コーナンTips 園芸 しいたけ栽培に挑戦!原木に発生させるためのポイントを紹介 しいたけ栽培に挑戦!原木に発生させるためのポイントを紹介 園芸 クリップボードにコピーしました しいたけ栽培に挑戦!原木に発生させるためのポイントを紹介 この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました 旨味や栄養価に優れ、さまざまな調理法でおいしく食べられるしいたけ。おかずにも副菜にも手軽に使えることから、家庭料理には欠かせない存在です。「自宅で育ててみたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。 本記事では、しいたけ栽培初心者に向けて、育て方のポイントや注意点を解説します。ぜひ本記事を参考にしいたけを育て、食卓を豊かにしてください。 目次 しいたけの基本情報主な特徴栄養しいたけ栽培で必要なもの種駒の選び方原木の選び方しいたけの栽培方法日当たり・置き場所植菌の仕方仮伏せ本伏せ管理の仕方収穫の仕方しいたけの原木栽培で注意したい害虫シイタケオオヒロズコガ類ハラアカコブカミキリしいたけを栽培しておいしくいただこう しいたけの基本情報 しいたけの基本情報は以下のとおりです。 科名 キシメジ科 属名 シイタケ属 和名 シイタケ 英名 Shiitake、Shiitake mushroom 学名 Lentinula edodes 別名 収穫時期によって異なる< 2月~4月ごろ:はるこ(春子) 5月ごろ:ふじこ(藤子) 10月~12月ごろ:あきこ(秋子) 12月~1月ごろ:かんこ(寒子)/td> 原産地 日本、中国 分類 菌類 販売時期 菌床栽培:通年 原木栽培:10月~3月ごろ 収穫時期 菌床栽培:通年 原木栽培:3月中旬~5月初旬、10月下旬~11月ごろ 耐暑性 不明 耐寒性 不明 しいたけの食用としての歴史は江戸時代から始まったといわれており、昭和17年に人工栽培法が開発されました。現在は1年を通して出回っているきのこですが、原木栽培における旬の時期は春と秋です。 以下で、しいたけの特徴と栄養について詳しく解説します。 主な特徴 日本と中国が原産地であるしいたけは、コナラ、クヌギ、シイなどの広葉樹の枯れ木に生えるきのこです。傘(上部の帽子のような部分)の開き方によって、以下の3種類に分けられます。 冬菇(どんこ) 傘が7分開きになる前に収穫したしいたけ。肉厚で全体的に丸みを帯びている点が特徴です。さまざまな気象条件が揃わないと収穫できないため高級品とされ、進物にも使われています。炭火焼や茶わん蒸し、煮物などにおすすめです。 香信(こうしん) 傘が7分開きのときに収穫したしいたけ。全体的に平たく、厚みもそれほどありませんが、さまざまな料理に使いやすいのが特徴です。ちらし寿司や炒め物におすすめです。 香菇(こうこ) 冬菇と香信の中間のサイズのしいたけ。開きすぎず、かつ丸過ぎない形で、見栄えと食べ応えの両方を備えています。 しいたけの栽培方法には、木の幹に胞子を植える「原木栽培」と、おがくずなどを固めたものに菌を植え付ける「菌床栽培」の2つがあり、現在流通している約9割は菌床栽培のしいたけです。菌床栽培は、省スペースかつ省力でのハウス栽培が可能なため、1年を通して安定した品質のしいたけをつくれるようになりました。 原木栽培は菌床栽培に比べて手間がかかりますが、天然しいたけのように香り高く肉厚に育つため、菌床栽培のしいたけよりも高値で流通しています。今回は、自宅で原木栽培を楽しむ方法をご紹介します。 ▼菌床栽培の方法は下記の動画で紹介しています。 