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トマト栽培|初心者向けトマトの育て方と成功させるポイント

トマト栽培|初心者向けトマトの育て方と成功させるポイント

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鮮やかな赤色と爽やかな酸味が特徴のトマト。緑黄色野菜の一種で、強い抗酸化作用をもつリコピンが豊富に含まれています。

お弁当の付け合わせ、料理の彩りによく使われるトマトですが、ご自宅でも簡単に栽培できることをご存じでしょうか。

本記事では、初心者向けにトマトの育て方を解説します。甘くておいしい実を収穫するためのポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてトマトの家庭栽培に挑戦してみてください。

トマトの基本情報

トマトの基本情報

科名 ナス科
属名 ナス属
和名 赤茄子(あかなす)
晩茄(ばんか)
小金瓜(こがねうり)
唐柿(とうし)
珊瑚樹茄子(さんごじゅなす)
英名 tomato
学名 Solanum lycopersicum L.(ソラナム・リコペルシコン)
原産地 南アメリカアンデス山脈高原地帯
分類 多年草
販売時期 4月上旬~7月下旬
収穫時期 5月中旬~10月上旬
耐暑性 あり
耐寒性 あり

トマトはナスやジャガイモの親戚で、赤くなるのはリコピンが含まれているからです。リコピンは熱に強いうえに脂溶性のため、油と一緒に調理すると摂取効率が高まります。

ほかにも、美肌効果のあるビタミンC、老化を抑制するビタミンEなど、トマトにはさまざまな栄養素がバランス良く含まれています。

歴史・由来

ヨーロッパのことわざに「トマトが赤くなると医者が青くなる」というものがありますが、これは健康的な生活を送るためにはトマトが欠かせないことを意味します。栄養豊富なうえに水分量も多く、水分不足になりやすい夏に最適な野菜です。

もともと、トマトは毒草のベラドンナに似ていることから、食用ではなく観賞用として育てられました。食用として食べられるようになったのは、17世紀末ごろと言われています。

また、トマトはイタリアでは「黄金のリンゴ」を意味するポモドーロ、イギリスでは「愛のリンゴ」を意味するラブアップルと呼ばれています。これは、ヨーロッパで価値のある果実をリンゴと呼ぶ習慣があったからだとされています。

日本にやってきたのは17世紀半ばで、食用になったのは明治以降。現在はミニトマトやオレンジ色のトマトなども流通しており、品種が豊富です。

主な品種

トマトには「非芯止まり品種」と「芯止まり品種」があります。
芯止まり品種は、茎の成長が上に伸びていくのが途中で止まり、わき目を伸ばして横に生長を続けるのが特徴です。そのため、畑などの広い場所で栽培する必要があります。家庭栽培で育てる際は、成長点がなくならない非芯止まり品種を選ぶとよいでしょう。

代表的な非芯止まり品種は以下のとおりです。

  • 桃太郎(ももたろう)
  • 千果(ちか)
  • フルティカ
  • アイコ

一般的に流通しているのは大玉の桃太郎で、国内産トマトの半数以上を占めている品種です。桃太郎にはシリーズがあり、25種類もの品種が取りそろえられています。

糖度の高いトマトとしては、千果が人気です。糖度は8〜10度もあり、つやつやとした真っ赤な色が特徴的です。病気に強いため初心者でも栽培しやすく、プランターでも育てられます。

うま味と甘味を堪能したいのであれば、フルティカがおすすめ。高い基準をクリアしたブランドトマトで、水分量をギリギリまで抑えることで平均糖度6~7度、場合によっては10度を超える甘さを維持しています。

ミニトマトを育てたい場合は、定番であるアイコを選んでみてはいかがでしょうか。フルーツのような甘さ、噛んだときのプチッと弾ける肉厚さが特徴的です。病気に強いうえ、実つきが良いためたくさん収穫できます。

