植えにした場合の樹高は最大でも2m程度。耐暑性があり比較的簡単に育てられることから、初心者にもおすすめの観葉植物です。

ガジュマルの育て方のポイント

ガジュマルの育て方のポイント
寿命が長く強い生命力を感じられるガジュマルですが、育てる環境によっては枯れてしまう場合もあります。幹が指で押せるほどやわらかくなっていたり、根腐れを起こしていたりしたら不健康な証拠。育て方の基本を押さえて、健康なガジュマルを育てていきましょう。

置き場所

冬以外の季節でガジュマルの置き場所として適しているのは、直射日光を避けた日当たりの良い場所です。日陰でも育つ耐陰性がありますが、本来は日当たりを好みます。そのため、手をかざしたときに影が浮かぶくらいの、明るい日陰に置くのがおすすめです。

室内であれば、日当たりのある窓辺が適しています。5〜8月の日差しが強くなる時期はレースカーテンで遮光し、それ以外の季節は窓ガラス越しに日光を浴びさせましょう。

暑さ暑さに強いガジュマルですがく、原産地の分布が日本に属することもあり、ある程度の寒さにも耐えられます。気温5℃以上の場所で管理し、夜間の冷えが原因で枯れないように注意しましょう。

水やりの仕方

ガジュマルは幹や根に水分をためることから、乾燥に強いのが特徴。水を与えすぎると根腐れの原因となるため注意が必要です。

春〜秋は、表面の土が完全に乾燥してから水を与えます。分量は鉢底から流れ出るくらいまで、十分に与えることがポイントです。冬は水やりを控えめにして管理しますが、定期的に葉水(霧吹きで葉っぱに水をかけること)を行いましょう。
クーラーや暖房で乾燥しやすく、ホコリがたまりやすい室内では、葉水をおこなうと葉を清潔に保てます。

肥料のあげ方

肥料は5〜10月の間に、緩効性肥料を与えましょう。おおよそ1〜2回与え、効果が持続するようにします。効果の持続期間は肥料によって異なるため、取扱説明書を参考にしてください。

また、太く強い根を張らせるために、肥料とは別に活力剤を与えるのもおすすめ。肥料だけでは不足する栄養を補い、細長く伸びている根を改善できます。肥料と活力剤は片方を使用するのではなく、併用することが重要です。

Tips
「肥料」と「活力剤」の違いは、肥料取締法という法律で定義されています。製品に含まれる肥料分の基準値が定められており、肥料分の量が基準値以下のものを活力剤と呼びます。
活力剤の中でも三大元素 窒素リン酸カリ以外のミネラル(カルシウム、マグネシウム、他微量要素)を多く含むものが効果的です。

ガジュマルの育て方で大切な管理方法

ガジュマルの育て方で大切な管理方法
丈夫で育てやすいガジュマルですが、鉢植えで育てる場合には、剪定や植え替えなどの管理が大切です。ガジュマルの樹形を美しく保ち、元気に育てるために必要な管理方法をみていきましょう。

剪定や植え替え、病害虫対策について解説します。

剪定の仕方

ガジュマルの基本的な剪定方法は「切り戻し」です。伸びすぎた枝を切って樹高を抑え、バランスや形を整えましょう。ガジュマルの剪定に適した時期は、植え替え時期と重なる5〜7月の成長期。植え替えをしない場合は、4〜6月に剪定をおこないます。

剪定せずに放置すると、日光・水分・栄養が隅々まで行き渡らなくなります。コンパクトなサイズを理想とする場合は毎年欠かさずに剪定するのがおすすめです。

新芽を多く切り落としても、生育期であれば1~2週間ほどで再び新芽が発芽します。

また、葉に日光があたるように、枝が密集している部分もカットしてください。黄色く変色した葉があれば、一緒に剪定します。育てたい大きさをイメージし、鉢とのバランスが良くなるように仕立てましょう。

観葉植物の剪定の詳しい方法は以下の記事で解説しているので、参考にしてください。

 

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自宅の観葉植物が伸びすぎたら剪定を!|剪定後のお手入れの方法もあわせて解説

植え替え

植え替えをしないまま放置すると、鉢が根でいっぱいになり、根詰まりを起こします。土が乾きやすくなったら植え替えのサイン。1〜2年に一度を目安に、ひと回り大きな鉢に植え替えます。

植え替え時期は5〜7月がおすすめ。用意するものは以下のとおりです。

  • ひと回り大きな鉢
  • 鉢底石
  • 観葉植物用の土(水はけが良いもの)

