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【初心者向け】アンスリウムの育て方|花が咲かない原因と対策法も解説

【初心者向け】アンスリウムの育て方|花が咲かない原因と対策法も解説

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鮮やかな赤と緑が美しく、存在感が抜群な「アンスリウム」は、自宅でも手軽に楽しめるインテリアグリーンとして人気の植物です。

日本では観葉植物としてはもちろん、生花の花材としてもよく使われているので、街中で目にする機会が多いのではないでしょうか。

本記事では、これからアンスリウムを育てたいと考えている方に向けて、基本的な情報や上手に育てるコツなどをご紹介します。

現在アンスリウムを育てている方もぜひ参考にしてみてください。

アンスリウムとは?

アンスリウムとは?

アンスリウムは、西インド諸島や熱帯アメリカが原産国である、サトイモ科ベニウチワ属の植物です。多年草なので、毎年花を咲かせ続けます。

花のように見える赤いハート型の光沢部分は、実は葉であり、中心の黄色くて細長い部分が花です。ハート形の部分を「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼び、細長い花の部分を「肉穂花序(にくすいかじょ)」と呼びます。

細長い花の部分は次第に黄から白、最後は緑へと色が変わるので、日々変化を楽しみながら育てられるでしょう。

本来アンスリウムは、地面に根を下ろさず、大きな樹木の上で生活する着生植物です。そのため、育てる際には鉢植えが一般的で、庭植えには向いていません。

アンスリウムの育て方のポイント

アンスリウムの育て方のポイント

アンスリウムの適切な栽培環境をはじめ、水やりや肥料の頻度といった育て方のポイントをご紹介します。

アンスリウムは育て方を間違えると花が咲かないこともあるので、栽培のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

置き場所は半日陰が最適

アンスリウムは湿度の高い環境を好み、強い直射日光には弱い植物なので、栽培環境にはなるべく乾燥しない半日陰を選びましょう。

Tips
半日陰とは1日のうち数時間程度、直接日が当たるところを言います。木漏れ日のようなやわらかな日差しが当たる場所が理想的です。

また、気温は18~28度くらいが適温です。耐寒性が低く寒さや乾燥には強くないので、冬場は必ず室内で育てるようにしましょう。

水やりは週に1~2回

アンスリウムへの水やりは、季節によって頻度を変えて行います。生育期である5月~10月頃の暖かい間は、1週間に1~2回程度、土が乾ききる前にしっかりと水やりをおこなってください。夏場の水やりは夕方以降におこなうようにしましょう。午前中に水を与えると、昼間の高い気温の影響で水を含んだ土が熱くなり、生育を妨げてしまいます。

一方で、冬の時期は休眠期となるので、水やりの回数は少なくても構いません。冬場の水やりは控えめにして、週に1回程度、表土が乾いてから2~3日後のタイミングでおこなうのがベストです。

鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えてから、受け皿に溜まった水を必ず捨てましょう。受け皿の水を放置すると、根腐れを起こすおそれがあります。

また、アンスリウムは空気中の湿度を好むため、葉や茎への水やりもおこなうと、より丈夫に育ちます。霧吹きを使って、定期的にアンスリウムにうるおいを与えてあげてください。

Tips
葉や茎への水やりのことを「葉水(はみず)」と呼びます。冷房や暖房の効いた室内では空気が乾燥しがちになるので、こまめに葉水をしてください。

肥料は緩効性の固形肥料を使う

アンスリウムを育てる際には、必ず適切な肥料を用意する必要があります。使用する肥料は、緩効性の固形肥料を選んでください。速効性の肥料を使うと、肥料焼けする恐れがあります。

アンスリウムに合うものを選んで生育期に適切な施肥をおこなえば、生育が促されて美しい花が咲くでしょう。

植え替え時期は6月~7月がベスト

また、アンスリウムの植え替えのタイミングは、植え付けから約2年が経過したときです。適切なサイズの鉢を用意して、6月~7月の間に植え替え作業を完了させてください。

土は、基本的に市販の観葉植物用のものを使用します。自分で用意する場合には、水はけと通気性の良さを意識した用土を作りましょう。

ただし、伸びた根が土からはみ出ていたり、アンスリウムが弱っている場合には、根詰まり(根が鉢の中で過密になる状態)を起こしている可能性があるので、時期を問わず早めに植え替えをおこないましょう。

生長スピードや健康状態には個体差があります。毎日よく観察して、適切な環境を用意してあげることが大切です。

剪定は5月~10月頃におこなう

アンスリウムが生育期を迎える5月~10月頃には、必要に応じて剪定をおこないましょう。花や葉が古くなっていたりすると生長の妨げとなるので、定期的に確認することが大切です。

花や葉を剪定する際には茎の付け根から切ると、剪定後に無駄な栄養を消費することを防ぐことができるほか、見た目もきれいに整います。

株分けや挿し木で増やす

アンスリウムを増やす方法としては「株分け」が一般的です。清潔なナイフやハサミを用意して、親株から引き離した子株を新しい鉢に植えます。植える際には、鉢底のネットや石などを忘れずに敷き、鉢と根の隙間の隅々まで土が行き届くようにしてください。