トマトを育てるために必要なもの

トマトを育てるために必要なもの
トマトを育てる際に必要なものは以下のとおりです。

  • トマトの苗や種
  • プランターや鉢
  • 培養土
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 肥料
  • スコップ
  • ジョウロ
  • 園芸ハサミ
  • マルチング材(ポリマルチ)
  • 支柱(1.5m~2.1m)
  • 麻ひも、またはビニールタイ

トマトの育て方

トマトの育て方
置き場所や種まきの仕方、苗の植え付け方など、トマトをおいしく育てるためのポイントを解説します。

日当たり・置き場所・温度

トマトは日光を好むため、必ず日当たりの良い場所を選んでください。プランターであれば場所を移動させられますが、地植えの場合は最初の植え付け場所が重要です。

また、トマトは霜の心配がなくなり、夜の最低気温が10℃を超えれば栽培できます。しかし、初心者の場合は13℃を超える時期がおすすめです。

種まきの仕方

トマトを種から育てる場合は、3〜4月に種まきをおこないます。苗よりも栽培時期が早くなる点に注意しましょう。

トマトの種は20~30℃ほどで発芽するため、3〜4月に植えるのであれば室内で管理するのがおすすめです。

昼間は日当たりの良い窓際に置くなど、温度管理をおこないましょう。夜は気温が下がりやすいため、できるだけ窓から離れた位置で加湿や保温をして、適切な温度と湿度を保ってください。トマトに限らず野菜全般は初心者の方が種から育てるのは難しいため、まずは苗からチャレンジすることをオススメします。トマトの苗は4月上旬からホームセンターなどで販売されています。

植え付け方

植え付ける苗のポットには2時間前を目安として、たっぷりと水を与えます。土(培養土)はプランターのフチから少し下のところまで入れましょう。

育苗ポットから取り出す際は、土を崩さないように注意し、1鉢に対して1苗を植えます。植え付けたあとは、再度水をたっぷりと与えてください。

水やりの仕方

水やりのタイミングは、土の表面が乾いてきたときです。1日1回、できるだけ朝の時間帯に、水をたっぷりと与えましょう。

ただし、プランターは土の表面が乾きやすいため、夏場は、朝と昼の2回水やりをおこなうのがおすすめです。

栽培初期は朝に1回の水やりで十分ですが、果実が大きくなってきたら回数を徐々に増やしていき、朝と昼の2回、よく晴れた暑い日には朝と昼、午後の3回水やりをおこないます。1回に与える水の量は、プランターや鉢の底から水がたっぷりと染み出すくらいが目安。また、葉に水がかからないよう、根元に水を与えるのがポイントです。

夕方や夜間の水やりは、根が傷む原因となるためできるだけ避けてください。

トマトを甘くするために水やりを控える方法もありますが、初心者にはおすすめできません。注意深く観察しなければいけないほか、尻腐れなどの生理障害が起こりやすいからです。プロでも難しい栽培方法であり、枯らしてしまうリスクが高いため、まずはたっぷりと水を与えるようにしましょう。

肥料のやり方

トマトを植える前に、元肥を施すことで、初期生育がうまくいきやすくなります。はじめから元肥が入った培養土を選ぶとよいでしょう。

ただし、元肥を加えて栽培しても、途中で栄養分が不足してしまいます。栄養分を補うために、追肥が必要です。

実がピンポン玉程度の大きさになってから、2〜3週間に1回の頻度で追肥をおこないます。液体肥料を説明書どおりに薄めるか、化成肥料の規定量を根元に与えてください。

剪定(摘芯・芽かき)の仕方

ほかの野菜と比べて生長の早いトマトは、葉や芽をつけてどんどん上に伸びていきます。一見たくさん果実が取れそうに見えますが、実は茎葉の生長に栄養を使うため、おいしい実を収穫しづらくなります。そのため、栄養分が実に届きやすくなるよう、摘芯や芽かきなどの剪定をおこないましょう。

摘芯とは、茎の先を剪定する作業です。茎の先を切り取ることで、上に生長するための養分を花や実に使えるようになります。支柱の高さ以上になってきたら清潔な園芸ハサミで一番上の花房の葉を2枚ほど残して剪定しましょう。


