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ハエトリグサ(ハエトリソウ)の育て方は?初心者でも枯らさず楽しむコツを解説

ハエトリグサ(ハエトリソウ)の育て方は?初心者でも枯らさず楽しむコツを解説

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食虫植物の中でも独特の形と動きで人気を集めるのがハエトリグサです。葉を閉じて虫を捕らえる姿は、子どもだけでなく大人も好奇心をくすぐられます。しかし、いざ育てようと思うと、どのように管理すれば枯らさずに済むのか悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、ハエトリグサの基本的な情報から、日々の水やりや温度管理、冬の植え替えといった具体的な育て方をわかりやすく解説します。

ハエトリグサ(ハエトリソウ)の基本情報

緑色のハエトリグサ
ハエトリグサの原産地や開花時期といった基本情報を詳しく解説します。食虫植物として知られるハエトリグサですが、まずは植物としての本来の性質を知ることが大切です。

項目 内容
科名 モウセンゴケ科
属名 ハエトリグサ属
和名 ハエトリグサ(蝿捕草)
英名 Venus flytrap
学名 Dionaea muscipula
別名 ハエトリソウ
原産地 北アメリカ(ノースカロライナ州、サウスカロライナ州)
分類 多年草(食虫植物)
販売時期 4月~10月頃(4月~6月頃が中心)
開花時期 5月~7月頃
耐暑性 やや弱い(水温上昇や蒸れには注意)
耐寒性 普通(凍結には注意)

ハエトリグサは、北アメリカのノースカロライナ州やサウスカロライナ州の湿地帯を原産とする多年草です。モウセンゴケ科ハエトリグサ属に分類されており、ハエトリソウとも呼ばれます。湿地帯の栄養が乏しい環境で生き抜くために、虫を捕らえて消化し、栄養を補う独自の進化を遂げました。5月から7月頃には、可愛らしい白い花を咲かせるのも大きな特徴です。

代表的な品種の特徴

ハエトリグサには、葉の色や形が異なるさまざまな品種が存在しますが、大きく分けると「ロゼッタ系(匍匐型)」と「エレクタ系(直立型)」の2つのタイプがあります。

・ロゼッタ系(匍匐型):地面に張り付くように放射状に葉を広げるタイプです。冬の休眠期に入ると、多くのハエトリグサはこのロゼッタ状になって寒さに耐えます。ロゼッタ系の代表品種は、葉全体が深い赤紫色に染まる「アカイリュウ(レッドドラゴン)」です。その名の通り、その名の通り葉全体が深い赤紫色に染まり、緑色の品種とは違った美しい観賞価値を持っています。

・エレクタ系(直立型):葉を空に向かって立ち上げるように伸ばすタイプです。捕虫葉(パクパクの部分)が目立ちやすいため、観察にも適しています 。エレクタ系の代表品種は、「レッドピラニア」です。短く三角形のトゲと赤く染まる葉が特徴的で、茎が高く伸びる迫力のある姿を楽しめます。

Tips
ホームセンターや園芸店で最も流通しているのは、原種に近い「オールドタイプ(ロゼッタ系)」と呼ばれる品種です。強健で環境の変化にも強いため、初心者の方にも育てやすくおすすめです。

栽培に必要なもの

“ハエトリグサ"

ハエトリグサの栽培を始めるにあたって、事前に揃えておきたい道具について解説します。ホームセンターや園芸店で簡単に入手できるものばかりです。

用意するもの 役割と用途
プラスチック鉢や素焼き鉢を使用します
専用の用土 水苔ピートモスを使用します
受け皿 鉢底を水に浸す「腰水」管理のために用意します
園芸ハサミ 枯れ葉の処理などに使用します

植物を植えるための鉢は、水分の管理がしやすいプラスチック鉢や、通気性の良い素焼き鉢がよく使われます。ハエトリグサを育てる上で欠かせないのが、水苔やピートモスといった専用の用土です。湿地の栄養が乏しい環境で育つ植物のため、一般的な草花用の培養土だと肥料分が多すぎて適しません。用土は必ず肥料分を含まないものを選びましょう。また、ハエトリグサは常に水を必要とするため、鉢の底を数センチ水に浸しておく「腰水(こしみず)」という方法で育てます。そのため、やや深めの受け皿も重要なアイテムです。お手入れ用として、清潔な園芸用ハサミも用意しておくと安心です。

