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柿の育て方を初心者向けに解説!剪定や摘果で美味しい実をならせるコツ

柿の育て方を初心者向けに解説!剪定や摘果で美味しい実をならせるコツ

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秋の味覚として古くから親しまれている柿。甘くて栄養豊富な実を、自分の手で育てて収穫できたなら、その喜びはひとしおでしょう。一見難しそうに思える果樹の栽培ですが、柿は比較的育てやすく、家庭菜園の初心者にもおすすめの果樹です。

この記事では、柿の育て方を基本から分かりやすく解説します。品種選びから日々の管理、美味しい実をならせるための剪定や摘果のコツまで、丁寧に紹介していきます。ぜひ参考にして、自宅での柿づくりに挑戦してみませんか。

柿の基本情報

収穫された柿

柿の栽培を始める前に、まずは柿がどのような植物なのかを知っておきましょう。柿は日本の気候に適しており、育てやすい果樹の一つです。その基本情報を理解することで、より深く栽培を楽しむことができます。

項目 内容
科名 カキノキ科
属名 カキノキ属
和名 カキノキ(柿の木)
英名 Kaki, Persimmon
学名 Diospyros kaki
原産地 中国、韓国、日本など東アジア
分類 落葉高木
販売時期 苗木:通年
開花時期 5月~6月
収穫時期 9月中旬~11月
耐暑性 強い
耐寒性 強い

主な品種

柿にはたくさんの品種がありますが、ここでは家庭菜園で育てやすく人気のある代表的な品種を紹介します。甘柿や渋柿、食感の違いなど、それぞれの特徴を知り、お好みの品種を選んでみましょう。

富有(ふゆう)

お皿の上に乗った柿
甘柿の王様とも称される富有は、日本で最も多く栽培されている品種です。果肉は粘り気があり、とろけるような食感と濃厚な甘さが魅力です。家庭で楽しむのはもちろん、贈答用としても喜ばれるでしょう。

次郎(じろう)

並んだ柿

富有と並んで人気の高い甘柿が次郎です。果肉はやや硬めで、コリコリとした歯ごたえのある食感が特徴です。甘みも強く、日持ちが良い点も家庭菜園に向いています。

太秋(たいしゅう)

サクサクとした梨のような食感が新しいと注目されているのが太秋です。大玉で果汁が多く、さっぱりとした上品な甘さが楽しめます。これまでの柿のイメージを覆すような、新しい味わいに出会える品種です。

平核無(ひらたねなし)

その名の通り種がなく、非常に食べやすい渋柿の代表品種です。渋抜きをすることで、なめらかで上品な甘さの柿になります。また、干し柿に加工するのにも最適で、自家製の干し柿づくりを楽しみたい方におすすめです。

柿を育てるために必要なもの

木に成っている柿

柿の栽培を始めるにあたり、事前に準備しておきたい基本的な道具や資材があります。地植えか鉢植えかによって必要なものは多少異なりますが、あらかじめ揃えておくことで、作業がスムーズに進みます。

必要なもの 備考
柿の苗木 ホームセンターや園芸店で、健康な苗を選びます。
培養土 鉢植えの場合に必要です。果樹用や市販の培養土で問題ありません。
プランターや鉢 鉢植えの場合、10号(直径30cm)以上の大きめのものを用意します。
鉢底石・鉢底ネット 鉢植えの排水性を高めるために使用します。
肥料 植え付け時の元肥と、成長に応じた追肥が必要です。
スコップ 地植えの際に植え穴を掘るために使います。
ジョウロ 水やりに使用します。
園芸ハサミ 剪定や摘果の作業に不可欠です。
マルチング 夏の乾燥防止や冬の防寒対策に、バークチップやわらなどを使います。

柿の栽培時期

カレンダーにスケジュールを記している
柿の栽培は、植え付けから収穫まで、1年を通してさまざまな作業があります。それぞれの作業に適した時期を知り、計画的に手入れを行うことが、美味しい柿を育てるための鍵となります。

