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ゆずの育て方を解説!地植え・鉢植えで初心者でも実を付けるための栽培ポイント

ゆずの育て方を解説!地植え・鉢植えで初心者でも実を付けるための栽培ポイント

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爽やかな香りと程よい酸味が魅力のゆず。料理のアクセントや冬至のゆず湯など、私たちの生活に彩りを添えてくれます。そんなゆずを「自宅で育ててみたい」と考えたことはありませんか。実は、ゆずはポイントさえ押さえれば、家庭菜園初心者の方でも育てやすい果樹です。この記事では、ゆずの育て方について、苗木の準備から収穫、そして活用方法まで詳しく解説します。

ゆずの基本情報

並べられたゆずとカットされて断面図が見れるゆず

柚子の栽培を始める前に、まずは柚子がどのような植物なのかを知っておきましょう。柚子は古くから日本の食文化に根付いており、香り高い果実は料理や飲み物、さらには薬用や入浴用など幅広く利用されてきました。

柚子の基本情報を理解することで、より豊かに栽培や利用を楽しむことができます。

項目 内容
科名 ミカン科
属名 ミカン属
和名 ユズ(柚子)
英名 Yuzu
学名 Citrus junos
原産地 中国揚子江上流域
分類 常緑低木
販売時期 苗木:通年
開花時期 5月~6月
収穫時期 10月〜12月
耐暑性 普通
耐寒性 強い

ゆずは家庭菜園で育てられる?

栽培中のゆず

「果樹の栽培は広い庭がないと難しいのでは」と思われがちですが、ゆずは家庭でも十分に育てられる果樹です。なぜ家庭菜園に向いているのか、その3つの理由をご紹介します。

柑橘類の中でも寒さに強い

ゆずは柑橘類の中では比較的寒さに強い性質を持っています。品種や環境にもよりますが、マイナス7℃程度まで耐えられるとされ、関東以西の温暖な地域であれば屋外での冬越しも可能です。もちろん、厳しい寒さや霜は避けるべきですが、他の柑橘類と比べると栽培できる地域が広いのは大きな魅力です。

鉢植えでも栽培可能

広いお庭がなくても、ゆずの栽培は諦める必要はありません。ゆずは鉢植えでコンパクトに育てることもできます。ベランダや日当たりの良い窓辺など、限られたスペースでも栽培を楽しめるのは嬉しいポイントです。鉢植えの場合、地植えよりも木の大きさをコントロールしやすく、水やりや肥料の管理がしやすいというメリットもあります。

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1本で実がなる自家結実性

果樹の中には、実を付けるために異なる品種の木を2本以上植える必要があるものも少なくありません。しかし、ゆずは「自家結実性(じかけつじつせい)」という性質を持っており、1本の木だけで花を咲かせ、実を付けることができます。省スペースで栽培できるだけでなく、人工授粉の手間もかからないため、初心者の方でも気軽に挑戦できます。

ゆず栽培を始める前の準備

木の枝から実っているゆず
ゆずを元気に育てるためには、植え付け前の準備が大切です。栽培を始める前に、まずは栽培方法を決め、良い苗木を選び、必要な道具を揃えましょう。

栽培方法を決める

まずは、地植えと鉢植えのどちらで育てるかを決めます。戸建てで庭がある場合は地植えでのびのびと育てられますし、マンションのベランダなど限られたスペースでは鉢植えが適しています。それぞれのメリットとデメリットを理解し、ご自身の環境に合った方法を選びましょう。

良い苗木の選び方

ゆずの苗木は、園芸店やホームセンターなどで購入できます。良い苗木を選ぶポイントは、まず「接ぎ木苗」であることです。接ぎ木苗は、種から育てるよりも早く、数年で実を付け始めます。苗木を選ぶ際は、葉の色が濃く、ハリがあり、病害虫が付いていないかを確認してください。また、幹がしっかりとしていて、根元がグラグラしていないものを選びましょう。

必要な道具と用土

ゆず栽培を始めるにあたり、以下の道具と用土を準備しましょう。
鉢植えの場合は、苗木より一回り大きい鉢と鉢底石、鉢底ネットが必要です。用土は、水はけと保水性のバランスが良い「果樹用培養土」が市販されており、初心者の方にはこちらが手軽でおすすめです。自分で土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7対3程度の割合で混ぜ合わせたものを使用します。地植えの場合は、土壌改良のために腐葉土や堆肥を準備しましょう。その他、支柱や移植ごて、ジョウロなども揃えておくと便利です。

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ゆずの植え付けの手順

木の枝になっている実
準備が整ったら、いよいよ苗木の植え付けです。適切な時期に正しい手順で植え付けることが、その後の生育を大きく左右します。焦らず、丁寧に行いましょう。

手順1:植え付けの時期は3月~4月

ゆずの植え付けに最も適した時期は、本格的に暖かくなる前の3月下旬から4月上旬です。この時期は、苗木が休眠から覚めて成長を始める直前にあたり、植え付けによるダメージからの回復がスムーズに進みます。寒さが厳しい時期や、気温が高くなる夏場の植え付けは避けましょう。