栽培に適した時期

“ハエトリグサ"
ハエトリグサを鉢に植え付けたり、古い土から新しい土へ植え替えたりする作業には、適した時期があります。植物のサイクルに合わせた時期を選ぶことが大切です。

作業内容 適した時期
植え替え 12月から2月頃の休眠期におこないます
種まき 12月~4月頃、採取したらすぐに種まきします
肥料 1年を通して不要です
剪定(花芽摘み) 蕾が上がってきた5~7月のタイミングでおこないます

ハエトリグサの植え替えに適しているのは、12月から2月頃の冬の休眠期です。成長期に根をいじると植物が弱る原因になるため、必ず休眠中におこないます。具体的な植え替え手順は後述の「休眠期の冬に植え替えをする」で解説します。購入した苗を新しく植え付ける場合も、できる限り休眠期に合わせておこなうのが理想的です。

育て方のポイント

“ハエトリグサ"

ハエトリグサを健康に育てるためには、日々の管理方法を正しく理解しておく必要があります。置き場所や水やりといった基本的なポイントを解説します。

管理のポイント 概要
置き場所 年間を通して日当たりの良い場所に置きます
水やり 受け皿に水を溜める腰水でおこないます
用土 肥料分のない水苔などを使用します
植え替え 冬の休眠期におこないます

日当たりと置き場所を選ぶ

ハエトリグサは日光を非常に好む植物です。年間を通して、十分な日光が当たる場所に置いて育てることが重要になります。日光が不足すると、葉が弱々しく間延びしてしまったり、本来赤く色づくはずの部分が緑色のままになったりすることがあります。基本的には日当たりの良い屋外に置くのがおすすめですが、室内の場合は最も日の光が入る南向きの窓辺などに置くようにします。ただし、真夏の強すぎる直射日光は葉焼けの原因になるため、明るい日陰に移動するなどの工夫も必要です。

季節ごとの温度管理をする

日本の四季に合わせて、適切な温度管理をおこなうことがハエトリグサを枯らさない秘訣です。夏の暑い時期は、鉢内の温度が上がりすぎないよう注意が必要です。受け皿に溜めた水がお湯のようになってしまうと根が腐ってしまうため、涼しい日陰に移動させたり、こまめに水を交換したりして対策をおこないます。一方、冬の寒さには比較的強いため、屋外で冬越しさせることができます。冬の寒さにしっかりと当てて休眠させることで、翌春に元気に成長するための力を蓄えさせることができます。

用土は水苔やピートモスを使う

ハエトリグサを植え付ける用土には、肥料分のないものを選ぶことが非常に重要です。もともと栄養の乏しい湿地に自生している植物であるため、肥料成分が含まれた土を使うと根が栄養過多になり、根腐れを起こして枯れてしまいます。そのため、園芸店などで手に入る乾燥水苔を水で戻したものや、ピートモスと鹿沼土などを混ぜ合わせた肥料分のない土を使用します。特に水苔は保水性が高く、ハエトリグサの栽培において最も扱いやすい用土として広く利用されています。

水切れを防ぐ腰水をおこなう

ハエトリグサの自生地は湿地帯であるため、乾燥を極端に嫌います。水切れを防ぐための水やり方法として、「腰水(こしみず)」という手法をおこないます。腰水とは、深めの受け皿に水を張り、そこに鉢ごと浸して鉢底から常に水を吸わせる管理方法です。受け皿には常に2cmから3cm程度の水が溜まっている状態を保ちます。水が減ったらつぎ足し、水が古くなって濁ったり腐ったりするのを防ぐため、数日に1度は受け皿をきれいに洗って新しい水に入れ替えることが大切です。

休眠期の冬に植え替えをする

ハエトリグサは、成長が止まる冬の休眠期に植え替えをおこないます。用土として使用する水苔やピートモスは、1年ほど経過すると傷んで腐りやすくなったり、水はけが悪くなったりします。用土の劣化は根の呼吸を妨げ、植物全体の不調につながります。12月から2月頃の間に鉢から株をそっと抜き取り、古い水苔を丁寧に剥がして新しい水苔で包み直します。植え付けの際は元の鉢に戻すか、株が大きくなっている場合は一回り大きな鉢を選びましょう。休眠期であれば根を多少傷つけてしまっても回復しやすいため、この時期に作業をおこなうことが推奨されます。

枯らさずに長く楽しむための注意点

“ハエトリグサ"
ハエトリグサを枯らさずに長く楽しむためには、いくつかの重要な注意点があります。一般的な植物とは異なる特性をしっかりと把握して管理することが求められます。

