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らっきょう栽培の完全解説!畑・プランターで初心者でもおいしく育てるコツ

らっきょう栽培の完全解説!畑・プランターで初心者でもおいしく育てるコツ

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シャキシャキとした食感と独特の風味がたまらないらっきょう。カレーの付け合わせや漬物としてお馴染みですが、実は家庭菜園でも比較的簡単に栽培できることをご存知でしたか?この記事では、「らっきょうを育ててみたいけれど、何から始めれば良いかわからない」「以前挑戦したけど上手くいかなかった」という方に向けて、らっきょう栽培の基本から美味しく育てるためのコツまで、分かりやすく解説します。畑はもちろん、プランターでの栽培方法もご紹介しますので、初心者の方でも安心してチャレンジできます。種球の選び方から植え付け、日々の管理、そして収穫まで、この完全ガイドを読めば、あなたも自家製らっきょうの美味しさを満喫できるはずです。

らっきょう栽培を始める前に知っておくべきこと

らっきょうを漬けている
らっきょう栽培は、自家製ならではの新鮮な味わいを楽しめる魅力的な家庭菜園の一つです。この章では、らっきょうの基本的な特徴や栽培の年間スケジュール、そして栽培に必要な資材や道具について解説します。これらの情報を事前に知ることで、スムーズに栽培をスタートできます。

らっきょうとは?その特徴と魅力

らっきょうはネギ属の野菜で、地下の白い部分(鱗茎:りんけい)を主に食用とします。特有の香りと辛味、シャキシャキした食感が特徴で、甘酢漬けなどで親しまれています。若採りしたものは「エシャレット」としても楽しめます。比較的育てやすく、病害虫にも強いので初心者にもおすすめです。

特徴項目 内容
分類 ヒガンバナ科ネギ属の多年草
原産地 中国、ヒマラヤ地方
食用部分 鱗茎
風味・食感 特有の強い香り、辛み、シャキシャキとした食感
代表的な料理 甘酢漬け、塩漬け、若採り(エシャレット)など
栽培ポイント 日当たりと水はけの良い場所を好む、連作も比較的可能

らっきょうの栽培の年間スケジュールと作業暦

らっきょうの栽培期間は約10ヶ月から1年です。大まかな年間の作業スケジュールを把握し、計画的に進めましょう。地域や品種により時期は多少変動します。

時期 作業内容 補足説明
7月~8月 畑の準備(土壌改良、元肥) 植え付け2週間前に苦土石灰、1週間前に堆肥・元肥を施します。
8月~9月 種球の植え付け 暑さが和らぐ頃が適期です。
10月~11月 1回目の追肥・土寄せ 生育を促し、白い部分を長くします。
12月~2月 冬越し 必要に応じて防寒対策をします。
2月~3月 2回目の追肥・土寄せ 球の肥大を助けます。
5月下旬~7月 収穫 葉の7~8割が黄変し倒れたら収穫のサインです。

栽培前に準備する主な資材と道具

らっきょう栽培を始める前に、必要なものを揃えておきましょう。

<共通> らっきょうの種球、移植ごて、じょうろ、園芸用ハサミ。
<畑栽培> 鍬または耕うん機、苦土石灰、堆肥、元肥・追肥用の肥料、マルチシート(任意)。
<プランター栽培> 深さ20cm以上のプランター、鉢底石、鉢底ネット、野菜用培養土、追肥用の肥料。

これらはホームセンターや園芸店で入手できます。

らっきょうの植え付け時期と準備作業

収穫前のらっきょう
らっきょう栽培の成功には、適切な時期の植え付けと、生育に適した土壌準備が不可欠です。ここでは、栽培場所の選び方、土作り、良質な種球の選定、最適な植え付け時期を解説します。

栽培に適した場所の選び方(畑・プランター)

らっきょうは日光を好み、水はけの良い場所でよく育ちます。
畑の場合: 日当たりが良く、水はけの良い場所を選びます。連作障害を避けるため、ネギ科野菜を続けて栽培した場所は避けるのが理想です。

 

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プランターの場合: ベランダなど日当たりの良い場所に設置します。深さ20cm以上、幅60cm程度のプランターが適しています。コンクリートに直接置く場合は、すのこなどで風通しを良くすると良いでしょう。

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栽培場所 メリット デメリット ポイント
多収穫が期待できる、力強い生育。 場所の確保が必要、天候の影響を受けやすい。 日当たりと水はけの良い場所を選ぶ。
プランター 手軽に始められる、移動・土壌管理が容易。 収穫量は畑に劣る傾向、水切れ・肥料切れに注意。 深さ20cm以上のプランター、日当たりの良い場所に設置。