栄養 しいたけの主成分は炭水化物とタンパク質ですが、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや悪玉コレステロールを減らす作用が期待できるエリタデニンも豊富に含まれています。さらに、抗がん成分であるβ-グルカンの一種であるレンチナン(多糖類)を含んでいることも注目されています。 腸内環境を改善する食物繊維も多く含み、低カロリーであるため、生活習慣病の予防や便秘の方におすすめです。 しいたけ栽培で必要なもの 難しそうに感じられるしいたけの原木栽培ですが、コツを押さえれば自宅でも手軽におこなえます。しいたけ栽培に必要なものは以下の6つです。いずれもホームセンターで入手できます。 原木 種駒(たねごま) 電気ドリル ドリルビット ハンマー 遮光ネット 以下で、種駒と原木の選び方を詳しく解説します。それ以外の道具については、後述の「しいたけの栽培方法」を参考にしてください。 種駒の選び方 種駒(たねごま)とは、木駒にしいたけ菌を培養したもので、これを原木に打ち込むことでしいたけが実ります。種駒はホームセンターなどで入手できます。 種駒のなかには、白っぽいものや焼けたように見えるものがありますが、白くなるのはしいたけ菌の菌糸、焼けたように見えるのはしいたけの生理現象であるため、品質には問題ありません。 ただし、真っ青や真っ黒になっている場合は、カビが蔓延しているため、使用は避けてください。また、しいたけ菌は高温多湿に弱いため、購入後はなるべく早く使い切りましょう。 原木の選び方 原木もホームセンターなどで手軽に入手できます。とくに適している木は、クヌギやコナラ、カシワ、カシ、シイです。 伐採したものを使う場合は、紅葉期(秋)から休眠期(冬)の間に伐採し、伐採後は葉が付いた状態で1か月ほど乾燥させ水分を抜きましょう。夏に伐採した木や、伐採後ひと夏を越えた木、台風などで倒れたような木は雑菌に侵されている可能性が高く、 しいたけ菌を植えても実らないため、使用は避けましょう。 水分を抜いたら、栽培しやすい約90cmの長さにカットする「玉切り」をおこないます。春(3月〜5月ごろ)に伐採する場合は、伐採後すぐに玉切り・駒打ち(種駒を原木に打ち込むこと)をおこなう必要があります。これは、暖かくなって雑菌が動き出す前に、しいたけ菌を活着させなければならないためです。 お近くの店舗を見てみる しいたけの栽培方法 原木栽培の場合、原木に菌がついた種駒を打ちつけて栽培するため、より自然に近い環境で育てる必要があります。庭や自然豊かなスペースを確保したうえで栽培を始めましょう。 ここからは、原木栽培のポイントを栽培の順に説明します。 日当たり・置き場所 基本的に原木は、直射日光が当たらない、風通しの良い場所に置きます。よしずやすだれ、遮光ネットなどで覆うといいでしょう。遮光ネットはしいたけを直射日光から守るだけではなく、保湿や保温の効果もあります。 乾燥しやすい季節は原木自体も乾燥してしまうため、しいたけが育たなくなります。そこで遮光ネットを張ると、湿度と温度が一定に保たれるため菌糸が成長し、上質なしいたけが育つのです。 ▶よしず・すだれの商品を見てみる ▶遮光ネットの商品を見てみる 植菌の仕方 しいたけ菌を原木に植え付ける最適な時期は地域によって異なりますが、一般的に春の植菌は2〜4月ごろ、秋の植菌は10月~12月ごろが目安です。 以下の手順で穴を空け、種駒を打ち込みましょう。 縦20㎝、横4㎝程度の間隔に電動ドリルで直径8.5mm、深さ25mmの穴を千鳥状にあける。 種駒の細いほうを下にし、ハンマーで軽く叩きながら原木に打ち込む。 