芽かきとは、わき芽を摘み取ることで、摘芯とは異なり手作業でおこなえます。芽かきは必ず晴れた日に実施してください。雨の日におこなうと切り口から雑菌が入り込むおそれがあります。

わき芽の根元を親指と人差し指で挟み、ひねるように摘むと簡単に取れます。とくに、トマトの実がついているすぐ下の節から生えたわき芽は、すぐに摘み取りましょう。

授粉・摘果の仕方

トマトの実をしっかりとつけるためには、人工授粉が必要です。1段目の花が咲き始めた段階で、花を揺らしたり、筆を使って花の表面をなでたりしましょう。

1段目に実がつかないと、その後の実がつきづらくなるおそれがあるため注意してください。また、人工授粉は晴れた日の朝9~10時頃におこないます。

大玉トマトを育てる場合は、摘果が必要です。小さい実や形の悪いものを取り除くことで、残ったトマトに栄養分が行きわたります。摘果は清潔な園芸ハサミを使い、1つの果房に対して3〜4個を目安におこなってください。

トマト栽培を成功させるポイント

トマト栽培を成功させるポイント
トマトは、初心者でも比較的簡単に栽培できる野菜です。しかし、栽培環境によってはおいしい実がならなかったり、枯れてしまったりと、トラブルに見舞われることもあります。

トマトの栽培を成功させるために押さえておきたいポイントをご紹介します。

実がつくまでは肥料は控えめに

肥料には栄養分を与え、実つきを良くする効果があります。しかし、与えすぎると葉や茎に栄養分が偏り、実つきが悪くなるため注意が必要です。実がつくまでは、肥料は控えめにしましょう。

追肥をおこなうのは1段目の実がピンポン玉くらい大きくなってからで、化成肥料を1株に15g程度が目安です。液体肥料を使う際は、既定の希釈率で薄めてプランターの底から流れるくらいに与えます。

水やりはたっぷりおこなう

トマトは、水をギリギリの量に調整することで甘くなります。しかし、水が少ないと必要な養分を吸収できず、病気になるリスクが高まります。

とくに、カルシウムが欠乏すると尻腐れ病にかかりやすくなるため、土が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。

ミニトマト栽培に慣れてからチャレンジする

トマトの中でも、ミニトマトの方が栽培は簡単です。育て方は基本的に同じですが、少し慣れてから育てたいという方は、ミニトマトから挑戦してみましょう。

 

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トマトの病気・害虫対策

トマトの病気・害虫対策
野菜や果物を育てる際は、必ず病気や害虫などのトラブルがつきものです。しかし、しっかりと対策をしておけば、怯える必要はありません。

トマトの実に穴があいたり、葉に白い筋がでたり、陥没したりなどのトラブルが起こった際は、害虫の影響を疑ってください。対策としては、トマト専用の防虫剤や殺虫剤を使用します。

トマトにつきやすい害虫と見分け方のポイントは以下のとおりです。

名前 特徴
タバコガ トマトに穴があく
トマトハモグリバエ トマトの葉に白い筋ができる
アザミウマ トマトの青実に小さな陥没がある
アブラムシ
タバココナジラミ
トマトの葉の裏に小さい粒がついている

市販の薬剤を使いたくない場合は寒冷紗や防虫ネットを使って、物理的にブロックする方法もあります。かけておくだけで簡単に予防できるため、安心して栽培を楽しみたい方はぜひ取り入れてみてください。

症状が出ると治せないため、見つけた際は実を取り除きましょう。尻腐れ病はカルシウムを補てんすることで予防できます。

甘くておいしいトマトを実らせよう!

甘くておいしいトマトを実らせよう!
初心者でも簡単に育てられるトマトは、ちょっとした工夫で甘くておいしい実を収穫できます。

トマトには多くの品種があり、それぞれ異なる特徴をもつため、ご自身に合ったものを選んでみてください。本記事でご紹介した育て方のコツや注意点を参考に、ぜひ家庭菜園に挑戦してみずみずしいトマトを堪能してみてはいかがでしょうか。

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