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トウガラシ栽培|初心者でも簡単なプランターを使った育て方を紹介

トウガラシ栽培|初心者でも簡単なプランターを使った育て方を紹介

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世界三大香辛料といわれるトウガラシ。世界中で広く栽培されている人気の香辛野菜で、初心者でも育てやすい点が魅力です。病害虫の被害が少なく、日本ではお米の虫よけとしての効果も確認されています。

今回は、プランターを使ったトウガラシの育て方をご紹介します。トウガラシ栽培で大切なのは、置き場所と水やりの頻度です。また、栽培中や収穫時に茎が折れないよう、道具を適切に使う必要があります。基本を押さえて、トウガラシ栽培に挑戦してみてください。

トウガラシの基本情報

葉の中で大きく実ったトウガラシの実

科名 ナス科
属名 トウガラシ属(カプシクム属)
和名 唐辛子、南蛮辛子
英名 Red Pepper
学名 Capsicum annuum
別名 コウライコショウ、ナンバンコショウ、バンショウ(生薬名)
原産地 中央アメリカ~南アメリカ
分類 多年草
販売時期 種:2月中旬〜5月
苗:4月中旬〜6月上旬
開花時期 6〜10月
収穫時期 6月下旬〜10月中旬
※青トウガラシは開花後20日、赤トウガラシは開花後40日で収穫
耐暑性 強い
耐寒性 やや弱い

トウガラシは中央アメリカ〜南アメリカを原産とする野菜です。原産地からヨーロッパ、インドなどに伝わり、世界中で広く栽培されるようになりました。

料理に辛味をつけるだけではなく、「バンショウ」という名称で生薬としても用いられているトウガラシ。辛味成分のカプサイシンは、消化促進や食欲増進、血行促進などの効果が期待できます。

辛味は品種によって大きな差があるため、好みに合わせて選ぶのもよいでしょう。また、鮮やかな赤色の実が特徴的なトウガラシは観賞用としてもおすすめ。ほかの植物と比べると虫よけ対策にかかる手間が少ないため、初心者でも育てやすい野菜です。

主な品種

床に置かれた、葉がついたままのトウガラシ

トウガラシには多数の品種があり、それぞれ辛さが異なります。辛さが苦手な方は、甘みのあるトウガラシを選ぶのがおすすめです。

日本では北海道から沖縄まで、広い地域でトウガラシが作られており、40品種以上あるといわれています

甘みがある日本のトウガラシとして、代表的な品種は次のとおりです。

  • 万願寺トウガラシ
  • 伏見甘長

辛味が強いおもな品種は次のとおりです。

  • 鷹の爪
  • 島トウガラシ

また、以下の2つは育てやすい品種として知られています。

  • 八房
  • 日光トウガラシ

そのほか、世界では激辛トウガラシとして以下の品種が有名です。

  • ハバネロ
  • ハラペーニョ
  • ペッパーX

栄養と機能性

トウガラシにはカプサイシンと呼ばれる辛味成分が含まれています。カプサイシンには交感神経を刺激し、体内でのアドレナリン放出を促す働きがあります。また、褐色脂肪組織という、体温を保つための器官が活性化されることも効果の一つです。アドレナリンの増加や、褐色脂肪組織の活性化によって、ダイエット効果があるといわれています

さらに、品種によって多少の差はありますが、トウガラシにはレモン1個分と同等、またはレモン以上のビタミンCが含まれています。

トウガラシ栽培で必要なもの

小さなザルの中へ収穫されているトウガラシ

トウガラシの栽培には、以下の道具が必要です。

  • トウガラシの苗(種)
  • プランターや鉢(深さ30cm以上で大型のもの)
  • 野菜用培養土
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 肥料(固形)
  • スコップ(移植ごて)
  • ジョウロ
  • 園芸ハサミ
  • 園芸用の支柱(仮支柱・本支柱)
  • 麻ひも(誘引用)

トウガラシは種まきから苗になるまでの生育期間が65〜80日ほどかかります。初心者の方は苗から育てる方法が難易度が低くおすすめです。初心者でも育てやすい「鷹の爪」「八房」「日光トウガラシ」などを選ぶといいでしょう。

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トウガラシの栽培方法

栽培途中の小さな実をつけたトウガラシ

熱帯植物のトウガラシは、発芽適温や生育適温がやや高く、温度管理が重要です。また、収穫時期を見極めて適切なタイミングで収穫することも、おいしいトウガラシを楽しむためのポイント。水不足や栄養不足で辛さが増すこともあるため、日々の管理を怠らないようにしましょう。ここでは、置き場所や水やりの仕方、植え付け方、害虫対策など、トウガラシの育て方のポイントをご紹介します。

日当たり・置き場所・温度

トウガラシは日当たりと風通しが良い場所で育てましょう。プランター栽培であれば、気候や環境の変化に合わせて移動できます。

発芽適温は25〜30℃、生育適温は20〜30℃です。種まきの時期になっても気温が上がらない場合は、発芽するまで室内で育てる方法もおすすめです。

植え付け方

畑で栽培中のトウガラシ

トウガラシを種から育てる場合は、育苗箱やポットを使って発芽させます。トウガラシは発芽適温が高いため、ポットを使う場合はしっかりと保温しましょう。種まきの時期になったら、深さ1cm程度の穴を掘って種をまきます。