種駒は、樹皮と平行になるくらいの深さまで打ち込んでください。また、1個目の穴は切り口から5cmほどの位置にあけましょう。 電動ドリルは丸ノミでも代用できますが、丸ノミでの穴あけは意外と力が必要です。原木が5本以上ある場合は、電動ドリルであけることをおすすめします。 ▶ハンマーの商品を見てみる ▶電動ドリルの商品を見てみる 関連記事 ドリルドライバーとインパクトドライバーの違い|買うならどっちがおすすめ? 仮伏せ 仮伏せとは、植菌後すぐに原木を薪積みにして、しいたけ菌を原木に活着させることです。一般的に、枕木の上に膝の高さほどに積んだ原木を、遮光ネットやブルーシートで覆って保温・多湿を図りながら活着させます。寒い時期はさらにビニールなどを覆い保温します。 仮伏せは、日当たりと水はけの良い場所でおこなうことが大切です。2週間程度、毎日散水してほど良い湿度を与えましょう。ただし、あまりに湿度や温度が高くなると、カビや雑菌が繁殖するおそれがあります。そのため、仮伏せは徐々に湿度が高くなってくる梅雨前までにおこなってください。 4月中旬を過ぎて植菌する場合は仮伏せをせず、次に紹介する本伏せをすぐにおこないます。このとき、散水だけは十分におこないましょう。 しいたけ菌の活着の進み具合は、しいたけの発生量や品質に大きく影響します。適切な時期を見極め、スムーズに進めましょう。 仮伏せ中は温度10℃~20℃、湿度80%~90%を維持するようにしてください。 Tips 薪積みするほどの量ではない場合やスペースに限りがある場合は、束立て(たばだて)や平置きで仮伏せすることも可能です。 束立て:原木を数本束ねて立てかける方法。管理が比較的簡単で省スペースでできる。 平置き:原木を平らに並べる方法。通気性が良く、乾燥しすぎることがあるので、こまめな水分管理が必要。 本伏せ 仮伏せで原木に菌を活着させたものを「ほだ木」といい、ほだ木全体に菌を行き渡らせることを「本伏せ」といいます。 本伏せでは、直射日光を避けた風通し・雨当たり・水はけの良い所に、30〜40度程度の角度でほだ木を立てます。立てかけるものがない場合はブロックを縦に2個重ね、そこに立てるといいでしょう。 雨が少ないときは、角度を低くして散水します。日陰がない場合は、よしずやすだれ、遮光率の高い遮光ネットを使用して直射日光を避けてください。ただし、遮光ネットを直接かぶせると内部の温度が上がり、雑菌の発生やシイタケ菌の死滅などにつながるおそれがあるため、ほだ木とネットの間隔をあけて通気性を保つことが大切です。 しいたけ菌は「雨が当たって乾く」を繰り返すことで広がっていきます。ほどよい湿度を保つことを心がけましょう。 管理の仕方 本伏せ中は「天地返し」と「下草刈り」をおこないます。 天地返しとは、本伏せで地面に接していたほだ木の切り口を上にすると同時に表裏も逆にし、しいたけ菌をほだ木全体に広がらせることです。7月~10月の間の曇った日に、2~3回おこないましょう。 また、夏場はほだ木を置いている地面の草を刈り、風通しを良くします。下草刈りを怠ると湿度が上がって害菌発生のリスクが高まるため、とくに草が旺盛に生える8月は入念に刈りましょう。 さらに、散水作業もこまめにおこなってください。しいたけ菌は暑さに弱いため、十分に散水してほだ木の温度を下げることが大切です。 本伏せ中の最適な温度は15°C〜25℃、湿度は60%〜80%です。日々の天気に応じて散水や日当たりを調整しましょう。 収穫の仕方 収穫のサインは傘裏のヒダの膜が切れてきたときです。収穫する際は、ナイフやハサミは使わず、手でもぎ取りましょう。ナイフやハサミで切り落とすと、切り口から雑菌が入り腐りやすくなってしまうためです。