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キャベツ栽培|基本の育て方と収穫時期、注意点などを初心者向けに解説

キャベツ栽培|基本の育て方と収穫時期、注意点などを初心者向けに解説

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炒め物や煮込み料理に活用できるキャベツをお家で栽培してみませんか。キャベツには春まき・夏まき・秋まきの3種類があり、収穫時期によって味や歯ごたえが異なります。

自宅の庭はもちろん、プランター栽培も可能なため、初心者の方でも気軽に挑戦できる野菜です。本記事では、キャベツの基本の育て方や注意点を解説します。

キャベツの基本情報

キャベツの基本情報
まずは、キャベツの基本情報を確認しましょう。

科名 アブラナ科
属名 アブラナ属
和名 甘藍(かんらん)
英名 Cabbage
学名 Brassica oleracea var. capitata
別名 玉菜(たまな)
原産地 地中海沿岸地域
分類 一年草
販売時期 苗:2~6月、8~11月
開花時期 3~5月
収穫時期 春まき:6月上旬~7月中旬
夏まき:11月中旬~12月中旬
秋まき:4月下旬~5月中旬
耐暑性 弱い
耐寒性 強い

キャベツは、大きく分けて「春まきキャベツ(春に種をまいて夏〜秋に収穫)」「夏まきキャベツ(夏に種をまいて秋〜冬に収穫)」「秋まきキャベツ(秋に種をまいて冬〜翌春に収穫)」の3種類が存在します。

さらに品種により成育速度が異なり、植え付け~収穫までの期間が早いものを早生(わせ)、中間を中生(なかて)、遅いものを晩生(おくて)といいます。種まきの時期と合わせて事前に確認しておくとよいでしょう。

キャベツは収穫しないまま置いておくと、黄色の花を咲かせます。

主な品種

初心者でも育てやすい家庭菜園におすすめの主な品種をご紹介します。

彩風

春まきの中生品種。玉太りで品質も良い。黒腐病や萎黄病に耐病性がある。結球後の裂球が遅く、収穫期の幅も広い。外葉が濃緑色でサイズは大型。定植後70〜75日前後で収穫可能。

サトウくん(極甘キャベツ)

春まき、夏まきもできる早生品種。糖度が非常に高いことで知られる。葉切れの良い食感でおいしい。甘くなるのは11月中旬以降の収穫からになるため、作型に注意。耐暑性があり、播種(はしゅ)後75~90日前後で収穫可能。

春波

秋まきの極早生(ごくわせ)品種。葉質はやわらかくてジューシー。品質も良い。生育旺盛で玉が大きくなりやすく、栽培もしやすい。5月中旬から収穫可能。

ほかにもさまざまな品種が存在するため、収穫時期と収穫までの生育速度を下調べしたうえで選びましょう。

キャベツを育てるために必要なもの

キャベツを育てるために必要なもの
キャベツを育てる際に必要なものは、以下のとおりです。

  • キャベツの苗(種)
  • プランター(幅65cm、深さ20cm以上)
  • 培養土
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 肥料
  • スコップ
  • ジョウロ
  • 園芸ハサミ
  • マルチング材(バークチップなど)
  • ポット(ポリポット、セルトレイなど)
  • 寒冷紗(防虫ネット、トンネル支柱など)
  • 苦土石灰
  • 堆肥
  • 化成肥料
  • 農薬

キャベツの育て方

キャベツの育て方
キャベツをうまく育てるためのポイントについて、以下の項目に分けて解説します。

  • 日当たり・置き場所・温度
  • 種まきの仕方
  • 植え付け方
  • 水やりの仕方
  • 肥料のやり方
  • 中耕・土寄せのやり方
  • 収穫のタイミング・コツ

日当たり・置き場所・温度

まずはキャベツが育ちやすい環境を整えましょう。

栽培に適した環境は、以下のとおりです。

  • 置き場所:風通しと日当たりの良い場所
  • 温度:15~20℃

キャベツは冷えびえとした涼しい場所を好むため、暑さには強くありません。また、ある程度の低温には耐性があるものの、結球(キャベツの葉が重なり球状になること)し始めると耐寒性が弱くなるため注意しましょう。過湿の状態が続くと根腐れの原因となるため、水はけの良い土で栽培してください。