5mmほどの厚さに土を被せ、水やりをして適温を保ちながら発芽を待ちます。本葉が1〜2枚くらいで10〜12cmのポットに移し、草丈が15〜18cmまで育ったら準備は完了です。種まきから苗になるまで、65〜80日ほどかかります。葉の色が良く、元気な苗を育てましょう。

苗をプランターに定植する場合は、プランターの底が隠れるように鉢底石を敷き詰め、野菜培養土を入れます。30cmほどの間隔をあけて穴を掘り、ジョウロで水を注ぎ入れましょう。傷つけないように苗を取り出して穴に入れ、根元に土を被せて軽く抑えます。

苗を植えたらそばに仮支柱を立てて、根元から10cmの位置で茎と支柱をひもでくくる「誘引」をおこないます。仕上げに、プランターの底から水が流れるくらいまで水やりをしたら完了です。

水やりの仕方

種まきや苗を植え付けた直後は、鉢底から水が流れ出るまで与えてください。その後は、土の表面が乾いたタイミングで水をたっぷりと与えます。

トウガラシの辛味成分であるカプサイシンは、水不足や栄養不足によるストレスで増加します。適度な水やりでほどよい辛さのトウガラシを育てましょう。

整枝のやり方

野菜や果物を育てるときに、花や果実を付けやすくするためにおこなう作業を整枝(せいし)といい、枝の先端やわき芽を切ります。

トウガラシ栽培では、1個目の小さい実がつくころに整枝作業をおこなうのがポイントです。根元から10cmまでのわき芽や枯れ枝を切り取りましょう。茎が2本成長している場合はそのまま育てたり、収穫の時期に1本残して整枝したりすることもできます。

整枝作業をおこなったら、1m程度の支柱を立てて、根元から20cmの位置で誘引します。わき芽を取り除く作業と誘引は、生長に合わせて2週間ごとにおこなうのがおすすめです。

肥料のやり方

苗の植え付け後、5〜9月までの時期は緩効性化成肥料を2週間ごとに与えましょう

肥料はパッケージや説明書に10-10-10と記載されているものを選んでください。10-10-10の数字は、チッ素・リン酸・カリウムが10%ずつの割合で含まれていることを示します。

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害虫の対策方法

茎に集まっている害虫

トウガラシにつきやすい害虫は、アブラムシとハダニの2種類です。アブラムシは4〜11月に発生しやすく、新芽にはとくに注意が必要です。ハダニは4〜10月の成長期に発生します。高温で乾燥しがちな夏には発生数が増えるため、葉の裏まで行き渡るように水やりをおこないます。

アブラムシやハダニを媒介としてモザイク病などの病気にかかる可能性があるため、万が一害虫が発生したら、すぐに取り除きましょう。苗を植えるときの穴に、浸透性の殺虫剤を巻いて害虫を防ぐ方法も有効です。アブラムシとハダニの対策をしっかりとおこない、健康に育てましょう。

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収穫の仕方

花が咲いてから20日ほど経過すると青トウガラシを収穫できます。そこから40日ほど経って実が赤く熟したら、収穫タイミングです。収穫するときはハサミを使ってヘタから切り取ります。

株についている実が全体的に赤く熟したら、株ごと抜き取って収穫しましょう。緑色の未成熟な状態で収穫する品種もあります。

枝が折れないように、ハサミで丁寧に切り取ることがポイントです。また、熟した実をこまめに収穫すると、虫食いの被害を抑えられます。

トウガラシ栽培と長期保存の方法

木製のお皿に乗っている、乾燥したトウガラシ

トウガラシを長期間保存したいときは、しっかりと乾燥させて水気を抜くことが大切です。乾燥させれば、半年以上保存できます

実を乾燥させる場合は、干し野菜用のネットやざるを使用するのがおすすめ。株ごと乾燥させる場合は、逆さに吊るして風通しの良い日陰で乾燥させます。2〜4週間ほど経って、乾いた音や感触があれば完成です。

電子レンジで乾燥させる場合は、30秒ほど加熱して冷ます工程を繰り返します。このとき、トウガラシが焦げないように注意してください。乾燥後は清潔な密閉容器に入れて、トウガラシの風味を長期間楽しみましょう。

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大きな緑の葉と、トウガラシの実

初心者でも簡単に育てられるトウガラシ。スーパーで見かける機会が少ない、珍しい品種も家庭菜園で簡単に栽培できます。

トウガラシは辛味を与えるスパイスとして料理に使用するだけではなく、虫よけとしても有効です。乾燥させたトウガラシをお米の中に入れて保存すれば、虫よけの効果が期待できます。

また、乾燥させることで、食用として長期間楽しめる点も特徴です。トウガラシには日本の在来品種も含め、さまざまな品種があります。辛さの度合いをチェックして、好みの品種を見つけてみてください。

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