コーナンTips 園芸 サトイモの栽培マニュアル|プランターで育てる方法をくわしく解説 サトイモの栽培マニュアル|プランターで育てる方法をくわしく解説 園芸 クリップボードにコピーしました サトイモの栽培マニュアル|プランターで育てる方法をくわしく解説 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました ねっとりとした独特の食感がおいしいサトイモは、日本の食卓で古くから愛されている野菜の一つです。本記事では、サトイモの基本情報から育て方までを詳しくご紹介します。 家庭菜園でも簡単に育てられるサトイモですが、寒さや乾燥に弱い性質があるため、注意点を押さえることが大切です。プランターや種イモの選び方、置き場所の注意点などを知って、おいしいサトイモに育てていきましょう。 目次 サトイモの基本情報主な品種栄養サトイモ栽培で必要なものプランターの選び方種イモの選び方サトイモの栽培方法栽培環境植え付け方水やりの仕方肥料のやり方収穫の仕方サトイモ栽培の注意点高温期の乾燥に注意土寄せ(増し土)がポイントおいしくて栄養のあるサトイモの栽培をはじめよう サトイモの基本情報 まず、サトイモの基本情報について確認していきましょう。 科名 サトイモ科 属名 サトイモ属 和名 里芋 英名 Taro 学名 Colocasia (L.) esculenta Schott. 別名 たいも 原産地 インド東部からインドシナ半島などの熱帯地方 分類 多年草 販売時期 3~5月 収穫時期 10~11月 ※植え付けから約85~100日で収穫(品種によって異なる) 耐暑性 強い 耐寒性 弱い サトイモは寒さと乾燥に弱く、高温多湿を好みます。日本では、古くから田んぼの高畝で栽培されていたことから「田いも(たいも)」と呼ばれていました。 比較的暑さに強いサトイモですが、熱帯雨林の陰樹として育ってきたため、夏の直射日光を嫌います。地温が28℃を超えると生育が悪くなるため、プランター栽培では置き場所に注意して育てていきましょう。 主な品種 サトイモには多くの品種があり、日本に約200種類以上存在するといわれています。小イモだけではなく、大きめの「親イモ」や「葉柄」の部分もおいしく食べられる品種があるため、お気に入りのサトイモを選んで育ててみてください。 寒さに弱いサトイモは、収穫時期を確認して品種を選ぶことが大切です。寒冷地で育てる初心者の方は、早く育つ「早生(わせ)品種」を選ぶといいでしょう。 初心者の方におすすめの主な品種をご紹介します。 土垂れ(どたれ) 家庭菜園に人気で、収穫量が期待できる初心者の方におすすめの定番品種。イモは粘り気があり、煮崩れしにくい点が特徴です。 大和里芋 土垂れ系の早生品種で、生育が早い点が特徴。粘りが強く、煮崩れしにくい肉質のため、煮物などさまざまな料理で活躍します。 石川早生(いしかわわせ) 大阪原産とされているサトイモの代表品種の一つ。収穫までの期間が短い早生品種で、病気に強く草丈が低いため、プランター栽培におすすめです。 赤芽大吉(セレベス) 赤い芽が特徴で、イモだけではなく赤い茎(ズイキ)も食べられる品種。収穫量が期待でき、翌年用の種イモを採る際にもおすすめです。 八つ頭 関東を中心に栽培される品種で、子イモと親イモがひとかたまりに育つ点が特徴。八方に広がりながら子イモを付けるため、縁起物のおせちにも使われています。 栄養 食べ応えのある食感が特徴のサトイモは、煮物やスープとして毎日の食事に取り入れやすい食材。イモ類のなかでは低カロリーでありながらミネラルが豊富で、栄養価が高い野菜です。また、食物繊維も多く含まれており、腸内環境を整える効果が期待できます。 調理の際は、水分を拭き取っておくと皮をむきやすくなり、独特のぬめりは塩などでもんで取り除くと滑りにくくなります。ただし、サトイモのぬめりには薬効成分が含まれているため、できるだけ残して調理するといいでしょう。 サトイモ栽培で必要なもの サトイモを育てるために必要なものは以下のとおりです。 サトイモの種イモ プランター(幅60cm、深さ30cm以上) 培養土 鉢底石と鉢底ネット 肥料 スコップ ジョウロ 園芸ハサミ マルチング材(敷きわらなど) サトイモは土の中で育つため、プランターは根菜類用の深型タイプを選んでください。植え付け後は、土を追加する寄せ土(増し土)が必要です。野菜用の培養土を多めに用意しておくといいでしょう。 多湿を好むサトイモのプランター栽培では水やりがポイントとなるため、扱いやすいジョウロがおすすめです。また、敷きわらなどのマルチング材には、土の乾燥を防ぐ効果があります。 プランターの選び方 サトイモ栽培には、深さと幅が十分にあるプランターが必要です。幅60cm、深さ30cm以上の長方形プランターに2株、丸鉢の場合は10〜15号(直径30〜45cm)に1株を目安に用意してください。 素材は、軽くて使いやすいプラスチック製がおすすめです。1株でおよそ20個ほどのイモを付けるため、収穫の際に扱いやすい素材と大きさを選びましょう。 ▶鉢・プランターの関連商品を見てみる 関連記事 植木鉢のサイズ選択に困ったら|号数の見分けと適したサイズの測り方 種イモの選び方 サトイモの種イモは、4〜5月ごろに入手できます。良い種イモを選ぶポイントは以下のとおりです。 芽に欠けや傷がない 皮がなめらかでしわが少ない 重みがありふっくらとしている 植え付け時期になったら、なるべく新鮮な種イモを購入することが重要です。