植え替え後はたっぷりの水を与えて、明るい日陰で管理しながら数日様子を見ます。

また、茎が伸びすぎてしまったアンスリウムには挿し木がおすすめです。基本的な挿し木の手順で茎を分けたら、株分けのときと同様に明るい日陰で管理しましょう。

生長を確認しながら、2年に一度ほどのスパンで株分けや植え替えをおこなうのがおすすめです。

病害虫対策をおこなう

植物を育てるうえで、気をつけておきたい病害虫についてご紹介します。まずは、アンスリウムの葉裏に寄生する「ハダニ」です。葉の裏に白い斑点状の模様がついている場合には、ハダニの存在を疑ってください。

乾燥する場所を好んで寄ってくるため、定期的に水やりや葉水をおこなうことで予防できます。また、葉や茎を吸汁して生育を妨げ、株を枯らしてしまう「カイガラムシ」にも注意が必要です。

カイガラムシは、葉や茎に黒いカビが生える「すす病」を発生させるおそれがあり、殺虫剤にも強いので非常に厄介な害虫です。もしカイガラムシを見つけたら、歯ブラシを使ってこすり落としてください。

アンスリウムを屋外で栽培する場合、春から秋頃の季節には「アブラムシ」も寄ってくる可能性があります。カイガラムシと同じくすす病を引き起こすことがあるので、早めに対策しましょう。

アンスリウムの花が咲かない原因と対策法

アンスリウムの花が咲かない原因と対策法

順調にお世話できていると思っていても、アンスリウムが弱ってしまったり、花が咲かなかったりする場合があります。

とくに、花が咲かないことには必ず原因があるので、これから紹介する「原因と対策法」をひとつひとつ見直して、適切な対応をおこなってください。

置き場所や温度・湿度が適切か確認する

アンスリウムは半日陰を好むため、全く日が当たらない場所では花が咲かない可能性があります。1日数時間程度、やわらかな日差しが当たる場所に置きましょう。また葉だけでなく花芽(花の成長点)が備わっている株元にも光が当たるようにすることが重要です。開花時期前に適度に株分けをしたり、不要な葉を剪定をしたりして、株が密集しないようにしておきましょう。
生育に適した温度は約18~28度くらい、湿度は約50~60%以上を保つようにしてください。

栄養が不足している時は肥料を与える

開花時には非常に多くのエネルギーを必要とするため、栄養が足りていないとうまく花が咲きません。
原産国では通年咲き続けるアンスリウムですが、日本では5~10月が開花時期です。気候の条件が満たされるようになる5月と翌春までの体力を備える10月に肥料を与えると良いでしょう。
ただし、肥料の与えすぎは悪影響を及ぼすので、必ず適切な量を守ってください。

 

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根詰まりした時は大きい鉢に植え替える

株の大きさと鉢のサイズが合っていない場合、鉢のなかで根詰まりを起こすことがあります。アンスリウムは生長とともにどんどん根を伸ばすので、定期的にひと回り大きな鉢へと植え替えをすることが大切です。

植え替えをせずに小さい鉢のまま育てたり、想像よりもアンスリウムの生長スピードが早かったりすると、根詰まりを起こして花が咲かず、枯れてしまうおそれもあります。生長の様子をよく観察しながら、アンスリウムの大きさに合う鉢を使って育てていきましょう。

Tips
アンスリウムは「着生植物」といって、自然界においては土ではなく樹木の表面に根を張る植物です。そのため多少の根詰まりでは生育に悪影響を及ぼす可能性は少ないとされています。逆に鉢の中に余白がありすぎると、根や葉の生育が優勢になって花が咲きにくくなるため注意しましょう。

 

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根腐れしないように過度な水やりを避ける

根詰まりや与える水の量が多すぎることが原因で、アンスリウムの根が腐っている場合にも、花はうまく開花しません。根腐れを起こした状態から再び元気になることは難しく、そのまま枯れてしまうケースも多いので注意が必要です。

過剰な水やりや、生育に合わない鉢や用土の使用は避け、適切な環境を意識しながら育ててください。

アンスリウムの夏越しと冬越し

アンスリウムの夏越しと冬越し

多年草であるアンスリウムが、いつまでも健康な花を咲かせ続けるためには、季節に応じた適切な環境を用意してあげることが大切です。夏と冬、それぞれの「越し方」について解説するので、季節の変わり目にはぜひ参考にしてみてください。

夏越し

夏場、日中の気温が上がる時期には土の乾燥に注意し、必要に応じて水やりの量や頻度を増やしてください。時折希釈した活力剤を与えると、夏バテの防止につながるのでおすすめです。

冬越し

アンスリウムは寒さや乾燥に弱いので、冬場は必ず室内の暖かい場所で育てます。霜に当たると葉先が枯れたり、茎や葉が弱ったりするので気をつけてください。屋外での栽培時には温室のなかで暖房機器を使用して、アンスリウムが快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。

アンスリウムの育て方のポイントを押さえよう!

アンスリウムの育て方のポイントを押さえよう!

栽培環境や植え替えなどに気をつければ、誰でも簡単に育てられるアンスリウム。生長の過程を楽しみながら、インテリアとしても大活躍する魅力的な植物です。

立派に生長すると、非常に存在感のある美しい花と葉を見ることができるので、気になる方はぜひ栽培にチャレンジしてみてください。

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