手順2:植え付け前の土作り

地植えの場合は、植え付ける2週間から1ヶ月ほど前に、直径と深さがそれぞれ50cm程度の植え穴を掘ります。掘り上げた土に、腐葉土や堆肥を3割ほど混ぜ込み、水はけの良いふかふかの土壌を作っておきましょう。鉢植えの場合は、鉢の底に鉢底ネットと鉢底石を敷き、培養土を鉢の3分の1程度まで入れておきます。

手順3:苗木の植え付け方

苗木をポットから優しく取り出し、根鉢を少しだけ崩します。地植えの場合は、接ぎ木部分が地面より上に出るように高さを調整し、苗木を植え穴の中央に置きます。その後、土を丁寧に戻し、根の隙間を埋めるように軽く押さえます。鉢植えの場合も同様に、接ぎ木部分が土に埋まらないよう注意しながら、鉢の中央に苗木を据え、縁から数cm下まで土を入れていきます。

手順4:植え付け後の水やり

植え付けが終わったら、支柱を立てて苗木を固定し、たっぷりと水やりをします。地植えの場合は、植え穴の周りに水が溜まるように土手を作ってから水を注ぐと、水が全体に行き渡りやすくなります。鉢植えの場合は、鉢の底から水が流れ出るまで、十分に与えてください。最初の水やりは、根と土を密着させる重要な役割があります

手順 ポイント
1. 時期 3月下旬~4月上旬が最適
2. 土作り 地植えは腐葉土などを混ぜて土壌改良する
3. 植え付け 接ぎ木部分を埋めないように浅めに植える
4. 水やり 植え付け後は根と土を密着させるためたっぷりと与える

ゆずの育て方のポイント

実ったゆずのアップ図
植え付けが無事に完了したら、日々の管理が始まります。ゆずが元気に育ち、美味しい実をたくさん付けてくれるように、日当たりや水やり、肥料の与え方といった基本的な育て方のポイントを押さえておきましょう。

日当たりの良い場所に置く

ゆずは日光を好む植物です。日照時間が不足すると、枝が弱々しくなったり、花の付きが悪くなったりして、結果的に実の収穫量に影響が出ます。地植え、鉢植えともに、1年を通してよく日が当たる場所で管理しましょう。特に、午前中から日が当たる東向きや南向きの場所が理想的です。

季節に合わせた水やりの頻度

水やりは、栽培環境や季節によって頻度を調整することが大切です。特に鉢植えは地植えに比べて土が乾燥しやすいため、注意が必要です。春と秋は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。夏は乾燥が激しいので、毎日朝夕の涼しい時間帯に水やりの状態を確認しましょう。冬は成長が緩やかになるため、水やりの回数を減らし、土の表面が乾いてから2~3日後に与える程度で十分です。地植えの場合は、植え付け直後と夏に乾燥が続くとき以外は、基本的に雨水だけで問題ありません。

適切な肥料の与え方

ゆずは肥料を好む果樹であり、美味しい実を育てるためには適切な時期に適切な量を与えることが重要です。肥料を与えるタイミングは、主に年に3回です。まず、活動を始める前の3月に「元肥」として有機質肥料を与えます。次に、木が成長する6月に「追肥」を施します。そして、実を収穫した後の10月頃に、木が消耗した体力を回復させるための「お礼肥」を与えます。肥料の与えすぎは「肥料やけ」を起こし、根を傷める原因になるため、製品に記載された規定量を守りましょう。

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ゆずの剪定方法と時期

まだ熟していない緑色のゆずの実
ゆずの栽培において、剪定は欠かせない作業の一つです。剪定を行うことで、木の内部まで日光が当たりやすくなり、風通しも良くなります。これにより、病害虫の発生を予防し、実の付き方を良くする効果が期待できます。

剪定に適した時期は3月~4月

ゆずの剪定は、植え付けと同様に、新しい芽が動き出す前の3月から4月上旬に行うのが最適です。この時期であれば、剪定による木への負担が少なく、花芽を誤って切り落としてしまう心配もありません。夏以降に剪定を行うと、来年咲くはずの花芽を切ってしまう可能性があるため、基本的には春の剪定のみとしましょう。

 

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不要な枝の間引き剪定

剪定の基本は、不要な枝を根元から切り取る「間引き剪定」です。具体的には、内側に向かって伸びている枝、他の枝と交差している枝、枯れている枝、下向きに垂れ下がっている枝などを剪定します。これにより、樹形が整い、風通しと日当たりが改善されます。木全体に日が当たることで、光合成が活発になり、養分が効率良く実に運ばれるようになります。

トゲの処理方法

ゆずの枝には鋭いトゲがあり、手入れの際に怪我をする原因になります。また、風で枝が揺れたときに、実を傷つけてしまうこともあります。作業の際は厚手の軍手を着用し、トゲを見つけ次第、枝の付け根からハサミで切り取っておきましょう。トゲの処理は、剪定の時期に限らず、気づいた時に行うと良いでしょう。