種まきの仕方

種まきから栽培する際は、ポリポットで本葉が3~5枚になるまで育ててからプランターに植え替えます。
種まきの時期と手順は、以下のとおりです。

  • 春まき:2月下旬〜3月中旬
  • 夏まき:7月中旬
  • 秋まき:10〜11月下旬
  1. ポットに土を入れ、直径約3cm、深さ約1cmの穴をつくる
  2. 1つのポットにつき、種を3〜4粒まく(種が重ならないように間隔を離してまく)
  3. 軽く土をかける

春まきの場合は、加温・保温して育苗させます。夏まきの場合は、日差しを和らげて高温にならないようにするための対策が必要です。たとえば、トンネル支柱の上に遮熱資材の寒冷紗(かんれいしゃ)や遮光ネットなどをかけておくと、温度の上がりすぎを防いでくれます。

高温期は風通しの良い場所で育苗させることを心がけ、温度が上がりすぎないように注意しましょう。

発芽したら本葉が2枚出る前に株が1本になるように間引きしましょう。

Tips
地植えで栽培する場合は、大量に育成できるセルトレイやペーパーポットを利用するとよいでしょう。箱まき育苗の場合は、8〜9cmの間隔で種をまいてください。

植え付け方

本葉が3~5枚程度になったら種まきをして時期がきたら、プランターに植え付けます。真夏に植え付ける場合は、日差しで葉が焼けないよう、早朝の涼しい時間帯に実施しましょう。

植え付けの手順は、以下のとおりです。

  1. プランター全体の7割程度まで土(培養土)を入れ、鉢土全体に水を浸透させる分の空間を残す
  2. 早生の場合は株間30〜40cm、中生・晩生の場合は40〜45cmで植穴をつくる
  3. 苗の根鉢を崩さないようにして浅めに植える(キャベツの子葉が土に隠れないよう注意し、根鉢の表面と土の高さが同じになるようにして植える)
  4. 水やりをしっかりとおこない、根本を軽く抑えて苗を安定させる
  5. 植物用活力液を与える

ポットで育てた場合は、植え付け前に苗を水で浸しておきます。水で浸さない場合は、植え付け後にしっかりと水を与えてください。また、園芸用の殺虫剤を植穴に散布しておくと、初期の食害を予防してくれます。

活着(植え付けした苗が根付くこと)の状態が、のちの生育に大きく関わってくるため、必ず晴れた日の午前中に実施します。定植後の水やりの際に、液肥も利用するとスムーズに活着が進みます。

Tips
地植えの場合は高さ10cm・幅50〜60cm程度、2列の場合は高さ10cm・幅80cm程度の畝(うね)をつくり、植え付けてください。株間や植え付け方はプランターと同じです。

植え付けが完了したら、防虫ネットをトンネル状にかけてください。

Tips
秋まき品種は、寒さには比較的強いものの、気温の下がる時期は冬越し対策が必要です。防虫をかねて不織布トンネルなどで覆っておくと、冬越しの寒さ対策につながります。

水やりの仕方

種をまいた後に、たっぷりと水やりをおこないます。日々の水やりは、早朝の時間帯に実施してください。

キャベツは過湿の状態を嫌うため、水の与えすぎは厳禁です。キャベツの芽が発芽するまでの期間は、表土が乾燥しない程度に水を与えましょう。

冬越し栽培の場合も、水のやりすぎは根腐れの原因となるため注意しましょう。

肥料のやり方

外葉を元気に大きく育てるためには、肥料と土寄せが欠かせません。春・夏まきの場合は、植え付けから3〜4週間経過したころに、最初の追肥と土寄せをおこなってください。あわせて、生育に必要な成分を配合した有機入りの緩効性肥料をまいておきます。その後、結球が始まる前に再び追肥と土寄せをおこないましょう。

施肥量の目安は、1回につき1平方メートルあたり15〜20gです。施す際は、作物に化成肥料がかからないよう注意してください。畝幅の盛り上がっている両端の部分にばらまいたら、通路側の土を上げて覆いかぶせます。