作業の種類 最適な時期 作業のポイント
植え付け 11月~3月 木の成長が休止している冬に行います。根が土に馴染み、春からの成長準備ができます。
肥料 元肥: 12月~2月
追肥:7月
お礼肥: 10月(収穫後)
元肥は植え付け時に、追肥は果実の成長を助けるために、お礼肥は木の体力を回復させるために与えます。
剪定 冬の剪定: 12月~2月
夏の剪定: 7月~8月
冬に本格的な剪定を行い、夏には混み合った枝を間引く軽い剪定をすると日当たりや風通しが良くなります。
摘蕾・摘果 5月~7月 5月に余分なつぼみを(摘蕾)、6月~7月に小さな実を間引く(摘果)ことで、残した実に栄養を集中させます。
収穫 10月~12月 品種によりますが、実がヘタの周りまで十分に色づいたら収穫のタイミングです。

植え付け:11月~3月

柿の苗木の植え付けは、木の成長が休止する冬の間、11月から3月頃が適期です。この時期に植え付けることで、根がじっくりと土に馴染み、春からの成長に備えることができます。

肥料:12月~2月(元肥)、7月(追肥)、10月(お礼肥)

美味しい実を育てるためには、適切な時期の施肥が欠かせません。植え付け時に与える元肥は12月から2月、そして果実が大きくなるのを助ける追肥は7月頃に施します。また、収穫後には「お礼肥」として、木が消耗した養分を補うために肥料を与えると良いでしょう。

剪定:12月~2月(冬)、7月~8月(夏)

剪定は、木の形を整えて日当たりや風通しを良くし、病害虫の発生を防ぐために重要な作業です。主な剪定は葉が落ちた冬(12月~2月)に行いますが、夏(7月~8月)にも、混み合った枝を間引く軽い剪定を行うと効果的です。

摘蕾(てきらい)・摘果(てきか):5月~7月

柿の木にはたくさんの花が咲き、実がつきますが、そのままにしておくと栄養が分散してしまい、一つ一つの実が小さくなってしまいます。5月頃に余分なつぼみを摘み取り(摘蕾)、6月から7月にかけて小さな実を間引く(摘果)ことで、残した実に栄養を集中させ、大きくて甘い果実を育てます

収穫:10月~12月

いよいよ栽培のクライマックス、収穫です。品種によって時期は異なりますが、一般的に10月から12月にかけて収穫期を迎えます。実が十分に色づき、ヘタの周りまで橙色になったら収穫の合図です。

柿の育て方

柿の木の苗木
ここからは、柿の栽培における日々の具体的な作業について解説します。日当たりや水やり、肥料の与え方など、それぞれのポイントを押さえて、柿の木を元気に育てましょう。

日当たり・置き場所・温度

柿は日光を好む植物なので、日当たりが良く、風通しの良い場所で育てることが大切です。地植えの場合は1日中日の当たる場所に、鉢植えの場合はベランダや庭先の日当たりの良い場所に置きましょう。柿は耐寒性・耐暑性ともに強いですが、寒冷地では冬の寒風に注意が必要です。

植え付け方

苗木の植え付けは、柿が健やかに育つための第一歩です。地植えの場合は、直径と深さが50cm程度の植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、元肥を混ぜ込みます。根鉢を崩さずに苗を置き、隙間なく土を埋め戻したら、たっぷりと水を与えましょう。鉢植えの場合は、鉢底石とネットを敷き、培養土を入れて植え付けます。

水やりの仕方

地植えの場合、根付いてしまえば基本的に水やりの必要はありません。ただし、夏場に雨が降らず、土が乾燥しきっている場合は、朝夕の涼しい時間帯に水を与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。特に夏場は水切れしやすいので、こまめに土の状態をチェックしましょう。

肥料のやり方

肥料は、柿の生育サイクルに合わせて与えることが重要です。冬に与える「元肥」は、これから1年間の成長の基礎となるもので、有機質肥料などを土に混ぜ込みます。果実が成長する7月頃には、速効性のある化成肥料などを「追肥」として与えます。そして、収穫後の10月頃には、木が消耗した体力を回復させるための「お礼肥」を施します。

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剪定の仕方

美味しい実をならせるためには、剪定が不可欠です。冬の剪定では、枯れ枝や内側に向かって伸びる枝、他の枝と交差している枝などを根元から切り落とします。これにより、木の内部まで日光が届くようになり、花芽がつきやすくなります。夏は、勢いよく伸びすぎた枝(徒長枝:とちょうし)を間引く程度にとどめ、風通しを良くすることを心がけます。

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摘蕾・摘果の仕方

質の良い大きな実を収穫するためには、思い切った間引きが必要です。摘蕾では、一つの枝に複数のつぼみがある場合、形が良く元気なものを1~2個残して他を摘み取ります。摘果は、実が親指大になった頃に行います。一つの枝に一つの実がなるように、傷のある実や小さい実、上向きになっている実などをハサミで切り落とします。