鉢に鉢底石と観葉植物用の土を入れてから植え替えます。鉢底石を十分に敷き詰めるのがポイントです。

植え替えに使う鉢の選び方は以下の記事で解説しているので、参考にしてください。

 

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植木鉢のサイズ選択に困ったら|号数の見分けと適したサイズの測り方

病害虫対策

ガジュマルに付きやすい病害虫として、ハダニやカイガラムシ、アブラムシなどが挙げられます。

強健な性質をもつガジュマルですが、弱った株は病害虫が付きやすく、葉や枝が黒いカビで覆われる「すす病」などにかかる危険性があります。日ごろからよく観察し、適切な管理をおこなって病害虫を防ぎましょう。

ハダニ

ハダニ
ハダニは全長0.3〜0.5mmほどの小さな害虫です。植物の汁を吸って成長し、生育を妨げ、場合によっては植物を枯らします。葉のツヤがなく、薄くなっていたら、葉っぱの裏にハダニが付いていないかを確認しましょう。

ハダニを発見したらすぐに取り除き、専用の薬剤をスプレーして再発生を防ぎます。ハダニは高温かつ乾燥している環境で発生しやすいため、夏の大量発生には注意が必要です。

成長期には霧吹きで、秋〜冬には固く絞ったタオルで適度に水分を与えると、乾燥とハダニの予防につながります。

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カイガラムシ

カイガラムシ
カイガラムシは白や茶色で、トゲのような見た目が特徴の害虫です。植物の葉や茎に付着して、植物の汁を吸います。

カイガラムシはスプレーでは完全に除去できないのが難点。発見したら、枝や葉を傷つけないように古い歯ブラシや濡れタオルなどでそぎ落とし、駆除したあとに予防として殺虫スプレーをしておきましょう。

カイガラムシも乾燥している環境を好むため、水切れに注意し、定期的に霧吹きで葉水をおこなうと発生を防ぎやすくなります。

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アブラムシ

アブラムシ
アブラムシは体長1〜2mmほどの小さな害虫です。葉や茎、新芽に発生しやすい点が特徴。ガジュマルの葉にテカリがあり、ベタベタする場合はアブラムシが発生している可能性があります。

アブラムシはすす病を誘発するため、見つけたら速やかに取り除くことが大切です。殺虫剤を使用するほか、アブラムシの数が少ない場合は粘着テープを使って駆除する方法も有効。また、株のサイズが小さければ、葉を水につけて洗う方法もおすすめです。

ただし、株が大きく駆除したアブラムシを洗い流すことが大変な場合は、アブラムシが付いた枝ごと切り取り、新しい枝に更新させていきましょう。

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植物の害虫対策については、以下の記事でさらに詳しく解説しているので参考にしてください。

 

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夏越しと冬越しの注意点

5〜7月に成長期を迎えるガジュマルの夏越しは、水やり・追肥・日当たりが重要です。とくに、真夏の直射日光は葉焼けを起こす原因となるため注意してください。

水は、土の表面が乾いたら十分に与えます。また、葉水をあわせておこなうこともおすすめ。追肥は2カ月に1回が目安です。植え替えや剪定は夏の間に実施しましょう。

冬越しは気温に注意が必要です。屋外やベランダで育てている場合は室内に取り込みます。エアコンの風が直接あたらないように気をつけて、温度調節をおこなうことがポイントです。

生育が止まっているため、水やりのタイミングは土が完全に乾いてからです。ただし乾燥を防ぐために、葉水はおこなってください。

ガジュマルは挿し木で増やせる

ガジュマルは挿し木で増やせる
挿し木で簡単に増やせる点も、生命力が強いガジュマルの魅力。挿し木に適した時期は、成長期の5〜7月ごろで、とくに管理しやすい梅雨の時期がおすすめです。剪定で切り落とした枝のなかから元気な枝を選び、挿し木にします。

初心者でも簡単に実践できる、挿し木のやり方と管理方法をご紹介します。

挿し木のやり方

挿し木は、剪定で切り落とした枝を使って手軽におこなえます。5〜6月の気温と湿度が、高温多湿を好むガジュマルの挿し木に適しています。挿し木した枝から発根しやすいほか、剪定した株のダメージ回復も早くなるでしょう。

