コーナンTips ペット 【獣医師監修】サイベリアンの性格|特徴や飼い方、お迎え方法は? 【獣医師監修】サイベリアンの性格|特徴や飼い方、お迎え方法は? ペット クリップボードにコピーしました 【獣医師監修】サイベリアンの性格|特徴や飼い方、お迎え方法は? この記事をシェアする! クリップボードにコピーしました フワフワの被毛にクリッとした丸い目が可愛らしいサイベリアン。落ち着いた性格でしつけがしやすいといわれているため、初めて猫を飼う方にもおすすめの猫種です。これからお迎えしたいと思っている方もいるのではないでしょうか。 本記事では、サイベリアンの特徴や飼い方について解説します。後半では、注意したい病気についてもまとめました。サイベリアンが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。 目次 サイベリアンはどんな猫?サイベリアンのルーツサイベリアンの見た目サイベリアンの大きさサイベリアンの寿命サイベリアンの飼いやすさサイベリアンの性格好奇心旺盛で運動能力が高い従順で愛情深い賢くしつけがしやすい性別ごとの性格の違いオスの性格・特徴メスの性格・特徴サイベリアンの飼い方しつけ噛み癖トイレ爪とぎお手入れサイベリアンの注意したい病気毛球症(もうきゅうしょう)肥大型心筋症尿石症サイベリアンの性格を知って一緒に暮らそう! サイベリアンはどんな猫? ロシアで生まれたとされるサイベリアンの歴史は深く、すべての長毛種の祖先であると考えられています。 ここではサイベリアンのルーツを深堀りし、見た目や大きさ、寿命などをご紹介します。 サイベリアンのルーツ サイベリアンは、ロシア東部で自然発生し、西暦1000年ごろには存在していたといわれるほど長い歴史のある猫種です。 品種名の由来は、野生ネコが多く存在する「シベリア」。この極寒の地で生き延びるために、分厚い被毛と丈夫な身体を手に入れました。サイベリアンとよく似た特徴をもつ猫、ノルウェージャンフォレストキャットやメインクーンの祖先ともいわれています。 サイベリアンは、1870年代から始まったキャットショーへの出展をきっかけに人気が出たとされています。しかし、当時のロシアは他国との交流や交易が制限されていたため入手が難しく、他国には広まらなかったそうです。海外への輸出が始まったのは1980年代以降で、1996年に猫種として正式に登録されました。 サイベリアンは今日に至るまでロシアを代表する猫として要人たちにも愛され、国際交流のシンボルとなっています。 サイベリアンの見た目 サイベリアンの大きな特徴は、フワフワの長い被毛です。質感の異なる3種の毛に覆われている「トリプルコート」の猫種であるため、寒さにも耐えられます。カラーはブラックをはじめ、ブラウン・ホワイト・レッド・シルバー・ゴールド・クリーム・ブルーなど幅広く、模様もバイカラー(2色)やキャリコ(3色)タビー(縞模様)など多岐にわたります。 頭部は丸みを帯びており、鼻は短め。耳は側頭部から頭頂にかけてついており、先端は丸く前傾しています。さまざまなカラーが認められている目はアーモンド形で大きく、あどけない表情をしていますが、身体は筋肉質でがっしりとしています。 サイベリアンの大きさ サイベリアンの大きさはオスとメスで異なり、オスのほうが大きく成長する傾向があります。 成猫時の大きさは以下のとおりです。なお、体高とは四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さです。 オス…体高:23~25cm、体重:6.5〜12kg メス…体高:23~25cm、体重:4.5〜10kg サイベリアンの体重はほかの猫種よりも重く、10㎏を超えることも珍しくありません。がっしりと丸みを帯びた姿は「ビヤ樽型」ともいわれています。 サイベリアンの寿命 サイベリアンの平均寿命は10〜15歳と、ごく平均的な長さです。しかし、寿命は健康管理によって左右されるといっても過言ではありません。 猫は、人間に例えると、生まれてから2年ほどで24歳ほどになり、そのあとは1年に4〜5歳ずつ歳をとるといわれています。 長生きしてもらうためにも、シニア猫になる10歳ごろからは年2回、動物病院で健康診断を受け、健康状態をチェックすることをおすすめします。 サイベリアンの飼いやすさ サイベリアンは、ほかの猫よりも知能が高いといわれており、しつけがしやすい猫種です。基本的にのんびりとしていて、突然暴れたり鳴いたりすることはほとんどないため、集合住宅でも安心して飼えるでしょう。大型ではありますが、運動量はあまり多くないため、広いスペースも必要ありません。 さらに、サイベリアンは、猫アレルギーが出にくい品種といわれています。猫アレルギーを引き起こす「Feld1」というタンパク質の量が、ほかの猫種よりも少ないためです。