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【獣医師監修】スコティッシュフォールドの特徴・性格は?寿命や飼い方も解説

【獣医師監修】スコティッシュフォールドの特徴・性格は?寿命や飼い方も解説

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折れ耳がチャームポイントのスコティッシュフォールドをお家で飼育してみませんか。スコティッシュフォールドは、その名のとおりスコットランドで最初に発見されました。性格はおだやかで人懐っこいため、猫の飼育が初めての方にもおすすめの猫種です。

本記事では、スコティッシュフォールドの特徴や性格、上手な飼い方について解説します。

スコティッシュフォールドの特徴

スコティッシュフォールドの特徴

くりんとしたまん丸な瞳と折れた耳、丸い顔に短い足が特徴のスコティッシュフォールド。折れた耳がチャームポイントといわれていますが、実は全体の約7割は立ち耳です。

スコティッシュフォールドは、聞き分けが良くてしつけがしやすく、それでいて甘えん坊で寂しがり屋の一面もあるため、日本で人気の猫種です。

基本的にはおとなしい性格をしており、鳴いたりやんちゃに動き回ったりすることはほとんどありません。騒音が気になるマンションやアパートなどの賃貸にお住まいの方にもおすすめ

ここからは、スコティッシュフォールドの大きさや毛の種類、平均寿命、ルーツについて詳しく解説します。

大きさ

スコティッシュフォールドは、折れ耳どうしで交配させると骨格異常を引き起こすことが確認されており、遺伝子系の病気を避けるために異種交配(種類の異なる生物どうしでかけ合わせること)をおこなうケースが多いです。異種交配をおこなった場合は、立ち耳のスコティッシュフォールドが生まれることもあります。また、生まれたばかりは折れ耳でも、成長するにつれて耳が立つケースもあります

スコティッシュフォールドの体重は約3~5kgです。

被毛・毛色の種類

スコティッシュフォールドの被毛タイプはダブルコートで、毛はやわらかくて厚みがあります。短毛種と長毛種が存在し、毛のカラーバリエーションは豊富です。

なかでも人気のカラーは、レッドタビー・クリーム・ダイリュートキャリコ・ブラウンタビー・ブルー・レッドタビーホワイト・クリームタビーホワイト・ブルータビーホワイト・シルバータビーホワイトです。

平均寿命

スコティッシュフォールドの平均寿命は10〜13歳といわれており、ほかの猫種に比べて短い傾向があります。したがって、病気にかからないように日ごろからしっかりとお手入れをおこなうことが大切です。

ルーツ

スコティッシュフォールドのルーツは、1961年にスコットランドの農場で発見された白色のメス猫、スージーとされています。突然変異で耳が折れた子猫であったため、スコティッシュフォールドは英語で「スコットランドの折れ曲がり」の意味も含まれるそうです。

やがて遺伝学者などの協力を得て試験的に交配をし続けた結果、折れ耳は単独の「顕性遺伝子(けんせいいでんし)」であると判明します。「顕性遺伝(子)」とは、両親から受け継いだ遺伝子のうち、どちらか片方に変異がある場合に発症する遺伝形式です。すなわち、両親のどちらかは折れ耳であることを意味します。

スコティッシュフォールドは「同型接合性障害」が原因で、イギリスのいくつかの猫種登録協会では公認がされませんでした。「同型接合性障害」とは、近親同士や折れ耳どうしを交配させることで現れる骨格障害です。

先述したとおり、折れ耳どうしの交配は骨格異常(障害)を引き起こしやすいと確認されたため、現在は立ち耳のスコティッシュフォールドとの交配か、アメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘアの異種交配が原則決定付けられています。

これにより健康的な骨格のスコティッシュフォールドが増えたことで、愛好者の数も拡大していきました。そして1978年に「血統登録団体CFA(世界最大規模の愛猫団体)」で正式に公認されて現在に至ります。

なお、スコティッシュフォールドとして最初に発見されたスージーは、長毛種の遺伝子を持っていたため、のちの世代も長毛種が多く誕生していました。ですが現在は短毛種と長毛種のどちらも確認されています。

スコティッシュフォールドの性格

スコティッシュフォールドの性格

スコティッシュフォールドはおだやかでおとなしい性格をしているため、あまり活発に動き回るタイプではありません。しかし、人懐っこくて寂しがり屋の一面もあるため、飼い主に頻繁にすり寄って甘えてきます。協調性も高いため、ほかのペットと一緒に飼っても良好な関係を築きやすいでしょう。

 

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スコティッシュフォールドの飼い方

スコティッシュフォールドの飼い方

スコティッシュフォールドの飼い方について確認しましょう。しつけや食事、日々のお手入れなど、飼育の基本について解説します。

しつけ

おだやかでおとなしい性格のスコティッシュフォールドは、ほかの猫種に比べてしつけがしやすいといわれています。しかし、子猫のうちからかみ癖やトイレなどのしつけはしっかりとおこなっていくことが大切です。

スコティッシュフォールドは大きい音を嫌がるため、大きな声で怒らないよう注意しましょう。しつけるときは、やさしく教えることを意識してください。入ってはいけない場所に入ったり、イタズラをしたりしたときは、その場ですぐにやめさせて理解させましょう。

食事

スコティッシュフォールドは肥満になりやすい体質をしているため、食事やおやつの与えすぎに注意してください。普段の食事には、フードと水だけで必要な栄養素を摂取できる「総合栄養食」がおすすめ。パッケージに総合栄養食と記載されているものを選べば問題ありません。