柿を育てるときの注意点

柿の断面図
柿の栽培で初心者がつまずきやすいポイントや、よくある疑問について解説します。事前に知っておくことで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな栽培に繋がります。

一本で実がなる品種を選ぶ

柿には、一本の木だけで実がなる品種(単為結果性が強い品種)と、受粉のために他の品種の木(受粉樹)が必要な品種があります。家庭菜園で手軽に楽しみたい初心者は、「富有」や「次郎」といった、一本で実がなる完全甘柿の品種を選ぶのがおすすめです。

品種タイプ 特徴 受粉樹の要否 代表品種
完全甘柿 種の有無にかかわらず甘い 不要な品種が多い 富有、次郎、太秋
不完全甘柿 種が入ると甘くなる 必要 禅寺丸など
完全渋柿 種の有無にかかわらず渋い 不要 平核無など
不完全渋柿 種が入らないと渋い 必要 西条など

実がならない・落ちる原因

「花は咲くのに実がならない」「実が途中で落ちてしまう」という悩みはよく聞かれます。原因としては、日照不足や肥料の過不足、水のやりすぎや乾燥、受粉がうまくいかなかったことなどが考えられます。また、若い木は木自体の成長を優先するため、実がつきにくいことがあります。剪定で日当たりを改善したり、適切な施肥を心がけたりすることで、状況が改善される場合があります。

渋柿の渋抜き方法

収穫した渋柿は、簡単なひと手間で美味しく食べることができます。最も一般的なのは、焼酎(アルコール度数35%以上のものが望ましい)を使った方法です。 まず、渋柿のヘタの部分だけを焼酎に浸します。 次に、その柿をビニール袋に入れてしっかりと口を縛り、密封します。 直射日光の当たらない室温で1週間から10日ほど置いておくと、渋が抜けて甘い柿に変化します。

柿の病害虫対策

害虫に食べられた柿

柿を健康に育てるためには、病害虫の対策が重要です。ここでは、特に注意したい代表的な病気と害虫について、その特徴と対策を解説します。早期発見と適切な対処で、大切な柿の木を守りましょう。

病害虫 主な症状・被害 対策
カキノヘタムシガ 幼虫がヘタから果実に侵入し、落果させる 冬の粗皮削り、薬剤散布(6月、8月)
炭疽病 葉や果実に黒い斑点ができ、拡大・くぼむ 病気の部分の除去、剪定による風通し改善、薬剤散布
落葉病 夏から秋にかけて葉に斑点ができ、早期に落葉する 落ち葉の清掃、適切な施肥、薬剤散布

カキノヘタムシガ

収穫前の実がポロポロと落ちてしまう最大の原因が、カキノヘタムシガの幼虫です。この害虫は年に2回(5~6月、7~8月)発生し、幼虫がヘタから果実の中に侵入して食害します。 対策としては、冬の間に木の古い皮(粗皮)を削り、越冬している幼虫を取り除くことが有効です。 また、幼虫が果実に入る前の6月と8月に、家庭園芸用の殺虫剤を散布することも効果的です。

炭疽病

炭疽病は、葉や枝、果実に黒い円形の斑点ができる病気です。 放置すると斑点が拡大し、果実が腐ってしまいます。特に雨が多い時期に発生しやすくなります。 甘柿はかかりやすい傾向にあります。 対策としては、剪定で風通しを良くし、多湿な環境を避けることが基本です。病気にかかった枝や果実は見つけ次第取り除き、二次的な感染を防ぎましょう。

落葉病

夏から秋にかけて、まだ青いはずの葉に斑点ができ、早くに落葉してしまうのが落葉病です。 この病気にかかると、木が十分に光合成できなくなり、樹勢が弱って果実の味も落ちてしまいます。病原菌は落ち葉の中で冬を越すため、秋に落ちた葉はこまめに清掃し、処分することが最も重要な対策です。

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自宅で美味しい柿を収穫しよう

収穫される柿

この記事では、柿の育て方について、品種選びから具体的な栽培方法、注意点までを解説しました。柿の栽培は、適切な時期に適切な作業を行えば、初心者でも決して難しくありません。愛情を込めて育てた柿を収穫し、その格別な味を家族と分かち合う、そんな素敵な体験をぜひ実現してください。

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