また、根本が残ると腐敗につながるため、なるべく根元からもぎ取ってください。 収穫後は1~2カ月間、ほだ木を休ませます。その後は本伏せをおこない、またシイタケが実るのを待ちましょう。この間は天地返しを忘れずにおこない、乾燥しすぎに注意してください。2年経つとしいたけが発生し、直径約10㎝の原木で4〜5年、収穫できます。 ほだ木は一定期間が経つと、しいたけが生えにくくなったり、生えても小さいものばかりになります。このような場合は、ほだ木が役目を終えたサイン。お住まいの地域の方法に従って廃棄してください。薪や昆虫採集に役立てるのもいいでしょう。 しいたけの原木栽培で注意したい害虫 しいたけの原木栽培では、害虫に注意が必要です。 ここで紹介する2種類の害虫は、菌糸を死滅させたり木を空洞にしたりして、ほだ木を傷めてしまうため、とくに注意しましょう。 害虫を防ぐための基本は、風通しを良くし、ほだ木を清潔に保つことです。日ごろからこまめに原木を観察し、早期発見に努めましょう。 以下で、原木栽培で発生しやすい2種類の害虫について詳しく解説します。 シイタケオオヒロズコガ類 シイタケオオヒロズコガは鱗翅目(りんしもく)の蛾で、幼虫は最大で約15mmほどに大きくなり、背中に黒い縞模様があるのが特徴です。成虫発生は6月と9月がピークで、地面に産卵します。 幼虫は種駒を食害するため、その部分からしいたけができにくくなります。また、しいたけそのものに侵入し、食害することもあります。 基本の対策は、ほだ木の保管場所の風通しを良くし、多湿を避けることです。ほだ木を浸水させることも効果的です。 ハラアカコブカミキリ ハラアカコブカミキリ虫は、乾燥した石や落葉、切り株の下で越冬し、春先から夏にかけて食害や産卵をする害虫です。 幼虫はほだ木内の樹皮を食べて中を空洞にしてしまうため、しいたけができなくなります。また、成虫は笠木や小径木を好んで食べます。 そのため、ほだ木を防虫ネットで覆い、産卵を防ぐことが防除の基本です。 ▶防虫ネットの商品を見てみる しいたけを栽培しておいしくいただこう しいたけの原木栽培は難しそうに感じられますが、コツを押さえれば家庭でも収穫が可能です。必要なものもホームセンターで入手でき、作業もそこまで難しくありません。初心者でも気軽に始められますよ。 ただし、栽培する際は日当たり・置き場所・湿度に気をつけることが大切です。害虫の発生を防ぐためにも、原木は清潔に保ちましょう。 自分で育てたしいたけのおいしさはひとしお。本記事を参考に、ぜひしいたけ栽培に挑戦してみてください。 しいたけの原木栽培に必要なよしず・すだれの商品を見てみる
関連記事 ルピナスの育て方|栽培方法のポイントをわかりやすく解説 園芸 クリスマスローズの育て方|初心者でも簡単な栽培方法を紹介 園芸 ルピナスの育て方|栽培方法のポイントをわかりやすく解説 園芸 クリスマスローズの育て方|初心者でも簡単な栽培方法を紹介 園芸 アネモネの育て方|初心者でも簡単な栽培方法を詳しく紹介 園芸 3月に植える野菜13選|プランター栽培できるおすすめ野菜を紹介 園芸 今話題の人気記事! 飼いやすい鳥のおすすめ7選!初心者でもわかるなつきやすい種類の選び方 初心者鳥 初心者でも飼いやすいトカゲの種類7選!基礎知識と入手方法も解説 爬虫類 飼いやすい鳥のおすすめ7選!初心者でもわかるなつきやすい種類の選び方 初心者鳥 初心者でも飼いやすいトカゲの種類7選!基礎知識と入手方法も解説 爬虫類 オンラインショップ 記事一覧に戻る 同じカテゴリから記事を探す 家庭菜園 オンラインショップ 記事一覧に戻る