挿し木の手順は以下のとおりです。

  1. 太くてしっかりとした健康な枝を剪定する
  2. 剪定した枝を10cmほどの長さに調節する
  3. 先端の葉を1枚だけ残す
  4. 切り口から樹液が出ている場合は水で洗い流す
  5. 新しい土をポットや鉢に入れる
  6. 先端の葉を2〜3枚残して土に挿す
  7. 十分に水やりをする

作業に使用するハサミは清潔に保ちましょう。また、新しい土を使用して、根に栄養が行き渡るようにします。成功確率を上げるために、根促進剤を切り口につけておくこともおすすめです。

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挿し木の管理方法

挿し木をしたガジュマルからは約2〜3週間で発根します。置き場所は風通しが良く、直射日光があたらない日陰がおすすめ。土が完全に乾燥しないように、適度に水やりをおこないます。

発根は2~3週間が目安ですが、しっかりと根を張るまでは3カ月ほどかかります。「そろそろ根が張ってきたかな?」とむやみに触ると根が生長しにくくなるため、茎を動かさないように注意してください。

新芽が出たら新しい鉢に移し替え、基本の育て方を参考にしながら、成長を見守ります。

ガジュマルの育て方Q&A

ガジュマルの育て方Q&A
初心者でも気軽に挑戦できる観葉植物として人気のガジュマル。一方で、葉が落ちて元気がなくなってしまったという声も多く見受けられます。

また、鉢をこれ以上大きくしたくない、室内でなるべくコンパクトに育てたいというニーズもあります。本章では、そんなガジュマルの育て方についての疑問を解消し、健康に育てるためのヒントをご紹介します。

Q1:葉が落ちる原因は?

常緑性であるガジュマルの葉が落ちるのは、適切でない生育環境が原因です。ガジュマルの葉が落ちる場合は、以下の項目をチェックしてください。

  • 気温が5℃以下
  • 水不足による水切れ
  • 水のやりすぎによる根腐れ
  • エアコンや暖房器具の風が直接あたることによる急激な乾燥
  • 日照時間の急激な変化(急激な環境の変化)

気温のほかに、水切れや根腐れも葉が落ちる原因。また、エアコンなどの風が直接あたると乾燥が急激に進むため、置き場所にも注意が必要です

購入したばかりのガジュマルでも、根が詰まっていたり、排水性の悪い鉢に植えられていたりする場合があります。ガジュマルを購入したら、できるだけ早く植え替えるのがおすすめです。

Tips
ガジュマルは海外輸入(中国)のものが多く流通しています。中にはココピート(ヤシガラ繊維)に植え付けられているものもありますが、肥料分が少なく、乾燥しやすいため早めに植え替えましょう。

さらに、日照時間をはじめとする、環境の変化によっても葉が落ちることがあります。一度葉が落ちても幹が生きていれば再び新しい芽が出現します。葉を落とさないためには、季節に合わせて適切な管理をおこなうことが大切です。

Q2:大きくしたくないときはどうしたらいい?

ガジュマルは管理次第で好みのサイズに保てます。コンパクトに育てるポイントは以下のとおりです。

  • 剪定をおこなう
  • 伸びすぎた根を切り落としてから同じ鉢に植え替える
  • ハイドロカルチャー仕立てにする

ガジュマルは寿命が長く、成長速度も早いため、大きくしたくない場合はこまめな剪定や管理が必要です。剪定は毎年おこないますが、成長期前には葉や枝を残さず、丸坊主の状態にするのもおすすめです。

また、剪定のほかにも、定期的な植え替えが必須です。伸びすぎた根を切り落としてから、同じサイズの鉢に植え直します。

土の代わりにハイドロカルチャーで育てると、成長速度を抑えられます。コンパクトなガジュマルをテーブルに飾りたいときにおすすめの方法です。

ガジュマルの育て方は簡単!基本を守って育ててみよう

ガジュマルの育て方は簡単!基本を守って育ててみよう
特有の神秘的な雰囲気をもつガジュマルは、初心者でも育てやすく、初めての観葉植物におすすめです。適度な日当たりを確保できれば室内でも育成が可能。直射日光に注意し、明るい半日陰に置くといいでしょう。

また、ガジュマルは乾燥を好むため、水やりのしすぎが原因で枯れてしまうことがあります。過度な水やりは避け、土の表面が乾き切ってから水を与えるようにしてください。

丈夫なガジュマルは、季節に合わせた育て方を押さえれば気軽に楽しめます。ぜひ、店頭でお気に入りの鉢を探して、株ごとに姿形が異なるガジュマルの育成にチャレンジしましょう。

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