ただし、年齢・体重・去勢の有無・活動量などによって与える食事の量や回数、必要な栄養素が異なります。「体重管理用」「子猫用」「シニア猫用」のように、年齢や目的に合わせたキャットフードを選ぶといいでしょう

猫は基本的に飲み水がそれほどなくても生きていける動物です。しかし、水分不足は病気の原因となるおそれがあるため、こまめに水分を与えてください。

おやつはドライタイプ・ウェットタイプ・ジャーキータイプ・フリーズドライタイプなど、さまざまな種類があります。愛猫の好みに合わせていろいろと試してみましょう。

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遊び

スコティッシュフォールドは人懐っこい性格をしており、人と遊ぶことが大好きです。毎日最低でも5〜10分は遊ぶ時間を設けてください。

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お手入れ

スコティッシュフォールドを上手に育てるためには、ブラッシングや歯磨き、耳掃除、爪切といった日ごろのお手入れが欠かせません。お手入れの基本について解説します。

ブラッシング

スコティッシュフォールドは、短毛種と長毛種のどちらもボリュームのある毛量とやわらかい毛質をしています。毛玉になりやすいため、ブラッシングは毎日おこないましょう。とくに、抜け毛が増える換毛期(毛が生え替わる時期)は、こまめなブラッシングを意識してください。

スコティッシュフォールドはやわらかい毛並みをしているため、力を入れ過ぎないように注意しなければなりません。なでたり話しかけたりしながら、毛の生えている方向に沿って丁寧にやさしくブラッシングしてください。

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歯磨き

歯磨きを怠ると歯周病の原因になりかねません。したがって、歯磨きは毎日おこなってください。毎日が難しい場合は、最低でも2〜3日に一度はおこないましょう

子猫のうちから歯磨きに慣れさせておくと、成猫後も抵抗なく口の中を触らせてくれますよ。歯磨きを嫌がる場合は、1本の歯を磨くことから始めて徐々に慣らしましょう。併せて猫のデンタルケア用品を活用するのも効果的です。

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耳掃除

折れ耳のスコティッシュフォールドは耳の中の通気性が悪く湿りやすいため、汚れや雑菌がたまる傾向があります。定期的に耳を確認し、汚れていたタイミングで耳掃除をおこなってください

ガーゼやコットンを用いて、汚れを優しくふき取りましょう。目の届く範囲のみで問題ありません。ただし、あまりにも汚れが気になる場合は、専用のクリーナーを使用するのがおすすめ。

爪切り

猫の鋭くとがった爪先を切ることで、飼い主や猫自身のケガの防止につながります。3週間~1ヶ月に一度は爪の長さを確認し、伸びていればカットします。ただし、生後数週間はあやまって爪の血管を切ってしまうおそれがあるため、早くても3〜4週齢ごろから始めるといいでしょう。

猫の爪切りは「ハサミタイプ」と「ギロチンタイプ」があるため、使いやすいタイプを使用してください。

爪切りの手順は以下のとおりです。

  1. 爪切りは、猫の爪を出すことから始めます。できるだけ小さい力で猫の爪を出し、真ん中の肉球と切る爪の指の間を押し出します。爪は肉球を押さないと出てきませんが、猫は手先に触れられるのを嫌がる傾向があるため、接触を最小限に抑えて肉球を出すようにしましょう。
  2. 次に血管を確認します。血管はうっすらと爪の中に見える赤い部分です。血管から2mm程度の余裕をもって切るように意識してください。なお、子猫の場合は血管が見えにくい場合があります。
  3. 切る位置を定めたら、爪切りでスパッとカットしましょう。切るタイミングが遅れたり、爪を押さえる力が強すぎたりすると猫が動いてしまうため注意してください。

愛猫が爪切りを嫌がるときは、2人がかりでおこなうのがおすすめ。猫は手先をつかまれることに激しく抵抗するため、抑える側の人が猫の肘や膝を押して自ら伸ばすよう促してください。また、親指側や前足の爪に触られるのを嫌がる猫が多いため、外側や後ろ足からカットしていくといいでしょう。

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スコティッシュフォールドのかかりやすい病気と対策

スコティッシュフォールドが発症しやすい病気は、以下のとおりです。

  • 軟骨異形成症候群 :骨や軟骨が正常に成長しない病気
  • 肥大型心筋症   :心筋の肥大が起こる病気
  • 外耳炎      :鼓膜の外側・外耳が炎症する病気
  • 耳ダニ症     :ミミヒゼンダニが外耳に寄生する病気

軟骨異形成症候群は症状を食い止めることが難しいため、定期健診をこまめにおこない早期発見をこころがけましょう。少しでも異変や違和感があれば、早めにかかりつけ医に相談してください。耳ダニを発生させないよう完全室内飼いを意識し、ダニが発生しやすい布類(カーペットなど)は定期的に洗浄してください。

先述したとおり、スコティッシュフォールドの平均寿命は10〜13歳と、ほかの猫種に比べて短い傾向があります。日頃からしっかりとお手入れや対策をおこない、病気を未然に防いでいきましょう。

スコティッシュフォールドをお迎えしよう!

スコティッシュフォールドをお迎えしよう!

スコティッシュフォールドの特徴や飼育の仕方について解説しました。スコティッシュフォールドは問題行動が少なくおとなしい性格をしているため、ペットの飼育が初めての方におすすめの猫種です。人懐っこくて甘えん坊の一面もあるため、長く一緒に過ごすほど愛着も増すでしょう。

大切な家族である愛猫が1日でも長く健康に生きられるよう、丁寧なケアを心がけ、大切にお世話してくださいね。

 

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この記事を監修した人

小松 智彦

小松 智彦

獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。
20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。

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