畑での土作りと畝立ての方法

美味しいらっきょうのためには、植え付け前の土作りが大切です。植え付け2週間前に苦土石灰(1㎡あたり100~150g)をまき耕し、土壌pHを調整します。1週間前には堆肥(1㎡あたり2~3kg)と元肥となる化成肥料(1㎡あたり50~100g)を施し、再度よく耕します。肥料のやりすぎには注意しましょう。畝は高さ10~15cm、幅は1条植えで約60cm、2条植えで約80~90cmを目安に立てます。

プランター栽培の用土準備と選び方

プランター栽培では、市販の「野菜用培養土」を使うのが手軽です。元肥入りのものを選べばそのまま使用できます。自分で配合する場合は、赤玉土6割、腐葉土3割、バーミキュライト1割程度に緩効性化成肥料を混ぜます。プランターの底に鉢底ネットと鉢底石を敷き、用土を入れます。ウォータースペースとして、プランターの縁から2~3cm下まで土を入れるのが目安です。

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良質な種球の選び方と入手方法

良質な種球は、その後の生育や収穫量に大きく影響します。球が硬く締まり、色が均一でツヤがあり、傷やカビがないものを選びましょう。園芸店やホームセンターで8月頃から販売される「種球」を購入します。食用のらっきょうは栽培に適さない場合があります。

最適な植え付け時期はいつ?

らっきょうの植え付けは、一般的に夏の暑さが和らぐ8月中旬から9月下旬頃が適期です。この時期に植えると、冬前にしっかり根を張り、翌春の生育に備えられます。

  • 寒冷地: 8月上旬~9月上旬
  • 中間地: 8月下旬~9月中旬
  • 暖地: 9月上旬~9月下旬

植え付けが早すぎると高温で傷みやすく、遅すぎると冬越しが難しくなるため、地域に合った時期を選びましょう。

らっきょうの植え付け手順を詳しく解説

準備が整ったら、いよいよ植え付けです。正しい手順で丁寧に植えることが、元気ならっきょうを育てる第一歩です。種球の分け方から植え付けの深さ、間隔、水やり、マルチングについて解説します。

手順1:種球の植え付け方(深さ・間隔)

種球は1球ずつに分け、根が出る部分(平らな方)を下にして植え付けます。

深さ: 種球の先端が少し土から見える程度、約3~5cmが目安です。エシャレットとして白い部分を長くしたい場合は、やや深めの10cm程度に植えます。

間隔: 株間(球と球の間)は10~15cm、条間(列と列の間、畑の場合)は30~40cm程度あけます。
植え穴に種球を置き、周りの土を寄せて軽く押さえます。

項目 目安 備考
種球の処理 1球ずつに分割する 根を傷つけないように注意します。
植え付け深さ 約3~5cm(先端が少し見える程度) エシャレット目的の場合は深めに植えることもあります。
株間 10cm~15cm 球の肥大スペースを確保します。
条間(畑) 30cm~40cm(2条植え以上の場合) 作業スペースと風通しを確保します。

手順2:植え付け後の初期の水やり

植え付け後は、すぐにたっぷりと水やりをします。種球と土を密着させ、発根を促すためです。プランターの場合は底から水が出るまで、畑の場合は土に十分しみ込むまで与えましょう。発芽までは土の表面が乾いたら水やりをし、過湿には注意します。

マルチングの効果と方法(任意)

マルチングは必須ではありませんが、雑草抑制、土壌水分の保持、地温調整、病害予防などの効果が期待できます。植え付け前に畝全体にマルチシートを張り、植え付け位置に穴を開けて植えるか、植え付け後に株元に敷きわらなどをします。

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らっきょうの日常管理と育て方のコツ

ホースで水やり

植え付け後の適切な管理が、美味しいらっきょうの収穫に繋がります。水やり、追肥、土寄せ、除草といった日常管理のポイントを解説します。

水やりの頻度と量の目安

らっきょうは比較的乾燥に強いですが、適切な水分は必要です。

畑栽培: 基本的に降雨に任せますが、乾燥が続く時期や春先の生育期には、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。

プランター栽培: 土が乾燥しやすいため、土の表面が乾いたらプランターの底から水が出るくらいたっぷり与えます。冬場は回数を減らします。

水やりは早朝や夕方の涼しい時間帯に行うのが理想です。

栽培方法 水やりの基本方針 特に水やりが必要な時期 注意点
畑栽培 基本的に降雨任せ。乾燥が続く場合に水やり。 植え付け後~発芽まで、春先の生育期、極端な乾燥時 過湿を避け、土の表面が乾いたらたっぷりと。
プランター栽培 土の表面が乾いたら、鉢底から水が出るまでたっぷりと。 通年(特に夏場や乾燥期はこまめに) 過湿と水切れの両方に注意します。