Tips
ゆずのトゲは動物から食べられないようにするためのものだとされています。そのため、除去しても生育に問題はありません。

注意すべき病気と害虫

木の枝についている黄色いゆず
大切に育てているゆずを、病気や害虫から守ることも重要です。かかりやすい病気や付きやすい害虫の種類と、その対策について知っておきましょう。早期発見と早期対応が被害を最小限に抑える鍵です。

かかりやすい病気:黒星病(くろぼしびょう)

黒星病は、葉や実に黒い斑点ができる病気です。カビの一種が原因で、特に梅雨時期など湿度が高い環境で発生しやすくなります。予防としては、剪定によって風通しを良くしておくことが有効です。もし発生してしまった場合は、病気の葉や実を速やかに取り除き、被害の拡大を防ぎましょう。

付きやすい害虫:アゲハチョウの幼虫

アゲハチョウの幼虫は、ゆずの葉を好んで食べます。食欲が旺盛で、放置するとあっという間に葉を食べ尽くされてしまうこともあります。特徴的な緑色や黒色の芋虫なので、見つけやすい害虫です。見つけ次第、すぐに捕殺しましょう。特に新芽などの柔らかい葉に付きやすいため、こまめに葉の裏などをチェックする習慣をつけましょう。

付きやすい害虫:カイガラムシ

カイガラムシは、枝や葉に張り付いて樹液を吸う害虫です。成虫になると硬い殻で覆われてしまうため、薬剤が効きにくくなります。数が少ないうちであれば、歯ブラシやヘラのようなものでこすり落とすのが最も効果的です。カイガラムシの排泄物は、すす病の原因にもなるため、見つけたら早めに対処することが大切です。

病害虫 主な症状・被害 対策
黒星病 葉や実に黒い斑点ができる 被害部分の除去、剪定による風通しの確保
アゲハチョウの幼虫 葉を食害する 見つけ次第、捕殺する
カイガラムシ 枝や葉に付着し樹液を吸う 歯ブラシなどでこすり落とす

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ゆずの収穫と活用方法

桶に入れられた収穫したゆず
丹精込めて育てたゆずを収穫する瞬間は、家庭菜園の最大の喜びです。収穫の時期や方法を知り、採れたてのゆずを存分に味わいましょう。

青ゆずと黄ゆずの収穫時期

ゆずは、収穫する時期によって「青ゆず」と「黄ゆず」として楽しむことができます。
8月から10月頃に収穫できる緑色の実が「青ゆず」です。爽やかでキレのある香りが特徴で、ゆず胡椒や料理の薬味に最適です。

一方、11月から12月頃になり、実が鮮やかな黄色に色づいたものが「黄ゆず」です。青ゆずよりも香りがまろやかで、果汁もたっぷり。ジャムやマーマレード、お菓子作り、そしてゆず湯などに幅広く活用できます。

Tips
収穫後のゆずの保存方法は以下のとおりです。

保存方法 ポイント 保存期間の目安
常温 直射日光を避け、新聞紙に包んで風通しの良い場所で保管する。 1週間
冷蔵 新聞紙やポリ袋に入れて野菜室で保存する。 2~3週間
※カットする場合は数日
冷凍 ラップに包んで冷凍用保存袋に入れて保存する。
(丸ごと冷凍も可能)
1~2か月

収穫後の楽しみ方:料理に活用

収穫したゆずは、様々な料理でその風味を活かすことができます。果汁を絞って自家製ポン酢を作ったり、皮を刻んでお吸い物や和え物の薬味にしたりするだけで、いつもの料理が一段と本格的な味わいになります。また、砂糖と煮詰めて作るゆずジャムや、皮を甘く煮たゆずピールなどもおすすめです。

収穫後の楽しみ方:ゆず湯

冬の寒い日には、収穫したゆずを贅沢に使った「ゆず湯」を楽しんでみてはいかがでしょうか。浴槽にゆずを丸ごと、あるいは半分にカットして浮かべるだけで、浴室いっぱいに爽やかな香りが広がります。ゆずの香りにはリラックス効果があると言われており、心も体も温まる至福のバスタイムを過ごせます。

収穫時期 名称 特徴と主な用途
8月~10月 青ゆず 爽やかな香り。ゆず胡椒、薬味などに使用
11月~12月 黄ゆず まろやかな香り、豊富な果汁。ジャム、ゆず湯、ポン酢などに使用

まとめ

カゴにつまれた収穫されたゆず

ゆずは、柑橘類の中でも寒さに強く、鉢植えでも育てられるため家庭菜園に適した果樹です。日当たりや水やり、適切な時期の剪定といった基本のポイントを押さえれば、初心者の方でも美味しい実を収穫できます。自分で育てたゆずを料理やゆず湯で楽しむ、豊かな暮らしを始めてみませんか。

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