注意点 理由と影響
虫を与えない 光合成で育つため不要です
肥料を与えない 根が傷んで枯れる原因になります
葉に触らない 葉を閉じる動きで体力を大きく消耗します
花を咲かせない 株が小さいうちに花を咲かせると体力を消耗して株が弱ります

虫や肥料は無理に与えない

ハエトリグサは食虫植物という名前から、虫を与えないと生きていけないと誤解されがちですが、実際には虫を与える必要はありません。一般的な植物と同様に、日光と水を利用した光合成によって生育に必要なエネルギーを得ることができるとされています。また、良かれと思って肥料を与えてしまうのも避けるべきです。肥料の成分はハエトリグサの根にとって刺激が強すぎ、逆に根を傷めて枯らす原因になります。虫や肥料は与えず、水と日光だけで育てるのが基本的な管理方法です。

葉に触れて無駄に閉じさせない

ハエトリグサの最大の特徴である葉が閉じる動きは、つい触ってみたくなりますが、むやみに触って閉じさせるのは避けましょう。葉を閉じるという動作は、植物にとって非常に大きなエネルギーを消費する行為です。獲物が入っていないのに何度も葉を閉じさせてしまうと、体力を著しく消耗し、そのまま弱って枯れてしまうこともあります。葉が閉じた後に再び開くまでには数日かかるため、観察を楽しむ際も直接手で触れず、そっと見守る姿勢が大切です。

株が小さいうちは花を咲かせない

ハエトリグサは5月から7月頃になると、株元から細長い花茎(かけい)を伸ばして小さく可憐な白い花を咲かせます。しかし、株を大きく育てたい場合や、株がまだ小さい場合は、伸び始めた花芽を早めに切り取ることが大切です。植物にとって開花や種を作ることは多くのエネルギーを必要とします。特にハエトリグサは長い花茎を伸ばす過程でかなりの体力を消耗してしまうため、花芽を確認したら早い段階で園芸用ハサミを使って根元から切り落としましょう。十分に育った健康な株であれば花を咲かせることもできますが、種を作らせると栄養がさらに奪われるため、観賞後は早めに茎を切り取るようにしてください。

発生しやすい病害虫と対策

“ハエトリグサ"
ハエトリグサの栽培において、害虫や病気の発生には注意が必要です。日頃から予防を心がけ、発見した際には適切な対策をおこないます。

病害虫の種類 主な症状・被害 対策
炭疽病 葉に黒い斑点が出て枯れ広がる 風通しを良くして清潔に保つ
アブラムシ 新芽の汁を吸って株を弱らせる 見つけ次第、駆除する
ハダニ 葉に白い斑点が出てカスリ状になる 定期的な「葉水」で乾燥を防ぐ
ナメクジ 葉を食べてボロボロにする 見つけ次第、捕殺する

かかりやすい病気の予防をする

ハエトリグサがかかりやすい病気の一つに「炭疽病(たんそびょう)」があります。この病気にかかると、葉に黒い斑点が現れ、次第に葉全体が黒く枯れ込んでしまいます。炭疽病は、高温多湿で風通しの悪い環境が続くとカビの菌が繁殖して発生しやすくなります。予防するためには、鉢を風通しの良い場所に置き、密集した枯れ葉をこまめに取り除いて清潔な状態を保つことが大切です。特に梅雨の時期や夏の終わり頃は発病しやすいため、日々の観察を怠らないようにします。

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つきやすい害虫の駆除をする

ハエトリグサにはアブラムシなどの害虫が発生することがあります。アブラムシは春先から初夏にかけて新芽やつぼみに群がり、植物の汁を吸って弱らせてしまいます。見つけた場合は、早急にピンセットや粘着テープなどを使って取り除くか、水で洗い流すようにして駆除します。殺虫剤を使用する場合は、ハエトリグサの負担にならないよう、規定よりも薄めたものを少量だけ使用するなどの配慮が必要です。日頃から葉の表裏をよく確認し、早期発見に努めることが被害を最小限に食い止める鍵となります。

 

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まとめ

“ハエトリグサ"
ハエトリグサの健康な育成には、水苔を用い腰水で十分な水分を与え、日光にしっかり当てることが大切です。肥料や虫を与えたり、葉に触れたりしないといった特有の注意点にも気を配る必要があります。これらのポイントを守り、魅力あふれる食虫植物の観察をご自宅でぜひお楽しみください。

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