猫アレルギーの方でも飼いやすいといわれているサイベリアンですが、個体によって量に差があり、絶対にアレルギーが出ないわけではありませんので、注意しましょう。 サイベリアンの性格 サイベリアンはおっとりとしていながらも運動能力が高く、飼い主さんへの愛情が深い猫種です。一方で、テリトリー意識が強く、仲間と認めない相手には冷たく接する一面もあります。そのため、お迎えする際は、仲間であることを根気よく教えていくことが大切です。 ここでは、サイベリアンの基本性格をくわしく解説します。 好奇心旺盛で運動能力が高い 大型の猫は成長とともにあまり動かなくなるイメージがありますが、サイベリアンは成長しても好奇心が旺盛で活発です。ほかの動物ともコミュニケーションを取って遊ぶことが得意であるため、異種の多頭飼いにも向いているでしょう。 また、サイベリアンは運動能力が高く、家具の上やカーテンレールなど、高くて狭い場所にも簡単に飛び乗れます。キャットタワーも大好きな子が多いため、ぜひ用意してあげましょう。適度な運動は、ストレス発散や病気予防にもつながります。 ▶キャットタワーの商品を見てみる 従順で愛情深い サイベリアンは従順で愛情深く、犬のような性格をしているといわれています。 知らない人に対しては人見知りをしますが、飼い主さんに対してはとても甘えん坊。お腹を見せることにも抵抗がなく、ゴロンと横になって甘えてきます。 ただし、サイベリアンのなかには抱っこを嫌う個体もいます。そのため、飼い主さんのほうからベタベタと触ったり抱っこしたりすることは控えてください。その代わり、サイベリアンのほうから甘えてきたら、たくさんかまってあげましょう。 賢くしつけがしやすい サイベリアンはとても賢く、頭の良さは猫種のなかでも上位に入ります。個体差はありますが、犬のように「待て」「おすわり」などの指示語を覚えられるといわれており、しつけがしやすい点も、飼いやすい理由といえるでしょう。 観察力も理解力も備えており、先回りをして待っていたり、ドアを開けて通ったりと、まるで人間のように行動することもあります。 性別ごとの性格の違い サイベリアンの性格は、オスとメスで異なります。性別による性格の違いを理解したうえで、飼い主さんのライフスタイルや希望を考慮して選ぶことが大切です。 以下に、オスとメスの性格の違いをご紹介します。サイベリアンと良好な関係を築くためにも、ぜひ参考にしてください。 オスの性格・特徴 オスのサイベリアンはテリトリー意識がメスよりも強く、マーキング行動をとることがあります。 マーキングとは、自分の縄張りを示すために、においをつけることです。猫の場合は壁などに立ったままおしっこをかける子が多く、通常よりも強烈なにおいを放ちます。 マーキングをやめさせる方法として有効なのは、去勢手術です。初めての発情期を迎える生後半年〜10カ月ごろに去勢手術を受けると、かなり落ち着くといわれています。 また、オスのサイベリアンはメスよりも甘えん坊で、飼い主さんとのスキンシップを楽しむ傾向があります。抱っこしたり一緒に遊んであげたりすることで、より親密な関係を築けるでしょう。 メスの性格・特徴 メスのサイベリアンはオスよりも独立心が強く、自己主張がはっきりとしています。そのため、飼い主さんは必要以上にかまわず、適切な距離感を保ちながら接することが大切です。 その反面、母性本能が強く、子猫に対してはせっせと世話を焼きます。ほかの猫や動物がいる家庭では、メスのサイベリアンが面倒をよく見てくれるため、飼い主さんにとっては助かる存在となるでしょう。 サイベリアンの飼い方 初心者でも比較的飼いやすいサイベリアンですが、子猫のころにつきやすい「噛み癖」には注意が必要です。また、長毛種であるため、毎日のブラッシングが欠かせません。 ここでは、サイベリアンを飼う際、とくに意識しておこないたいしつけとお手入れについて詳しく解説します。 しつけ サイベリアンは大型猫種であるため、噛まれると怪我を負うおそれがあります。噛み癖がつかないよう、子猫のころからしっかりとしつけておくことが大切です。また、先述したとおり、サイベリアンは仲間と認めない相手の話は聞かない特性があります。トイレや爪とぎのしつけなども、子猫のうちに覚えさせておきましょう。 噛み癖 噛み癖のしつけで大切なポイントは、飼い主さんの手(指)を遊び道具と認識させないことです。遊んでいるときに手(指)を噛んできたら、すぐに引き抜かず、指を口に押し当て低い声ではっきり「痛い」と伝えましょう。これを根気強く繰り返すことで「噛んだら遊んでもらえなくなる」と認識し、噛まなくなります。叱ったあとは遊びを再開したり、おやつをあげたりして褒めてあげてください。 トイレ トイレのしつけは、その子にとって快適な猫砂を、その子の好きな場所にセッティングすることが大切です。突然床を嗅いだり、カーペットを引っかいたりする行動はトイレのサイン。そっと抱きかかえて猫砂の上に移動させましょう。