追肥のタイミングと肥料の種類・量

球を大きく美味しく育てるため、追肥を2回行います。

  • 1回目: 植え付け約1ヶ月後(10月~11月頃)、初期生育を促します。
  • 2回目: 冬越し後の春先(2月~3月頃)、球の肥大を促します。
    化成肥料(1㎡あたり20~30g)や有機肥料を、株元に直接かからないように施し、軽く土と混ぜます。プランターの場合は液体肥料や固形肥料を製品の指示に従い使用します。

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重要な作業「土寄せ」の目的とやり方

土寄せは、らっきょうの白い部分を長くし、分球を促し、倒伏を防ぐ重要な作業です。追肥と同じタイミング(10月~11月頃と2月~3月頃)で行います。株元に土を5cm程度の厚さで寄せます。葉の分岐点が少し隠れる程度が目安です。

除草作業のポイント

雑草は養分や水分、日光を奪い、病害虫の原因にもなるため、こまめな除草が必要です。小さいうちに根から抜き取りましょう。土寄せと同時に行うと効率的です。マルチングも雑草抑制に有効です。

らっきょうの冬越しの注意点

らっきょうは冬を越して成長するため、冬場の管理が重要です。特に寒冷地では、敷きわらや不織布などで株元を覆う防寒対策を行うと、凍害を防ぎ、春からの生育を助けます。過湿にならないよう、水はけにも注意しましょう。

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らっきょうの主な病害虫と予防・対策方法

収穫したばかりのらっきょう

らっきょうは比較的病害虫に強いですが、発生すると被害が大きくなることもあります。日頃から観察し、早期発見・早期対策を心がけましょう。

らっきょうがかかりやすい代表的な病気と予防・対策のポイント

らっきょうの代表的な病気には、白色疫病、黒腐菌核病、さび病などがあります。

病名 主な発生時期 症状
白色疫病 春、秋 葉に白いカビが生え枯れる。多湿で発生しやすい。
黒腐菌核病 秋~春 地際部や球が黒く腐敗し、小さな黒い菌核ができる。
さび病 春、秋 葉の表面にオレンジ色の斑点ができる

各病気の予防・対策のポイントは下記のとおりです。

  • 白色疫病:連作を避け、水はけと風通しを良くしましょう。発病してしまった株は他の株への感染を防ぐために、早急に除去・処分してください。
  • 黒腐菌核病:連作を避け、水はけの良い土壌で栽培しましょう。発病後は根が土の中に残らないように抜き取ったうえで処分してください。
  • さび病:風通しを良くし、チッ素肥料の過多を避け、健康な株を育てましょう。病気が発生したら、被害部分や株を速やかに取り除き処分します。
Tips
農薬を使用する際は、必ず農林水産省の登録を受けているものを使いましょう。商品のラベルには登録番号や有効成分の記載があるため、事前に確認してください。
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注意すべき主な害虫と予防・対策のポイント

ネギアザミウマ、ネギコガ、タネバエなどに注意が必要です。

害虫名 主な発生時期 被害の特徴
ネギアザミウマ 春~秋 葉の汁を吸い、白いカスリ状の食害痕を残す。乾燥時に発生しやすい。
ネギコガ 春、秋 幼虫が葉の内部に潜り、食害する。葉に筋状の白い跡を残す。
タネバエ 春、秋 幼虫が種球や根を食害する。未熟な堆肥で発生しやすい。

各害虫の予防・対策のポイントは下記のとおりです。

  • ネギアザミウマ:繁殖力が高いため、早期発見・駆除に努めましょう。シルバーマルチを使用することで、飛来を防ぐことができます。
  • ネギコガ:シルバーマルチや防虫ネットをかけて成虫の産卵を防ぎましょう。被害を見かけたら手で取り除くか、必要に応じて農薬を散布してください。
  • タネバエ:堆肥が未成熟な状態だと臭気でおびき寄せてしまう可能性が高いため、完熟した堆肥を使用しましょう。らっきょうの植え付け適期の8~9月はタネバエの活動が鈍くなるため、植え付けが遅れないように注意してください。

 

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農薬に頼らない病害虫対策と予防法

農薬に頼らずらっきょうを健康に育てるための基本は、良好な栽培環境を整え、株そのものの抵抗力を高めることです。日当たりと風通しが良い場所で、水はけの良い土壌を選び、適切な肥培管理をします。健全な種球を使い、コンパニオンプランツを利用したり、病害虫を早期発見し手で取り除いたりすることも有効です。良質な堆肥で土壌改良をすることも土壌病害の抑制に繋がります。

まとめ:らっきょう栽培で自家製ならではの味覚を楽しもう

器に盛られたらっきょうの漬物

らっきょう栽培は手間と時間がかかりますが、自分で育てた採れたての味は格別です。この記事で紹介した育て方のコツを参考に、美味しい自家製らっきょうの収穫を目指しましょう。シャキシャキとした食感と独特の風味をご家庭でぜひお楽しみください。

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