秋まきの場合は、年内の追肥は控えめにし、冬越しをさせて新しい葉が伸び出たタイミングで追肥と土寄せを実施します。その後、結球が始まる前に再び追肥と土寄せが必要です。

Tips
結球後に肥料を施すと腐敗や裂球の原因になるため、収穫期がきたら肥効を抑えるように意識しましょう。

中耕・土寄せのやり方

中耕とは、畝の表層を浅く耕して畝と畝の間を耕す作業です。土寄せとは、野菜の株元に土を寄せる作業を指します。

下葉部の直径が30〜40cmになり、株と株の間にわずかに間隔が残る状態になったら、中耕・土寄せのタイミングです。結球し始めたタイミングで再び畝の両側に追肥を施し、あわせて土寄せも実施してください。

収穫のタイミング・コツ

収穫のタイミング・コツ
球が大きくなり、キャベツを上から手で押して固いと感じたら収穫のタイミングです。球を斜めにしながら外葉を手で押し下げて隙間をつくり、そこへ包丁を入れ込んでカットしてください。このとき、外葉を2〜3枚付けたままカットすると、球のお尻を切りすぎずにきれいな状態で収穫が可能です。

収穫時期の目安は、春まきが6月上旬〜7月中旬、夏まきが11月中旬〜12月中旬、秋まきが4月下旬〜5月中旬です。ただし、収穫時期の目安は品種によって前後します。収穫が遅れるとキャベツの球が割れてくるため、適期になったらすみやかに収穫しましょう。

キャベツを育てるときの注意点

キャベツを育てるときの注意点
キャベツ栽培に失敗しないための注意点を、以下の項目に分けて解説します。

  • 暑さに弱いので温度管理に注意する
  • 連作障害を避ける
  • 収穫が遅れると味が落ちる

暑さに弱いため温度管理に注意する

キャベツは暑さに弱いため、温度管理が欠かせません。適温は品種により異なるため、事前に育成適温を確認しましょう。キャベツが定植した後でも、真夏の暑い日差しを直接受けると苗が弱り枯れるおそれもあるため、暑さ対策をしっかりとおこなってください。

連作障害を避ける

連作障害とは、作物を同じ場所で繰り返し栽培することで生育不良になる現象です。キャベツは同じ場所で続けて栽培すると病気や生育不良になりやすいため、翌シーズンも同じ土で栽培するのは避けましょう。連作障害はキャベツと同じ「アブラナ科」のブロッコリーや白菜、カブなども対象です。同じ場所や土を使用する場合は、最低でも2〜3年は期間を空けてください。

収穫が遅れると味が落ちる

キャベツは収穫が遅れると味が落ちるだけではなく、葉が固くなったり球が割れたりします。したがって、収穫時期がきたらすみやかに採取しましょう。

キャベツの病気・害虫対策

キャベツの病気・害虫対策
キャベツに発症しやすい害虫や病気は、以下のとおりです。

【害虫】

  • アオムシ
  • コナガ
  • ナメクジ

【病気】

  • 黒腐病
    黒腐病
  • 菌核病
    菌核病

アオムシやコナガやナメクジなどの害虫は、葉が柔らかくておいしいキャベツに多く発生します。そのため、発生する前から予防対策として薬剤散布をおこなってください。農薬は同じものを使い回すのではなく、いくつかローテーションして使用しましょう。農薬を散布する際は、収穫前の日数と回数を確認することが大切です。

黒腐病とは、外葉の縁が黄化して葉脈が黒変し、淡褐色のV字型に不整円形の病斑が広がる病気です。予防対策として、銅剤散布を結球始めから収穫期ごろまで定期的におこないます。黒腐病は台風や大雨の後に発症しやすいため、天気が戻り次第すみやかに散布しましょう。

菌核病とは、結球期に地面と接する箇所や外葉の基部が淡褐色水浸状(たんかっしょくすいしんじょう)の病斑を形成する病気です。菌核病が進行すると、球全体が軟腐します。

菌核病は、4〜5月と10〜11月頃に発生しやすいため、気温20℃前後で雨やくもりの天候が続く場合はとくに注意してください。結球始めから収穫期までの期間は、菌核病効果のある薬剤を葉の裏や株元に散布しましょう。

 

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