大きくてしっかりとしているものを選び、健康なサトイモに育てていきましょう。 サトイモの栽培方法 春に植えて秋に収穫するサトイモは、夏の直射日光を避け、寒冷地では寒くなる前に収穫を終えることが大切。ポイントを押さえれば、初心者の方でも簡単に栽培できます。 植え付けから収穫まで、サトイモをおいしく育てるための方法をご紹介します。 栽培環境 サトイモの生育適温はおよそ25〜30℃、地温は 22~27℃と高く、多湿を好みます。寒さと乾燥には弱い性質を持っています。暑さには比較的強いものの、直射日光を嫌うため、とくに夏は葉が傷まないように注意してください。 プランター栽培では、大きめのプランターや鉢にたっぷりと土を入れて乾燥を防ぐことが大切です。また、葉が大きく育つため、十分なスペースのある置き場所を選びましょう。 植え付け方 サトイモを植え付ける際の株間は、プランター栽培で30cm(幅60cmに2株)を目安におこなってください。丸鉢では10〜15号(直径30〜45cm)に1株が目安です。 種イモの植え付けは、芽が出ている部分を上向きにすることがポイント。2株以上植える場合は、芽の高さを合わせて植え付けをおこないましょう。 植え付けからしばらく経つと、太くてしっかりとした芽が出てきます。芽がいくつも出ていたら、栄養の分散を防ぐために小さな芽を取り除く「芽かき」が必要です。芽かきは、イモごと引き抜かないようにやさしくおこなってください。 水やりの仕方 乾燥を嫌うサトイモは、水をたっぷりと与えることが栽培を成功させるためのポイントです。プランター栽培では1日2回を目安に水やりをおこない、土の多湿を維持しましょう。 ただし、地温が28℃を超えるとサトイモの生育が悪くなるため、夏は気温が上昇する昼を避けて、朝と夕方に水やりをおこなってください。土の表面を防ぐために、敷きわらなどのマルチング材を使うことも有効です。 肥料のやり方 サトイモの肥料は、植え付け時の元肥と2回の追肥が目安です。以下を目安に、適切なタイミングで肥料を与えましょう。 元肥 植え付け時には土に元肥として化成肥料を混ぜ込みます。初心者の方は、元肥の入った野菜用培養土がおすすめです。 追肥 草丈が30cmくらいになる1か月後と、1回目の追肥から2〜3か月後の2回を目安に、化成肥料を株のまわりにまきます。 肥料を与えたタイミングで、株元に土を追加する「土寄せ(増し土)」をおこない、株が倒れないように支えてあげましょう。土寄せは、株元がしっかりと埋まるようにおこなうことがポイントです。 土寄せが不十分だと子イモの芽が土から飛び出し、小さなイモばかりになってしまいます。プランター栽培では水やりで土が流れてしまうことがあるため、定期的に土寄せをおこない、大きなサトイモに育てていきましょう。 ▶肥料の関連商品を見てみる 関連記事 追肥のやり方を解説|野菜や花を大きく元気にする肥料の重要性 収穫の仕方 サトイモの茎が弱ってきたら、いよいよ収穫していきます。品種や植え付けのタイミングによって異なりますが、10月下旬〜11月上旬が収穫の適期です。 プランター栽培でおこなうサトイモの収穫は、上部の茎を切り取ってから、ビニールシートなどに土ごと取り出します。大きさが異なるイモが1株に20個ほど付いているため、イモを傷つけないように注意しながら、やさしく土を落として収穫していきましょう。 サトイモ栽培の注意点 初心者の方でも比較的簡単に育てられるサトイモですが、環境が合っていないと、株の勢いがなくなりイモの生育も悪くなってしまいます。高温期の乾燥に注意し、土寄せをしっかりとおこなうことが大切です。栽培の注意点を押さえて、おいしいサトイモを育てていきましょう。 高温期の乾燥に注意 多湿を好むサトイモは、一度水切れを起こすと、うまく育たなくなるおそれがあります。また、高温期の乾燥はハダニやアブラムシなどの害虫が好む環境でもあるため、注意が必要です。 プランター栽培では土が乾きやすいため、朝と夕方の2回を目安にたっぷりと水やりをおこなうことが大切。とくに株が大きく生育している夏は、水切れに十分注意してください。 土寄せ(増し土)がポイント 土寄せ(増し土)はサトイモ栽培の重要な手入れの一つ。イモに光が当たると味が落ちてしまうため、株元を土でしっかりと覆うことが、おいしいサトイモを収穫するためのポイントです。 プランターや鉢で育てる場合、高頻度の水やりで寄せ土が流れてしまうことがあります。土の嵩(かさ)が少なくなっていたり、株元が見えていたりしたら、必要に応じて土寄せ(増し土)をおこないましょう。 おいしくて栄養のあるサトイモの栽培をはじめよう サトイモの育て方のポイントやプランターで育てる手順、注意点についてご紹介しました。サトイモは正しい方法で育てれば、家庭菜園が初めての方でも簡単に栽培できる野菜です。 サトイモのプランター栽培を成功させるポイントは、多湿環境を維持できる大きめのプランターを選ぶこと。健康な種イモを適切な時期に植え付け、水やりと土寄せをしっかりとおこなうことも大切です。 今年の春は、さまざまな料理に活躍する栄養たっぷりのサトイモ栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。 プランター栽培の関連商品を見てみる
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