このとき排泄物はすべてを除かず、少しにおいを残してください。こうすることでトイレの場所を覚え、同じ場所で排泄するようになります。 ▶猫用トイレの商品を見てみる 爪とぎ 爪とぎをしつける際は、爪とぎをしてもよい場所と、してはいけない場所を教えてあげることが大切です。してはいけない場所で爪をといでも大きな声で怒らず、速やかに、してもよい場所へ移動させましょう。爪とぎをしたがる場所に爪とぎグッズを置くことも効果的です。 ▶爪とぎの関連商品を見てみる お手入れ 分厚いトリプルコートをまとっているサイベリアンは、換毛期になると毛がたくさん抜けます。毛のもつれや毛玉を防ぎ、皮膚の健康を保つためにも、毎日ブラッシングをしてあげましょう。まず、スリッカーブラシで毛のもつれをとり、そのあとラバーブラシや獣毛ブラシで毛を整えるときれいに仕上がります。 また、3週間〜1カ月に1回程度、爪切りをしましょう。「猫は自分で爪をとぐから爪切りは不要」と思うかもしれませんが、猫の爪とぎは爪を鋭く保つための行動であり、短くはなりません。飼い主さんのケガ防止のためにも、必ず爪切りをおこなってください。爪を切るのが難しい場合は、動物病院で切ってもらうといいでしょう。 歯の健康を保つことも大切です。歯磨きを怠ると歯周病になるおそれがあるため、できれば毎日、少なくとも、2〜3日に1回は歯磨きをしてください。 サイベリアンの注意したい病気 丈夫な猫種といわれるサイベリアンにも、かかりやすい病気があります。長生きしてもらうためにも日々の健康管理に気をつけ、少しでも小さな異変を感じたら病院を受診しましょう。 最後に、サイベリアンがかかりやすい3つの病気をご紹介します。 毛球症(もうきゅうしょう) 毛球症は、毛づくろいしたときに飲み込んだ大量の毛が「毛球(もうきゅう)」という塊になって体内に留まり、消化器にさまざまトラブルを引き起こす病気です。サイベリアンのように、抜け毛が多い猫種によく見られます。 少々の毛球であれば糞として排泄されますが、毛球が胃でどんどん大きくなると腸に進めなくなるため、毛球を吐き出してしまいます。うまく吐き出せず、排泄もされない場合は腸閉塞を誘発するおそれがあり、手術を要することも。 毛球症を防ぐためには、毎日丁寧にブラッシングをし、毛づくろいした際に飲み込む毛の量を減らすことが大切です。 肥大型心筋症 肥大型心筋症とは、心臓の肥大化により心機能が低下する原因不明の病気です。 初期症状が見られることは少なく、ある程度進行すると、呼吸回数が多い、口を開けて呼吸をしている、元気がなく動きたがらない、食欲がないなどの症状があらわれます。さらに症状が進むと、失神したり、命を落としたりすることもある危険な病気です。先にあげた症状が目立つ場合は、すぐに病院を受診しましょう。 また、肥大型心筋症は遺伝的にかかりやすいともいわれており、定期的に検査することで、早期発見・早期治療につながります。体調の変化を見逃さないよう、日ごろからしっかりと健康管理をおこってください。 尿石症 尿石症とは、体内のミネラル成分が集まり、腎臓や膀胱などに結石ができる病気です。主な原因は、水分不足、ミネラルの多い食べ物の摂取、遺伝的要因など。食事療法や薬物療法、手術で治します。 症状は、結石ができる場所によって異なり、腎結石の場合は大きな症状はあらわれません。しかし、尿管結石の場合は、血尿や尿量減少、食欲不振、嘔吐などの症状が見られます。また、膀胱結石の場合は、血尿、頻尿、排尿時の痛みが生じます。そのため、トイレに行く回数が増えたり、排尿時に鳴き声をあげたりすることがあれば、膀胱結石を疑ってください。 さらに、尿道結石の場合は尿道閉塞を発症しているため、尿がまったく排泄されなくなります。尿道閉塞はもっとも緊急性が高い症状です。トイレに行っても尿が出ないときは、すぐに病院へ連れて行きましょう。 サイベリアンの性格を知って一緒に暮らそう! ロシアで生まれたサイベリアンは従順で賢く、しつけがしやすい猫種です。初めて猫を飼う方や、将来的に多頭飼いをしたい方も安心して迎えられるでしょう。 飼う際に心がけたいケアポイントは、ブラッシングです。サイベリアンの大きな特徴であるトリプルコートは抜けやすく、毛球症につながるおそれがあるため、毎日こまめにブラッシングしてあげましょう。 サイベリアンが快適に過ごし、長生きしてくれるように、しっかりと準備をしてお世話をしてくださいね。 ショップにいるサイベリアンを見てみる この記事を監修した人 小松 智彦 獣医師。北海道大学大学院獣医学研究科卒。 20年以上獣医師・研究者として勤務する傍ら、学術論文や業界誌への執筆も多数経験。また幼少期からたくさんの動物を飼育してきたことから飼い主に寄り添える動物博士として活躍中。
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